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2018~2019オーロラシーズン終了。本当にオーロラ低迷期? 実際はどうだったのか!? データで振り返ってみましょう。

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皆さんこんにちはヤムナスカガイドの堀口です。

ヤムナスカ、ユーコンオフィスでは3月末をもってオーロラツアーがすべて終了し、無事に冬のシーズンを終えることが出来ました。
今シーズンも多くの方に、ユーコンの自然の神秘を味わっていただきました。お越しいただきました皆様、誠にありがとうございました。

世間的にはここ1~2年はオーロラ低迷期と呼ばれておりますが、今回の記事では、「なぜ低迷期と呼ばれているのか?」また、「どれくらいの頻度でどんな姿のオーロラが発生したのか!?」というところまで掘り下げてみたいと思います!出来るだけ端的にわかりやすく説明してみますので、是非ご一読下さい。

先ず一般的に「オーロラ低迷期」と言うと、オーロラが発生しにくく、鑑賞しにくいと考えられている時期の事です。後述する太陽活動のサイクルの中では「極小期」にあたり、反対の「極大期」に比べると、オーロラ旅行には向いていない時期と考えられています。
しかし、本当は極小期でもオーロラは十分に見ることができるのです。

それでは簡単にオーロラ発生の仕組みをおさらいです。
オーロラの発生は太陽の活動が大きく影響しているのですが、太陽活動が活発になるとオーロラが発生する条件が揃いやすくなるのです。
その条件を少し説明しましょう。

その太陽の活動の規模を表すものの一つが「黒点」の数です。
黒点は太陽の表面の温度が下がり、磁場が活発になっている状態の部分で、特殊な方法で太陽の観測をした時に「黒い点」のように見えます。

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太陽を特殊なカメラで可視化した写真
右上のほくろのように見えるのが「黒点」

この黒点では「フレア」と呼ばれる太陽の表面で発生する爆発が起こりやすくなり、太陽からのエネルギーが地球まで届きやすくなります。
そのエネルギーとは大きく分けると、フレアの発生に伴う爆風である「太陽風」の速度とその磁場の強度、太陽風に含まれ宇宙空間に放出される電子である「プラズマ」の密度となります。

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黒点から発生した太陽フレア

つまりオーロラが発生しやすい条件とは・・・

黒点が多くなる
↓↓
フレアの発生頻度が多くなる
↓↓
太陽風の速度が普段より高速となり磁場の強度が上がる、プラズマの密度が多くなる
↓↓
オーロラが発生しやすくなる

ということになるのです。


それでは黒点の数の推移をグラフで見てみましょう。

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これを見ると明らかに11年毎に黒点の数が増加したり、減少しているのがわかりますね。
黒点数が多く太陽活動が最も活発な時期を「極大期」、反対に活動が最も穏やかな時期を「極小期」と呼びます。
近年「オーロラ低迷期」と呼ばれている一番の理由は、黒点の数が少ない「極小期」であるためです。

それではこの「極小期」にオーロラは鑑賞ができないのでしょうか?

フレアだけがオーロラの発生に関係していると思われることが多い為、
「極小期=オーロラ低迷期」という構図になりがちなのです。
しかし実はあまり知られていませんが、極小期には「コロナホール」という現象が発生しやすくなり、それがオーロラの発生に大きく影響するのです。

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右上の黒くなっている部分がコロナホール


コロナホールとは、太陽を覆う大気であるコロナに見られる低温、低密度のエリアであり、X線で太陽を観測したときに黒く巨大な穴のようにみえることから、そう呼ばれています。このコロナホールが黒く見えるのは、黒点と同じように周囲に比べて温度が低い為ですが、黒点より遥かに巨大でそこから放出される太陽のエネルギー質量は膨大で、オーロラの発生に大きな影響を与えます。

ここまでの話をまとめると、

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極大期=黒点が多くなりフレアが発生しやすい、コロナホールの数は減少する
極小期=コロナホールの発生が多くなりやすい、黒点の数は減少する

となります。

もう皆さん気づいたと思いますが、「オーロラ低迷期」というのは実は「誤解であることがわかりますね。「極小期」に黒点が少なくなることがオーロラの発生が減少するという事だけが、いつの間にか独り歩きしてしまったのです。もう一方の「コロナホールによるオーロラの発生」の条件が知られることが少なかったのです。


ということで「太陽極小期=オーロラ低迷期」という構図が間違いだったとわかったところで、今シーズン、ヤムナスカガイドが撮影した写真と共にツアーを振り返ってみたいと思います。世間的にオーロラ低迷期と考えられていたこの時期に、実際はどうだったのでしょうか。
また、今シーズンは太陽の活動データを蓄積したので、オーロラを撮影した日の太陽のデータも一緒に見ていきましょう!




驚異の鑑賞率を誇る地 イヌビック
今年は個人のお客様をイヌビックのツアーにご案内致しました。
ツアーの様子はこちらからどうぞ。
イヌビックでの私たちのツアー滞在中に、オーロラを見れなかったことがありません!
鑑賞率なんと100%!!

今回のツアーではどうだったのかというと、、、、
なんとまたもオーロラ爆発!!(ブレイクアップ)でした。

これでヤムナスカでのイヌビックオーロラ連勝記録を伸ばすことが出来ました!!
不敗神話が続きます!!


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2019年1月20日1:30 撮影:堀口
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2019年1月20日1:54 撮影:堀口
この日はコロナホールの影響で太陽風の速度、磁場に良いデータが出ています。


それにしてもイヌビック、恐ろしいほどにオーロラが発生します。
ホワイトホースからさらに北へ北緯68度の北極圏へと突入するわけですが、この地の果てまで来る価値が十分にあると改めて再認識しました。

もちろんオーロラだけでなく極北ならではのアクティビティが楽しめます!

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イヌビックから北極海へと続くデンプスターハイウェイ
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凍結した北極海に到達!!
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ツンドラの大地にゆっくりと沈む太陽


ここには限られた僅かな種類の生命しかなく、それ以外は永久凍土の真っ白な雪面と空が続くだけ。
北極海に面するイヌイットの村タクトヤクタックという集落を訪れます。

イヌビックへは今年もヤムナスカと提携のある日本の山専門の旅行会社、アルパインツアー社との企画で3年連続で写真家の中垣哲也さんとコラボのツアーが催行され、ここでもオーロラはやはり爆発するのです!
それではいくつかのブレイクアップをどうぞ!

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2019年3月13日22:39 撮影:本山
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2019年3月12日1:34 撮影:本山
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2019年3月12日0:53 撮影:本山
データでは2日前に小規模のフレアが発生していますが、このフレアは地球への影響はほとんどなかったといえます。
また、コロナホールも発生していますが同じく地球への影響はこの2~3日後となっています。
つまりフレアや、コロナホールが発生していなくてもオーロラが発生しているということです。




大自然に包まれる宿 クルアニ・ロッジ
こちらもアルパインツアー社との共同企画で冬の定番ツアーとなっています。
世界遺産クルアニ国立公園の山岳風景とオーロラの旅です。

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クルアニ国立公園キャサリーンレイクにてスノーシューハイキング


日中は急峻な山の景色を見ながらゆっくりとスノーシューを楽しみます!



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ロッジ目の前、シープマウンテンの景色と凍結したクルアニレイクの上を歩く

宿泊は完全貸切のロッジで目の前には山と湖だけ。
最高に贅沢な滞在です。

そしてここではヤムナスカガイドが山で鍛えた料理の腕を披露します。

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ヤムナスカのガイドが料理の腕を振るいます
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暖かいメインダイニングでゆったりと食事します。


日本のお客様でも食べやすい味つけで、日替わりで趣向を凝らした料理を提供します。
このダイニングも貸切なのでゆっくりと食事を楽しみます。

そして何と言っても夜のオーロラ!

