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アルパインガイド谷5年間の軌跡

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こんにちは、ヤムナスカガイドの堀口です!皆さん日本の秋山を楽しんでいますか?こちらカナダでは秋も深まり冬はすぐそこ。そろそろ私たちはスキーやアイスクライミングなど、冬のアクティビティのギアの準備を始めようかというところです!

さて、今回は我々にとってとても嬉しいニュースをお届けします!
この夏にガイドの谷剛士がACMG(カナダ山岳ガイド協会)の超難関のアルパインガイド試験を突破し、ヤムナスカで唯一のアルパインガイド(山岳登攀ガイド)となりました!!

そこで、今回は谷のアルパインガイド資格取得までのステップを、彼の軌跡と共にご紹介します。
私と谷はACMGアプレンティス・ハイキングガイド資格の受講時からの同期で、実は同い年なのです!共に山を舞台に仕事をしながら、彼の生き様(笑)見てきたつもりです。今回の記事はカナダでガイド付きのアルパインガイドに興味がある方はもちろんですが、今後カナダでアルパインガイドを目指したい方が参考にしてもらえれば嬉しいです。

そもそも『アルパインガイド』とは一体どのようなガイドが出来る資格なのか?まずはここからご案内しましょう!

例えば下の写真のような、、

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このような氷河のある地形や高所の岩場、


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垂直の氷瀑を登るアイスクライミング
(クライマー:谷)

このように、夏山、冬山共に高所での岩場、氷壁、雪または氷河の地形をガイディングできるのがアルパインガイドとなります。
もちろんロープ、ハーネス、クランポン(アイゼン)、アックス(ピッケル)等のクライミングギアを用いての登攀、登山です。

特にアイスクライミングの場合、カナディアンロッキーは聖地として知られており、我々ヤムナスカの拠点があるBow Valleyは、とにかくアプローチがとても便利!駐車場に車を停めてたった10分、15分のアプローチで壁に取り付きできるような場所がゴロゴロしており、正にアイスクライマー天国と言っても過言ではないでしょう。

そして、谷は日本人で唯一カナダでこのような地形の山を案内できるガイドとなったのです。

カナディアンロッキーのアルパインエリア(高山帯)はどこへ行っても絶景ですが、何と言っても写真の様にエクストリームな地形が多くなります。そのため安全確保は最大のポイント。従って、ガイド自身体力があることはもちろんですが、安全を確保するための技術と知識も日ごろから磨いておく必要があり、並みの努力でできることではありません。

しかし、山のピークに達したとき、目標のルートを完登したときの達成感は何事にも変え難く、そんな感動をゲストにも味わってもらいたい。そんな気持があるからこそ、試験を積み重ねるモチベーションになるのではないでしょうか。

さあ、それではここからはアルパインガイドになるまでの道のりが如何に険しいのかをご説明します。
下の図をご覧ください。

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ACMG(カナダ山岳ガイド協会)ではこの項目の一つ一つがコース(Training は試験ではないが履修必須)となっていて、一番下までたどり着くとマウンテンガイド(国際山岳ガイド)です!(私はこの表を見ただけで気が遠くなったりますがw)

アルパインガイドになる為には、
・ガイドトレーニング・ロック
・アプレンティス・ロックガイド
・ガイドトレーニング・アルパイン
・アプレンティス・アルパインガイド
・アルパインガイド
と6つものコースを受ける必要があるのです。さらにこの表には記載されていませんが、雪崩大国であるカナダではアルパインガイドになる為にCAA(Canadian Avalanche Association)の
アバランチ・オペレーションズ・レベル 1
という試験にパスする必要があります。あとはもちろんすべてのACMGガイドに求められる
・Advanced Wilderness First Aid(上級野外救命士)※3年に1度の更新あり
こちらも必須です。

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ちなみに谷はこのほかに
・アプレンティス・スキーガイド
アバランチ・オペレーションズ・レベル 2
も取得しており、マウンテンガイドまであと一つとしています。

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ハフナー・キャニオン クートニー国立公園 ブリティッシュコロンビア州
(クライマー:谷)

それでは谷がここまでカナダで取得した資格を順を追って振り返ってみましょう!

さあ、行きましょう!
クライミーング!

2013年春 アドバンスド・ウィルダネス・ファーストエイド・レスポンダー 取得!(私も取っていますが実はこれがかなり大変!?)
2013年夏 ACMG アシスタント・ハイキングガイド Get !
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ほほーう

2014年冬 CAA アバランチ・オペレーションズ・レベル 1 パス!
2014年夏 ACMG アプレンティス・ロックガイド しゃー!!

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ガンバー!!