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2019年3月12日1:21 撮影:堀口

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2019年3月12日2:33 撮影:堀口
奇しくも上のイヌビックの日時と同じですが、
2000km以上離れた場所でもこのようにオーロラが鑑賞できています。


ここは私が本当に好きな場所なんですが、何が素晴らしいかというと、
・完全に貸切で自分達だけしかいない
・宿泊しているロッジの目の前がオーロラ鑑賞地
・山岳エリアとオーロラ鑑賞地という最高のロケーション
こんな条件が揃うのは非常に稀で、世界最高のオーロラ鑑賞地の一つといっても過言ではないかも知れません。
山とオーロラの景色は他でも見れるかも知れませんが、その場所に貸切できるロッジあるというポイントが奇跡とも言える素晴らしさなのです。




豪華ロッジ イン・オンザレイク
ユーコン一番人気のツアーです。
年々ロッジが人気となり、時期によっては部屋の確保が難しくなるほどですが、今年もたくさんのお客様にお越しいただきました。

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2019年2月28日3:01 撮影:堀口

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2019年2月28日3:35 撮影:堀口
やはりこの日もコロナホールの影響で太陽活動が活発となっています。


中でも年末年始のリピーター様は毎年同じ顔ぶれの方々が多くなり、「今年もまたお願いしますね!」という感じで年越しの風物詩になって来ています。(笑)

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毎年行われる同窓会のようなワイワイとした雰囲気です!


「毎年年越しはイン・オンザレイクで」と仰って来てくださるお客様には感謝しかありません!また今年もどうぞよろしくお願いします。




極北の地を楽しむ デイツアー
日中もアクティブに極北の滞在を充実させるデイツアーです。
私もたくさんのツアーをガイドさせていただきました。

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ミート・ザ・ワイルドにて
ユーコンでもっとも多く棲息する大型の野生動物カリブー
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野生では北極圏でしか生息していないマスコックス(ジャコウウシ)

ミート・ザ・ワイルドは人気のツアーです。
極北でしか出会えない動物など、ガイドがしっかり解説するのでお子様から大人のお客様まで楽しんで頂きました!

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森の中に粋なクリスマスツリーを発見!
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ホットチョコレートが体に染み込んでいくようです。


ネイチャー・ウォークではカナダ山岳ガイドの資格をもつ我々ヤムナスカガイドが得意とする分野です。
雪深い森や、凍結した湖を歩いたり今年も極北の自然を「発見」して頂きました。




極北の古都 ホワイトホース
市内のホテルに滞在し、夜はガイド付きのオーロラツアーへと出発します。
今年からの新企画でしたが、こちらも多くのお客様にホワイトホースを満喫していただきました。

ヤムナスカ独自のデータで見ると1月、2月、3月の90日間で50日オーロラが発生している為、2日に1度以上オーロラが発生した計算になります。
特にコロナホール、フレア、CMEの影響が大きかった2月下旬から3月上旬は、毎日のように頻繁にカーテン状の強いオーロラが発生しました。



さて、これで「極小期」でもこの様にオーロラが発生し、鑑賞できることが証明されました。
後は「いつオーロラを見に行くのか!?」ですが、太陽のサイクルでもいつオーロラが発生しやすいかはわからないですし、オーロラ予報サイトなどでも正確な発生を当てることは現代の科学を持っても難しいのです。

私もかつては「人生で一度はオーロラを見てみたい!」と思っておりました。そして多くの方が私と同じような考えでした。よく調べている方は「折角なら太陽活動が活発な極大期に行きたい。」と数年先に計画される方もいらっしゃいますが、そうなるとなかなか具体的なプランが立ってきませんね。しかしこれで極小期でもオーロラが発生しやすいことがわかりましたので、気持ちが熱いうちにご旅行の計画を立てるのがお勧めです!!
つまり・・・

オーロラの「見れる・見れない」は、極小期や低迷期、オーロラ予報に左右されるばかりでもなく、いつ出現するかは分からないということです。

そんな気分屋のオーロラに出会うためには、見る確率を少しでも高めることが重要で、それは『晴天率の高い場所』へ行く。そして、『いつでもオーロラが見れる宿』に泊まることです。

実際のところ「運」の要素が強く、だからこそ出会った時の感動があるのかもしれません。
11年周期など気にせず、オーロラ旅行は行ける時にすぐに計画すべきと言えますね。


最後まで記事を読んでいただきありがとうございます。
今シーズンも沢山のお客様にオーロラツアーにご参加いただきまして、誠にありがとうございました。

また、2019年のヤムナスカのオーロラシーズンは8月下旬からスタートしますが、今からでも準備は早すぎるということはありません。
どうぞご計画はお早目に!

堀口慎太郎

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オーロラ発生についてももっと詳しく知りたい方はこちらから。↓↓


by ymtours | 2019-05-08 06:14 | お知らせ | Comments(0)

新しくなった バンクーバー空港の国内線乗り継ぎ方法。( 2019年1月現在 )


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ヤムナスカガイド 本山です。
本日は、2018年9月に新しくなったバンクーバーの乗り継ぎの情報でブログアップです。

個人旅行でお越しになる際に、気になるのが、海外旅行での乗り換え・乗り継ぎです。

新しくなったのは、以下です。
・入国審査がキオスクになり、簡素化された
*キオスク・・・タッチパネル方式の入国審査前の基本情報入力作業
・エアカナダで国際線(成田ーバンクーバー) カナダ国内線(バンクーバー - ホワイトホースなど)を利用の場合、荷物のピックアップがなくなった
・税関申告書を機内で紙に記入する作業がなくなった
*キオスクでの入力の際に同時に行います。

①成田、地方空港でチェックインの際に荷物のピックアップがバンクーバーで必要か確認しましょう。
お客様に聞いた話ですが、名古屋空港などは、チェックインの際にバンクーバーに荷物のピックアップが必要と言われたが、実際には必要なかった。などという話も聞いています。

機内にいるときには、税関申告書などの記入はなくなったので、のんびりリラックスしてフライトを楽しみましょう。
これで映画を中断して書類記入はなしです!

ところで、eTAはカナダ入国には必須ですので、事前に必ず所得しておきましょう。

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バンクーバーに到着すると、まずは入国審査へ進みます。


これは2019年12月、1月時点の情報なので、細かい部分はいつ変更になるかは不明です・・・
ところどころに係員の方がいて、「Domestic connection?Domestic?」(国内線乗り継ぎ)と聞いてきます。
この英語の単語!覚えておきたいですね!
この写真の白いYシャツ着ている人がそうです。


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私も日本から国内線への乗り継ぎなので、このパウチされた紙を渡されました。
国内線乗り継ぎの人は、このキーワード!『Domestic connection』とアピールしてこれをもらいましょう。
どうやら色でも管理しているらしく、国内線乗り継ぎの人は青のようです。
この辺もいつまでこのシステムが行われるのか不明なのが、困ったところですが、2019年1月現在はこれでした。
★2019年7月現在で、このパウチが渡すシステムは行われなくなったようです。



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進んでいくと、ところどころに係員がいて、誘導されます。
この時に、係員の人はこのパウチカードの色を見ていたようです。
写真の右奥 キミドリのジャケットを着た人がバンクーバー空港の係員の方です。
「はい、こっち、こっち」と誘導していました。

看板をよく見ていただくと、「Arrival」そしてカナダの国旗がついている方向が進んでいく方向です。


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エスカレーターを降りていくと、明らかに入国審査という感じの風景が出てきます。

今までは、移民審査官がいるブースに並んで、「サイトシーング?」とか聞かれて、ハンコをパスポートに押されていたのですが、かなり長打の列になっていました。
現在は以下のステップになっています。



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色々な言葉で、カナダ訪問者と書かれていますが、ここに並びます。



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上から見るとこんな感じ、
これがキオスクと言われる 入国審査前の基本情報の入力システムです。
かなり台数があるので、安心ですね。
私の時もスムーズに進んでいきました。以前の方法に比べると待ち時間は短いように感じます。
ここにもバンクーバー空港の係員の方がたくさんいました。
写真では青いジャケットを着ている人がそうです。



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こんな感じでかなり台数があり入力していきます。
この時にパスポートをスキャンしたり、顔写真を撮ったりします。



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なんと!日本語も選択できますので、非常にありがたいです。
作業はいたって簡単、画面の指示通りに進んでいけば難しいことはありません。
この作業の際に「税関申告書」の関連の質問にも答えていきます。
入力が終わると「税関申告書」が出力されるのが、この後すぐに必要になるので、忘れずに持っていきましょう。



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次は、実際の入国審査!
皆さんイメージする、ブースがあり、独特の雰囲気を持ったちょっと緊張感のあるものとは変わり、カジュアルな感じになっています。
写真が斜めで恐縮です・・・・

今までと同じ移民審査官がいるブースもあるのですが、ほとんどの人はこちらの簡単な審査官との面接になります。
いわゆる定番の質問があるところです。
「目的は?」→「サイトシーイング」
「どこが最終目的地か?」→ 「ホワイトホース」
「何日間滞在するのか?」→ 「**日です。」
などと審査官の質問に答えて行きます。
ここではパスポートにハンコは押されませんので、必要な方は、意図的にブースの方に並ぶ必要があります。



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もちろん預けた荷物が出てくるターンテーブルはあります。
バンクーバーが最終目的地の方、エアカナダ以外の国内線に乗り継ぎの方などは荷物のピックアップの必要があるためです。
しかしエアカナダで通してカナダ国内線もご購入されている方は、ピックアップの必要はありません。



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エアカナダの場合、AC4便で「成田 → バンクーバー」飛ばれる方がほとんどになりますが、このようにターンテーブルは存在します。
本当にピックアップしないでいいのか、ちょっと不安になりますね。

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2018年12月の時点では、このように、「do not pick up baggage」(荷物ピックアップの必要なし)という掲示がありました。
これはいつまで続くのか、わかりませんが、この時点では存在しました。
なるほど、【AC 4便】もこの中の記載に含まれています。


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荷物はピックアップせず、税関申告に進みます。
ここは明確なゲートのようなものはないのですが、係の人(税関審査官)が立っていますので、キオスクでプリントアウトされた【税関申告書】を渡します。
写真の上部の緑の掲示板に 【Air Canada Connections】とあります。【エアカナダ 国内線 接続口】ということです。

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ここを通過すると、写真のような場所に出ます。
写真の右のエレベーターで4階まで上がっていきます。

写真には写っていませんが、荷物がある人は、ここでベルトコンベアに荷物を再度預け入れます。
(ベルトコンベアに流すだけの作業です。)



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※余談情報 豆知識
バンクーバーで一旦、外に出たい方は、実はここから出れるのです。
この上の写真は、もう一つ前の写真の左奥の通路なのですが、ここから外に出ることができます。
乗り換え時間がとても長いなどの方は、こちらを利用できます。
*注意
その場合、再度セキュリティをチェック通過しますので、100ml以上の液体物や、ナイフなど購入した場合は、再度チェックインカウンターで預けないといけません。
さらに注意したいのは、その時に成田ですでに2個荷物を預けている人は、預入が有料になるはずです。



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エレベーターに乗ると、表示がかなりわかりやすいので間違いことはないでしょう。
Domestic Connections (国内線乗り継ぎ)とあります。
4階に移動しましょう。


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ながーい通路を歩き、再度セキュリティチェックを通過したら、国内線の離陸の建物にいることになります。
指定のゲート番号の場所に行き、準備完了です!

以上が2019年1月までの最新情報です。
また細かい部分など変更になっている場合もあるかと思いますが、お役にたてば幸いです。

ヤムナスカガイド 本山
ヤムナスカのオーロラツアー


by ymtours | 2019-02-14 09:13 | お知らせ | Comments(2)

カナダの山小屋の食事で、フレッシュな野菜や食材がたくさん提供される理由とは?

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 皆さん元気ですか!ヤムナスカの石塚です。ちなみに上の写真は私ではなくエスプラナーデ小屋のクックを勤めていたブルーさんです。

 今日は特集記事としてカナディアンロッキーの山小屋の食事事情をお伝えしたいと思います。私たちのツアーではカナディアンロッキーの山小屋、いわゆるバックカントリーロッジに滞在するスタイルが特に人気があり、まさにカナダらしい山旅の形の一つと言えます。これらツアーを通して日本のお客様と山小屋に滞在していると、本当に大げさではなく皆さん口を揃えて言います。

『カナダの山小屋の食事は凄い!』

と。

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人気のない山域にポツンと建つミスタヤロッジ。


 実際、カナディアンロッキーの山小屋の食事では、これでもか!というぐらい野菜やフルーツが提供され、山奥のロケーションであることを感じさせません。エスプラナーデ小屋、アシニボインロッジ、ミスタヤロッジ、これらは人気の3大ロッジですが、いずれも共通するのはヘリで入山するロッジということです。実はこのヘリ入山と食材の搬送システムに答えがあるのです。

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 日本ではヘリで山小屋へ入山するとなると非常に高額となりそうですが、カナディアンロッキーのこれらの山小屋では決して高額なヘリ料金はかかりません。ヘリで入山するカナダの山小屋では、燃費を抑え、低コストで効率的にゲストを搬送するため、ステージングという仮説ヘリパットを使い、入下山の曜日を指定することで効率化を図っていることが低コストの理由の一つです。


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 一般的にロッキーのヘリ入山で使われる機種は上の写真のタイプです。パイロットを除き6人まで乗車が可能。ヘリ後部の荷物スペースに食材などの荷物を詰め込みます。

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 また、ヘリの右外側にはカーゴと呼ばれる搬送用スペースがあり、ここも活用します。フライト時間は小屋や航路により多少の違いはありますが、基本的に片道が約10分ほどになるようにステージングとの距離を調整しているようです。一度のフライトで6人のゲストと荷物を運び、その便を数回ピストンします。人の搬送と荷物の搬送を同時に行うことにより効率化を図っているのですね。これにより多くのフレッシュな食材を低コストで搬送できる。これが山小屋で贅沢に野菜や果物を使える理由なのです。

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それでは、小屋でどのような食事が提供されているのでしょうか? 実際のツアー写真からギャラリー形式でご紹介しましょう。

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この日のメインはポークテンダーロイン。

 小屋での食事はどこも共通しており、大皿に肉料理、サラダ、サイドなどが盛り付けられ、各自で好きな量を取り分けるスタイルが一般的です。自分の食べたい量を調節できるのも有り難いですね。

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シーザーサラダとBC産のトウモロコシ。

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 カナダといえばやはりサーモン。小屋でもサーモンディナーは人気です。

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こちらはタラをオーブンで焼いた一品。色味が食欲をそそりますね。

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こちらはエスプラナーデ小屋のとある朝食。
フルーツが嬉しいですね。カナダの山小屋ではオーブンを非常によく活用します。
実はこのクロワッサンも小屋で焼いているのです。

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こちらはアシニボインロッジの朝食で出て来た焼きたてのパン。
山小屋でのクックには、制限のある環境でもオーブンを巧みに活用するスキルが求められるのですね。

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 こちらはアシニボインロッジの朝食後の風景です。ロッキーの山小屋では、朝食後、写真のようにテーブルにパン、ハム、野菜、フルーツ、行動食などが並び、自分好みのランチを作るスタイルが一般的です。

それではお待ちかねのデザートをご紹介しましょう!

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フルーツ盛りだくさんのソルベ!
これが本当に山小屋??と思われることでしょう。本当に山小屋です。

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焼きたてのブルーベリーパイ。カナダ産ブルーベリーをふんだんに使っているのです!

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 ちなみにミスタヤロッジでは自家製の温室を使い、レタス、人参、ハーブ類などの自家栽培をしています。それぞれの小屋でのちょっとした一工夫が嬉しいですね。

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アシニボインロッジへのヘリ入山。

 いかがでしたか? カナディアンロッキーの山小屋食の魅力が少しでも伝わりましたでしょうか? カナディアンロッキーの山小屋は、ヘリ入山の効率的なシステムを確立することで、広大な原生自然の中でもより快適で充実した山旅の形を実現してくれました。

 日本では味合うことのできないような山小屋ライフを、カナディアンロッキーで体験してみませんか? 

 山小屋滞在のツアーを楽しむならエスプラナーデ・トラックアシニボインロッジミスタヤロッジの3つのロッジが不動の人気となっています。ご検討ください。
 
 お待ちしています!

by ymtours | 2019-02-14 05:04 | 山旅の豆知識や魅力 | Comments(0)

車両規制により、今やロッキーで最もプレミア感の高い日帰りハイキングコースとなったラーチバレー。

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 皆さんこんにちは。ヤムナスカの石塚です。この写真の景色を見てください! これは決して画像を加工して色味を増しているわけではありません。ここはロッキーで最も美しい湖の一つと言われるモレーンレイク。独特の色彩で輝くこの湖は、個人的にロッキー3大氷河湖の一つだと思っています。

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 モレーンレイクはレイクルイーズと並ぶ観光地であり、車で湖畔近くまでアクセスできることから、多くの観光客が訪れる場所です。しかし、この場所が今やロッキーの中でも個人で行くにはとても困難になっていることをご存知でしょうか? その理由は、駐車場へと続く唯一のアクセス道路であるモレーンレイクロードに車両規制が敷かれ、駐車場が満車になるとこの道路に入ることができなくなるためです。観光バスや商用車、専用のシャトルバスには特別な許可証が発行されるため、規制後でも入ることができますが、許可証のない個人の車両やレンタカー利用者は道路に入ることができません。

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 モレーンレイクは超一級の観光名所であるにも関わらず、実は駐車場が非常に小さいのですが、これは湖が谷あいを上り詰めた先の山奥ににあるためです。よくよく考えると、この場所にしっかりとした駐車場が整備されているだけでも凄いことなんですね。

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 もともとこの駐車場はそれほど大きくないためにすぐに満車となり、規制が敷かれる以前はモレーンレイクロードにずらっと路上駐車をされることが日常茶飯事でした。これら駐車場から溢れた縦列駐車の列は2km以上先まで延びることもあったんですね。この道路は山間部に伸びる一本道であるため、ここで事故や渋滞が発生すると大きな問題になり兼ねません。そこで国立公園局は、昨年より道路の入り口で入場規制を始めたのです。

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 車両規制の場所は、レイクルイーズへと続く道「レイクルイーズドライブ(Lake Louise Drive)」と「モレーンレイクロード(Morain lake Road)」の分岐点となります。モレーンレイクロードはこの分岐点から湖畔の駐車場まで約12kmも続く一本道であるため、途中で規制をかける場所がありません。そのため、この道の入り口で制限をするようにしているのですね。


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 こちらは車両規制のなかった時代の分岐点です。Googleストリートビューから画像を拝借しました。現在はこの場所に国立公園局の職員が立ち、簡易バリケードを建てることで車両をコントロールしています。


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 車両規制は早朝6:00から敷かれ、以後は駐車場が満車になるとすべての一般車両は通行禁止となります。駐車場が大きくないため、7:00前には満車となってしまうことも珍しくはありません。

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 この規制により駐車場や道路の混雑はなくなりましたが、基本的にいつも満車状態であることが多く、よっぽどタイミングが良くないと規制を通過することができないように感じます。先日、私も家族とプライベートで訪れたのですが、やはり満車状態であったため、モレーンレイクへ行くことができませんでした(泣) 観光バスや商用車、専用のシャトルバスには特別な許可証が発行されるため、規制後でも入ることができるのですが、今の状況を考えるとこれら専用車を利用するのが一番現実的な方法と言えるでしょうか。 私たち地元の人間にとっても、個人で行くには非常に面倒な場所になってしまったというが正直な気持ちですね。


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 レイクルイーズビレッジからモレーンレイク駐車場までのシャトルバスは数社により運行され、ご覧のような中古のスクールバスが利用されています。値段と運行スケジュールは会社により違いますが、片道$15~$25が目安となるようです。
 

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 何かと不便なこの道路規制ですが、良いこともあります。それはモレーンレイク湖畔から始まる人気のハイキングコース、ラーチバレーの混雑が劇的に減ったことです。規制が敷かれる3年前までは、週末ともなると数珠つなぎに人が連なるほどの混雑も珍しくはありませんでした。しかし、今年の夏はトレイルを歩く人も少なくなり、まさにカナダらしい、ゆったりとしたハイキングを楽しめるようになりました。
 

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 この写真は規制初年度の2017年(昨年)9月のものです。ラーチバレーが一年で最も混雑するのが秋の黄葉シーズンなため、他のロッキーのコースと比較したら人は多い方なのですが、それでも規制前に比べたら本当に人の数は少なくなったと感じます。

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 一面が黄色やオレンジに染まるラーチ(カラマツ)の世界。ここはロッキーの中でも本当に特別な場所だと思います。


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 人が少ないのは素晴らしいことですが、そうなると不安なのはやはりクマ問題ですね。このラーチバレーコースはもともとグリズリーベアーの生息地であるため、ロッキーでも珍しく人数規制が敷かれる場所でもありました。このコースは、クマの活動状況により4人以上のグループで歩くことが義務付けられることがあります。この夏は今のところ規制は敷かれていませんが、トレイルの入り口に看板があるのでチェックが必要です。2年前はこの規制を無視して歩いていたハイカーが高額の罰金を課せられたという話もありますので、必ずチェックをしましょう。


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 車両規制により人が少なくなったことで、クマにとってはより住みやすい場所になりつつあるのではないでしょうか。車両規制前の人の混雑を知っているだけに、自然保護という点で考えても今回の車両規制は必要なことだと感じます。


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 3000m級の山々が10座連なるテンピークスと、広々としたU字谷の景観。氷河、湖、岩山、高山植物など、このコースにはカナディアンロッキーのハイキングの魅力がすべて詰まっていますね。季節により初夏から秋まで様々な様相を楽しませてくれるのです。

 
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 いかがですか。今やラーチバレーはロッキーの中でも最もプレミア感の高い日帰りコースと呼べるのではないでしょうか? ヤムナスカのガイドハイキングなら、車両規制の心配もありません。個人ではなかなか行くことが難しくなりつつあるラーチバレーのハイキングを、是非一緒に楽しみましょう! 最後にきっちりとセールストークを交え、この記事を終わりたいと思います。(笑)

ラーチバレーのハイキングツアーはヤムカナのページをご覧ください。

by ymtours | 2018-08-10 06:23 | 山旅の豆知識や魅力 | Comments(0)

カナディアンロッキーに生息するクマを知ろう!

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皆さんこんにちは。ヤムナスカガイドの植木です。

皆さんは、カナディアンロッキーを代表する動物と聞くと、何を連想しますか?
いままで数多くの方をカナディアンロッキーにご案内してきましたが、
まず一番に名前が上がるのは、やはりなんといってもクマ(BEAR)ですね。
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カナダではこの写真のように、道路脇でクマに遭遇することも珍しくはありません。

そこで、今回はカナディアンロッキーに生息するクマの種類、生態、そして遭遇しないための、まめ知恵をご案内しましょう!

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(1)
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(2)

 カナディアンロッキーには上の2種類のクマが生息しています。皆さんは違いは分かりますか? 上(1)が『グリズリーベア』、下(2)が『ブラックベア』でして、カナダ全土で生息する個体数は、ブラックベアの方が多いです。


 それではまず、ブラックベアーからご紹介しますね。

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ブラックベア
American black bear/クマ科クマ属アメリカグマ

 体長140㎝~180㎝、体重250前後、大型になると約400㎏とかなり大きいですね。生息地域は、北はアラスカからカナダ全域の森林地帯、南はメキシコまでと非常に広範囲です。北アメリカには、およそ60万頭、そのうちカナダには38万頭以上が生息していると言われています。カナディアンロッキーの4つの国立公園に生息する個体数を見ていましょう。バンフ(20~40頭)、ジャスパー(約90頭)、ヨーホー(20~50頭)、クートニー(30~50頭)。合計で約200頭前後の生息が確認されています。

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 3~4歳になると出産ができるようになり、おおよそ2年に一回、2頭前後の出産を行います。ブラックベアは雑食ですが、主に植物の根、草、実を好むことが多く、獲物を捕まえて食べることはほとんどしません。一年の食事で、およそ85%は植物が占めているそうです。

  ちなみに、「クマを見たら木に登れ!!」ということを聞いたことありませんか?

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 実はブラックベアは木登りが得意です。爪が短く、しっかりと幹を捕まえてひっかけられるような形になっているのです。ブラックベアを見かけたら木の上に逃げるは止めましょう(笑)

 一方、グリズリーベアはを見てみましょう。

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グリズリーベア
Grizzly bear/クマ科クマ属ヒグマ亜種ハイイログマ

 最大級の個体は体重が450kg以上に達し、ブラックベアより大型となります。生息範囲はアラスカの一部、カナダ東部、南はメキシコ中部までとブラックベアと生息域は似ています。しかし、生息数が圧倒的に違います。アルバータ州には約690頭、カナダ全域には2万頭ぐらいしか生息していないそうです。カナディアンロッキーの4つの国立公園内には、バンフ(約65頭)、ジャスパー(約109頭)、ヨーホー(11〜15頭)、クートニー(9〜16頭)の合計で約200頭前後の生息が確認されており、カナディアンロッキーだけを見ると、生息する個体数はブラックベアと同等であると言えますが、グリズリーは移動範囲が非常に広範囲のため、この数は常に変動しているそうです。

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 5~8歳で最初の出産期を迎え、カナディアンロッキーでは4、5年おきに2〜4頭前後の子を産みます。

 グリズリーも雑食であるため、主な食物はブラックベアと似ていますが、特に爪が長く、深く穴を掘ることが可能なため、地中深くにある球根、地リスなどもよく捕食しています。

 また、ブラックベアーと異なるのは、シカ、エルク、ムースなどの大型の動物も獲物として捕食している点で、それゆえにブラックベアーより凶暴な性格と考えられています。しかし、ブラックベアと同様、食物の85%は植物といわれており、それだけ山には多くの植物の食べ物があるということになりますね。

 トレイルでは熊の排せつ物(糞)も見かけますが、晩夏から秋口の排せつ物を見ると、こんな感じで真っ赤な色をしています。
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 特にグリズリーは、秋口になると冬眠のためにたくさんの木の実を食べ、いわゆる「過食症状態」になり、一日に20時間以上は食べ続けているという結果があるそうです。
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 ところで、クマがサケを食べているシーンは有名ですね。北海道でも昔はクマの彫り物といえば、サケを咥えている姿でした。カナダでも海沿いの河川にはたくさんのサケが遡上し、それを捕食するクマの姿がよく見かけることができます。

 しかし、カナディアンロッキーは海まで約1000㎞離れており、途中いくつもの高い山脈がそびえています。実際のところサケが遡上するエリアは少なく、残念ながらカナディアンロッキーでサケを捕まえている場面には遭遇しません。

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 さて、最後にクマと遭遇しないためのちょっとした知恵をご紹介しましょう。

 まず、クマは基本的に憶病です。それゆえ、基本的にクマも人間とは遭遇はしたくはないのです。熊の嗅覚は人間の数十万倍ともいわれているので、だいぶ遠くからでも人間のことには気づいています。そして、聴覚も鋭いので、音を立てているとクマの方から近づいてくることはありません。しかし、風向き、周辺の環境などでは、人間の方が先に発見することも珍しくはありません。そのために、いくつか代表的な「クマからのサイン」を知っておくと良いでしょう。

 熊が近くにいるサインとして、足跡がありますね。


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 この足跡はかなり新しい足跡であることが分ります。こうした足跡が自分たちの行く先に通じているとしたら、クマを警戒する必要があります。あくまでもクマの縄張りに自分たちがお邪魔しているということを忘れないで、共存することが大切です。

2つ目として、排せつ物です。

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 これは一つ例ですが、いつもこのような色や形をしているわけではありません。たまに熊と馬が似ているときがありますが、よく見ると葉の繊維だけではなく、木の実や動物の毛などが含まれています。

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 こんな感じの時もあるのですが、量が多いので明らかに小型の草食動物の物ではないことが分ります。消化されずに出てきているということは、かなりの量の実を食べているということですね。

 こうした排せつ物を発見した時、まだ乾燥していない、形がしっかりしているものは新しいと判断できます。排泄物があまりにもフレッシュな場合は、クマがかなり近くにいる可能性があります。速やかに退散して、クマの領域を侵さないようにしましょう。

 先にも書きましたが、実際にクマと遭遇しないためは、大きな音を出しながら歩くのが効果的です。

 なお、音といえば「クマ鈴」と言われていますが、実は鈴はあまり効果がないことが分っています。「クマが音に慣れた」という噂がありますが、鈴の波長は自然界にも近いものがあり、実際は効果がないという話や、人工的な音のそばにエサ(人間)がいると判断して近づいてくるなんて話もあります。

 では、何が良いのかというと、「人間の話し声」です。人間の話し声の波長は自然界には存在しないそうで、クマにとっては違和感があると言われています。「森のくまさん」でも歌いながら楽しいハイキングをしましょう。

 そして、クマ撃退用のベアスプレーも、万が一に遭遇した時のために絶対に必要です。もちろん、私たちガイドは常に携帯していますので、ガイドハイキングなら安心ですよ。

 熊をもし見かけたら、十二分に距離をとり、絶対に近づかないようにしてください。

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 これは、すごく危険です!!クマが本気で走り始めたら、絶対に逃げ切ることができません。

 最後に一つ。ガイドをしていると、たまにこういう質問をしてくる方がいます。

 「白熊ってロッキーで見れないんですか?」

 確かにカナダには白熊が生息しています。しかし、白熊はホッキョクグマともいうだけあって、北極圏だけに生息している動物で、残念ながらカナディアンロッキーにはいません。北極熊を見たい方は、ぜひ北極圏のツアーに行きましょうね。

 ちなみに、ブラックベアの変異したカーモードベア(スピリットベア)という種類もカナダには生息しています。劣性遺伝子を持つブラックベア同士が交配すると、白いブラックベアが生まれるといわれています。BC週には実際に2000頭ほど確認されていますが、これは白熊ではなく、ホッキョクグマとは別種ですのでお間違えなく。また、カナディアンロッキーではいまのところ正式には確認されていません。

 クマのことが少し分かっていただけましたでしょうか?
 カナディアンロッキーではクマは決して珍しい動物ではありません。

 幸いカナディアンロッキーでは、クマによる被害の報告はここ20年以上ありませんが、それでも動物園のクマを目の前で見ただけでも恐怖を感じるので、まずは遭遇を避けるのが第一、そしてその知識をもって山に入ると、より安全な登山を楽しむことができます。

 皆さんもクマには十分に気をつけてください。


ヤムナスカ・ガイド植木 正幸 (うえき まさゆき)
ガイドプロフィールはこちらから


by ymtours | 2018-07-13 03:05 | 山旅の豆知識や魅力 | Comments(0)

目から鱗、軽量バックパッキングの話

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 こんにちは、ヤムナスカ、バックパッキング推薦委員の植木です!!

 突然ですが、皆さんは「バックパッキング」という言葉をご存知ですか? バック(Back=背中)にパッキング(Packing=荷作り)するという意味があり、荷物を背負って歩くことを指します。背負って歩くといっても、日帰りハイキングや縦走もすべてこれに当てはまりますね。そこで、今回はバックパッキングという山行スタイルについて準備や道具の話を書きたいと思います。

 北米では、深い山奥にテントや食料などを担いでキャンプをしながら山歩きを楽しむことを、バックカントリー・バックパッキングといいます。近年、道具の進歩によって軽量、コンパクトな商品が増えてきました。でも、いざ道具を揃えようと思っても、何をどう購入していいのかは難しいものですね。そこで、今日はカナダの山岳ガイドがいつも持っているバックパッキングの道具を紹介したいと思います。

 じゃーーん。これが私の必須アイテムです。

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 私の場合、いかに軽くするかという「軽量化」がポイントになるため、テントの代わりにタープを使います。軽くて小さいタープは、雨の少ないカナダの夏のキャンプには最適です。テントについても後ほど紹介しますね。

 寝袋

 次はキャンプの必須アイテムである寝袋(スリーピングバッグ)です。

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 写真の物はスリーシーズン用で、材質はダウンの物を使用しています。これはコンフォート温度で「マイナス3度」、リミットで「マイナス9.5度」対応のもので、重量は1.1kgのものですが、実はこの対応温度は鵜呑みにできません。これは個人差があると思いますが、私の場合、大体コンフォート温度に「プラス7度」をした温度が快適な温度と考えています。この場合ですと、外気温が「プラス4度」ぐらいが快適に使える気温ということですね。

 カナディアンロッキーの場合、真夏で天気が崩れると気温は一気に冷え込み、標高2000mを超えた山域では朝晩の気温が氷点下になることもありえます。コンフォート温度で「マイナス5度」ぐらいのものがあると安心ですね。特に、6月とか9月にキャンプに訪れる予定の方は、これくらいのものが必要です。カナダはとても乾燥していて一日の寒暖差が非常に激しく、朝晩は本当に冷え込みます。

 さて、この寝袋をこのままの状態で持っていくと、600mlの燃料ボトルと並べても遥かに大きくなりますね。バックパッキングの道具は...

 1:できるだけ軽量
 2:できるだけコンパクト
 3:できるだけ単純な設計

 この3つは本当に大切で、もちろん寝袋も同様です。1と3はまあクリアしているとして、収納時の大きさが寝袋の難点。そこで、私はこうしちゃいました!!

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 圧縮バッグでコンパクトにすると、ダウンの寝袋はこんなにも小さくできるんですね。これだけ寝袋を小さくすることができれば、コンパクトにバックパックに詰め込むことができるようになります。これによりバックパック自体の容量サイズも小さくすることが可能となり、もちろんバッグパックが小さくできればそれだけ全体の重量も軽くなります。


ストーブ(コンロ)

次に重要なのが、ストーブ(コンロ)です。

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 お湯を作るとき、調理をするとき、時には暖をとるときの必須アイテムですね。ホワイトガス(液体燃料)タイプと、LPガス(プロパン)タイプが一般的ですが、私はホワイトガスタイプをメインに使っています。毎回、山行に合わせて必要な量の燃料を調整して持っていけるのがメリットですね。夏場なら1日150mlを目安にします。4日の山行の場合は600mlを持っていく計算です。万が一の時に備えて修理キットは必ず持参します。

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 私はお客様をご案内するガイド山行の場合、必ずホワイトガスタイプの他に予備としてLPガスタイプのものも持参します。これは、燃料コンロが致命的な故障、または燃料漏れなどで足りなくなった場合にLPガスを持っていると安心だからです。また、LPガスタイプは着火が簡単なので、さっと火をつけたいときは便利ですね。 たしかに重量が加算しますが、プロガイドとしては安心、安全のために欠かすことは出来ません。


コッヘル(ポット)

 これもまた大切なアイテムです。 写真のものは1~2人用で、800ml前後の容量になります。

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 大きすぎず、小さすぎないサイズであり、これ一つでお湯を沸かしたり、コーヒーを飲んだり、ラーメンを作ったり、主食のお米を炊いたり、あらゆる調理はこれで一つで賄うことができます。
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 よく見るとジェットボイルのように底面に網目の板がついていますが、これによって熱効率を高めて燃料を節約することができます。燃料が節約できる=軽量化ができるというわけです。


浄水器(ウォーターフィルター)

 バックパッキングに必要な全日程分の水をもって行く人はいないと思いますが、山行中はどこでも綺麗な飲料水が手に入るとは限りません。

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 湖のほとりや川原でテントを張り、水を補給するときもあるでしょう。そんな時、直接その水を飲むことは時には人間にとっては害になる成分が含まれていることがあります。そこで必要になるのがフィルターのついた浄水器です。写真のものは手のひらサイズで重量115gという軽量タイプです。故障の心配も少なく非常に気に入っています。


さて、次はこちら。

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 これが何かわかりますか?

 大きさの参考までに、ボトルを置いてみました。大きさはこんなもんです。

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 じつはこれ、携帯型のザブトンマットです。濡れた地面、雪の上、でこぼこの地面に直接座ると濡れたり、お尻が痛かったりという経験はありませんか? これがあるとそれらすべてが解消されるだけではなく、保温効果もあります。寒い時は地面からの冷気を遮断し、おしりがホカホカと暖かくなります。また、枕の代わりにもなる優れものです。しかも100gくらいしかないため、超軽量で良いことづくしのお気に入りアイテムです。


救急道具

 次に、救急道具です。怪我や重傷の時など、すぐに病院へ行ける街中とは違い、山奥ではその場での応急救護がとても大切となります。

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 包帯、ギブス、バンドエイド、痛み止め、熱さまし薬、シップ、消毒液、などなど山で起こりえる怪我、病気に備えて一通り持っていきます。 応急処置ができた事によって、痛みが軽減したり、感染を予防できるといったメリットが大きいです。



テント

 最後にテントを紹介しましょう。天候が良く、暖かいキャンプで、1泊程度の時はもっていきませんが、それ以外のほとんどの時は必ず持っていきます。でも重くて大きくて嫌ですよね。私の持っているテントは2人用テントのMSR ELIXIR 2 で、このくらいの大きさです。

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 大きさの目安として、またまたボトルを置いてみました。重量は2.77kgと少々重たいのですが、快適な居住空間と、壊れない構造、風に強い設計であることが重要なポイントです。テント類は大きさがかさばるため、バッグパックの外に括り付ける人もいますが、バッグの中に収納した方が背負ったときに安定します。

 そこで、このテントも寝袋と同様に圧縮しています。それがこちら。

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下の写真のように、圧縮前はザックに入りきらないサイズですが、


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圧縮後にはこんなにスペースができるほど小さくなります。

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 でも、濡れたテントをバッグに入れたくないな~ なんて思っていませんか? 大丈夫、テントが入っている圧縮バッグは、See To Summit社の防水バッグを使っています。ゴミ袋にテントを入れても大丈夫ですよ。

 もちろん小さくしたからと言っても重量は変わりません。しかし、スペースができたということは、それだけ小さいザックを使うことが可能で、結果的に軽くなります。


こんな感じになります。
テントポール(赤い袋)はサイドに括り付け、マットは逆サイドまたは上に括り付けるとコンパクトに収まります。

こうして3泊分の食料も含め、テントも寝袋もコンロもすべて入れて60Ⅼのバッグに収まりました。

そして、気になる重量は



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12kgです。

 いかがですか? 快適で安全なバックパッキングを楽しむために、これだけの装備でこの重量は納得じゃないですか? これに水1.5Lと着替えと防寒着と行動食を合わせて、約15kgでした。軽量であるということは、怪我の防止、体力の温存ができ、結果快適な山行につながります。私達ガイドは、お客様の安全を第一に考え行動する必要があります。それには装備が軽量であることは非常に重要な要素です。

 広大なカナダの大自然を楽しむにはバックパッキングが最適。もちろん初心も大歓迎です。ぜひ、カナダでバックパッキング・デビューをしませんか? 皆さんのお越しをお待ちしています。

ヤムナスカ・ガイド植木 正幸 (うえき まさゆき)
ガイドプロフィールはこちらから


by ymtours | 2018-03-14 00:43 | 山旅の豆知識や魅力 | Comments(0)

カナダの名峰を紹介 マウント ロブソン - Mount Robson(3954m)-

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 皆さん元気ですか! ヤムナスカの石塚です。
 今回は名峰紹介シリーズと題して、カナダの代表的な山の一つをご紹介します。

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 重厚な山容と眼前に迫る存在感。素晴らしいですね。この山がカナディアンロッキーの最高峰『マウント ロブソン』です!

標高は3954m!

 柵越し(サクゴシ)に見るマウント ロブソンと覚えると良いですね。

 マウント ロブソンはジャスパーから西に約100km、車で1時間ほど走った先のブリティッシュ・コロンビア州に位置しています。マウント ロブソンの一帯はマウント ロブソン州立公園として自然公園に指定されており、1990年にはユネスコの世界自然遺産にも登録されました。ロブソン周辺には街がなく、山の展望が良い場所に「観光案内所」が建つのみですが、ロッキーの最高峰を眺めるために多くの観光客が訪れる場所となっています。

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 ロブソンはたとえ快晴の日でも山頂だけは雲に隠れることが多く、『クラウドカップ・マウンテン』なんて呼ばれることもあるんですね。初めて訪れた時に綺麗に山頂まで眺めることができたとしたら、とてもラッキーだと思います。

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 ロブソンの初登頂は1913年3月。オーストリア人の登山家で山岳ガイドである「コンラッド・ケイン」により、彼の案内するカナダ山岳会の登山隊と共に達成されました。ちなみに上記の写真は、ヤムナスカガイドの篠崎ヒロがロブソン登頂に成功した山行時のものです。頂上まではあと30分ほどの最後の稜線になります。すごい景色ですね。
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 初登頂時の登山隊の記録は、当時の装備とともに観光案内所の地下に展示されています。この時に使用された登山装備は、現代のものと比べると信じられないほどに簡易的なものでしたが、昔の登山家の精神力や気力の凄さを感じずに入られません。

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 現在では山の北面側へのアプローチも容易になり、ヘリコプターで荷物を運びロブソンパス キャンプ場まで簡単に行くことが可能となりました。

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キニーレイク湖畔

 ロブソンエリアの大自然を楽しむには、何と言っても日帰りハイキングとバックパッキングが一番ですね。観光案内所から車で5分ほど北に走るとトレイルの入り口となる登山口があります。ここからロブソン北面側の山麓に佇む氷河湖「バーグレイク」まで伸びる一本のトレイル「バーグレイク トレイル」は、ロッキーを代表するロングトレイルと言えるでしょう。登山口から5kmほど先にあるキニーレイク(Kinney Lake)湖畔までの日帰りハイキングは、最も手軽なコースとして人気があります。

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 キニーレイクからさらに先のエリアまで足を伸ばすには、キャンプ道具や食料を持って歩くバックパッキングの準備が必要となります。キニーレイクの流れ込み付近から、トレイルはさらに標高を上げて山深くなっていきますが、途中には「エンペラー・フォールズ」のような豪快な大瀑布の景観も待っています。
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ロングトレイルの終着点であるバーグレイク湖畔を高台から撮影。
   
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 バーグレイク キャンプ場から先のルートは一部不明瞭な登山道がつづき、特にマウント・ロブソン北壁とロブソン氷河を一望できるスノーバード パスまでは上級者ルートとなっています。
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スノーバード・パスから眺めるスノーバード氷原。

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マウント ロブソンの北面は旅のクライマックス。巨大なロブソン氷河の展望は最高ですよ。
この時の旅の記録は以下のブログからご覧にただけます。

森様、谷村様とロブソンバックパッキングの旅



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 皆さんもロブソン山麓を満喫するロングトレイルの旅へ出かけませんか?
ご興味のある方はヤムカナのツアーカタログにある「ロングトレイル」のページをご覧ください。この夏はカナディアンロッキーの最高峰マウント・ロブソンへ出かけましょう!



by ymtours | 2018-03-08 02:44 | 山旅の豆知識や魅力 | Comments(0)

登山、ハイキング、トレッキングは違うもの? 〜 英語でHIKINGの意味するところは、日本のそれと少し違います。

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 皆さん元気ですか! ヤムナスカ ガイドの石塚です。

 先日、我が社の山旅専門サイト『ヤムカナ』のツアーカタログページが一新され、生まれ変わったのはご存知ですか? いろいろと試行錯誤をした結果、カテゴリーごとに分類した方がより希望のツアーを見つけやすいのでは? ということで、今回は新しいカテゴライズにしてみました。皆さんの反応がいまから楽しみです。 さて、話しは本題に入りますが、実はこの仕事の製作会議の席にて新人スタッフの一人がこんなことを言いました。

 「皆さん、先ほどから”日帰りハイキング”と言っていますが、そもそもハイキングって日帰りですよね? しかも 比較的に簡単な山歩きってことじゃないですか??」

 なるほど。たしかに日本で言うところのハイキングのイメージはこんな感じかもしれません。しかし、北米(カナダ、アメリカ)でいうところの HIKING はちょっと違います。


そもそもHIKINGは日帰りなのか?

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 私の意見としては、英語でもただ HIKING と言った場合、やはり1日の山歩きをイメージするように思います。しかし、数日にわたって歩く場合に使う言葉でもあるのもたしかです。ちなみにウィキペディアではこのように表現されています。


Hiking is the preferred term, in Canada and the United States, for a long, vigorous walk, usually on trails (footpaths), in the countryside, (省略)......A day hike refers to a hike that can be completed in a single day.


 簡単にポイントのみを訳しますと、カナダやアメリカ(北米)では、Hikingという言葉は主にトレイルを使うロングウォークを意味しており、山に限らず田舎道などを歩くこととあります。実はこの言葉自体には1日や日帰りという意味は含まれていないのです。なので、英語では1日のハイキングや数日のハイキングを区別して、1日ハイキングを『Day Hikng』と言い、複数日で行うハイキングを『Multi-Day Hiking(マルチデイ ハイキング)』なんて使い分けるのが一般的なんですね。

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バックパッキングとは?

 複数日で行う山歩きに使う他の言葉としては、『バックパッキング(Backpacking)』がありますが、これはハイキングとは別の一つの独立したアクティビティーを指しているものです。バックパッキングとは、バックパックにテントや食料などの数日の旅で必要なものを全て詰め込み、定めらたロングトレイルを歩く遊びであり、基本的にはキャンプをしながら山歩きを楽しむことです。一方、マルチデイ ハイキングは、例えば山小屋を使いながら数日にわたって山歩きをする時などに使われることが多いですね。

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バック一つで山奥に入る。バックパッキングは実に北米らしい山の楽しみ方の一つと言えます。


トレッキングとは?

 では、トレッキングとは何でしょうか? 日本では簡単な散策がハイキングで、トレッキングのほうがより長く本格的な山歩きというイメージがあるような気がします。ちなみにウィキペディアを見てみますと、以下のように記述があります。


Trekking is the preferred word used to describe multi-day hiking in the mountainous regions of India, Pakistan, Nepal, North America, South America, Iran and in the highlands of East Africa. Hiking a long-distance trail from end-to-end is also referred to as trekking and as thru-hiking in some places. In North America, multi-day hikes, usually with camping, are referred to as backpacking.


 こちらも簡単に訳しますと、トレッキングとは、主にインドやパキスタン、ネパール、北米、南米などの山野を歩くマルチ デイハイキングのこととあります。また、北米ではトレッキングの代わりにバックパッキングを使うことが一般的であり、スルーハイキングという言葉も同様の意味で使われるとあります。

 だいたい分かっていただけましたでしょうか? 最後にヤムナスカの広報を担当しているカナダ人、シルビアにもこれらの言葉の違いを聞いてみました。
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 「ただ単にハイキングといったら、やはり1日の山歩きというニュアンスがあるかもしれないわ。ただし、数日にわたって歩く山歩きでもハイキングという言葉は使うわ。一方、トレッキングといったら先にマルチデイの山歩きをイメージするわね。トレッキングとバックパッキングは同じような意味で使うことが一般的よ。」by シルビア


 ふむふむ。ウィキペディアと同じですね。まとめると、ただ単にハイキングと言った場合は、日本でもカナダでも一日の山歩きの意味として使われることが一般的となります。ただし、それは必ずしも一日だけのものを意味しているわけではないので、英語の Day Hiking を意味する言葉として『日帰りハイキング』という日本語は適切ということになりますね。
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「ラーチバレー」は、ロッキーを代表する日帰りハイキングコースの一つ。


では、次の問題に行きましょう。


果たしてHIKINGは簡単な山歩きなのか?

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 ハイキングは1日の山歩きだとしたら、日本語と英語の意味するところはほぼ同じと言うことになります。しかし、ここからが違うのです!



 実は英語では、たとえ簡単であっても、とんでもなく難しくても、
トレイルのみを使って歩く山歩きは全部ハイキングと言うのです。


 日本には簡単でも難しくても、手を使って鎖場を歩こうと、ロープ(ザイル)で結び合おうと、山に登ることを「登山」と一括りで使える便利な言葉があります。しかし、英語ではこの辺りの言葉が明確に別れています。『Hiking』といった場合は、トレイルを使って足のみで歩く山歩きのことであり、一方、『Climbing(クライミング)』というと基本的にロープを使う登山のこととなります。では、ロープを使うほどではないけど、手を使わないと行けないような山歩きは何と言うのでしょうか? これを英語では『Scrambling(スクランブリング)』と言います。

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ヤムナスカガイド1のクライマー 谷剛史。もちろんこれはクライミングですね。

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マウント ヤムナスカ登頂コースにある鎖場。こちらはスクランブリングということになります。

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レイクルイーズエリアの最高峰「マウント テンプル」もスクランブリングで登頂が可能。
眼下にはモレーンレイクやテンピークスを含む大絶景が広がります。


 話しをハイキングに戻しましょう。手を使わずにトレイルを使って歩く山歩きはすべてハイキングですので、たとえガレ場が長く続こうと、片道10時間以上も歩かないと山頂にたどり着かない山であろうと、そこにトレイルがあり、手を使わないで歩く山歩きは全部ハイキングなのです。

 カナディアンロッキーの山々は総じて鋭く聳えているため、山頂まで行こうとするとクライミングやスクランブリングでなくては辿り着けないような山がほとんどです。しかし、数は多くないものの、中には山頂までトレイルが続き、ハイキングとして登頂ができる山もあります。レイクルイーズエリアにはる『Fairview Mountain(フェアビューマウンテン)2744m』がその一つですね。

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フェアビューマウンテンの山頂

 フェアビューマウンテンのコースデータは、往復10km。標高差は約1000mと中級レベルのコースとなりますが、トレイルがしっかりしているので、コンディションが良ければ往復6時間ほどで歩くことが可能です。山頂からの景色は本当に素晴らしく、目の前には3400mを超える名峰マウント ビクトリアやレフロイなどの氷河を抱いた山々が聳え立ち、360度の大パノラマを楽しめます。


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ウエスト ペイトーピーク


 他にもオススメの登頂コースはありますが、なかでも個人的に最も素晴らしいコースの一つと思えるのは『ウエスト ペイトーピーク』です。道路からアクセスはできない山域にあるため、通常は日帰りで行ける山ではありませんが、実はミスタヤロッジに宿泊すると日帰りハイキングが可能となるのです。コース難易度は高く、標高差850メートルの登りは、ほとんどがガレ場、急登も多く、健脚向きのコースですが、山頂からはワプタ大氷原を見下ろす景色が広がり、本格的なアルパインクライミングでしか見れないような壮大なロッキー山脈の景色を楽しむことができます。



オフトレイル ハイキング

 最後に一つ、北米ではトレイルを外れて道無き道を歩くハイキングも楽しめますが、これは『Off-Trail Hiking(オフトレイル ハイキング)』と言います。国立公園では自然保護の規制が厳しく設定されているために登山道から外れて歩くことはできませんが、年間に訪れる人の数も少ない一部の州立公園や自然公園では、登山道を外れて歩くことが許されています。これらのエリアでは、たとえ人が植物を踏みつけたとしても、自然が自らの力で十分に再生できると考えられているためです。一面のお花畑や草原を歩くハイキングは、まさに北米ならではの贅沢なハイキングと言えますね。

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ミスタヤロッジのエリアはオフトレイル ハイキングの宝庫


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いかがでしたか? ハイキングとトレッキングの違いや、日本と北米でのハイキングの使われ方の違いなどが分かっていただけましたでしょうか? ハイキングは、この広大なカナダの大自然を最も手軽に体感できる手段の一つ。カナダにお越しの時はぜったいにハイキングを楽しみましょう。新しくなったヤムナスカのツアーカタログでは、カテゴリー、分野ごとに様々なコースを紹介しています。よろしかったら是非ご覧ください!
 


by ymtours | 2018-02-01 03:00 | 山旅の豆知識や魅力 | Comments(0)