2015年夏 ACMG アプレンティス・アルパインガイド YES!!
2017年冬 CAA アバランチ・オペレーションズ・レベル 2 うぉりゃー!!

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テイク!!ちょっと一休み
くらいむおーん!!
2018年春 ACMG アプレンティス・スキーガイド HEE HAW!!
2018年秋 ACMG アルパインガイド オーサム!グッジョブ!タク!

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ヒャッホーイ!!

ハァハァハァ・・・何と、1年に1つ以上試験を受けていますね・・・。
ちなみにアプレンティス・ロック、アルパイン、スキーはGuide Training も取る必要がある為、アプレンティスのカテゴリはコースとしては2つ分となるわけです。

これは本当に一年中トレーニングから、プライベートから山に入っていないとできないことです。また、当たり前ですが書類等の手続きからコース中の座学まですべて英語なので、外国人の僕らにとってもこれらのストレスは計り知れません。本当に常に山のことが頭の片隅にないとできないことなのです。さらに谷は非常に計画的に先のことを見据えて、一つずつステップアップしていると言えるでしょう。

そして、それぞれの試験受講前には書類審査から始まり、主に山行履歴を提出する必要があります。場合によってはこれで試験を受けることすらできないということもあり得ます。

冒頭でも述べましたが私はアシスタント・ハイキングガイドの試験は谷と同じ2013年の春に受講しています。ここから谷はマウンテンガイドへの道を歩み始め毎年試験を受けることになるのですが、しかし5年でここまで行くとは・・・。

私が2012年にセメスター(ヤムナスカ登山学校)を受講した時にインストラクターのマウンテンガイドが言っていました。
「カナダでマウンテンガイドになるには最低でも10年はかかる。」
さらにその為には膨大な経験を積む必要があり、「それまでは人生のほとんどを山に捧げることになる」と言っていたのが印象的でした。それ程に厳しい道なのです。

ちなみに私はハイキングガイドを取得してから、ロックやアルパインの道には進まずにハイキングガイドとして経験を積む道を選びました。ガイディングするフィールドは異なりますが、多くの人々にカナダの山を知ってほしいという気持ちは、ハイキングストリームへ進んだヤムナスカのガイドも同じものを持っているのです。また、ガイディングとは別のアプローチ方法で、カナダの山を紹介するチャンスがあることは恵まれたことであると言えます。

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ロープワークは訓練の賜物、形で覚えるのではなく何故こうなるのかを考えることが重要。

夏のシーズン前に行われるガイドが全員揃ってのヤムナスカのスタッフトレーニングでは、毎年異なる山へ入り実際のハイキングを想定し、各ガイドがそれぞれルートプランを持って参加します。そこではオフトレイル(トレイルが付いていないルート)や初見で入る場所も多い為、現場で状況判断することも多くなります。もちろん現場でそのような判断をすることが出来るのが、ACMGハイキングガイドで我々の得意分野でもあるのですが、谷のようなあらゆる地形やハザード(危険になりうる状況)を知っているガイドからの意見は、実に理にかなっており非常に参考になります。

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スタッフトレーニングにて残雪期の雪崩のリスクについて解説
Tryst Lake カナナスキス アルバータ州

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スタッフトレーニングにてハイキングのガイドラインについてディスカッション
Door Jam Mtn. カナナスキス アルバータ州


さて、アルパインガイドへの道のり、そしてその技術は具体的にここではすべて語ることは出来ないのですが、険しく難しいものだと言うことが分かったでしょうか。しかしこの記事で私が伝えたいことは、そんなことではないのです。もちろん彼のここまでの取り組みは桁外れな努力が必要でそれ自体が凄いのですが、彼の本当の凄みとは「山が好き」という当たり前で、半端じゃなく真っ直ぐな気持ちなのではないかと思うのです。

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カナディアンロッキーのアイスクライミングはワールドクラス


2015年4月に谷とヤムナスカガイドの山田がカナディアンロッキーの名峰 Mt. ChephrenのWild thingというルートに第12登※(日本人初登)し戻ってきて、私が「いやぁ凄いね。尊敬するよ!」と谷に声を掛けるとこんな返事が帰ってきました。

谷「まぁ、結局遊びだからねw」

私は驚いたのと同時に、その言葉でハッとし、
「遊びがここまで本気で、、、というかそれこそがガイドが持つべき精神なのでは」と思いました。

本気で遊び、そこで得た感動を少しでも多くの人に伝えたい。
そんな風に思うのは普段意識しないが、もしかすると山でガイドする以上当たり前なのかもしれない。

それから私はそのとき感じたモノを今でも大切にし、今はあのとき谷がそう言った気持ちが分かる様な気がします。

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もちろん我々他のヤムナスカガイドも全員「山が好き」で山で感動し、その感動を伝えられる事を感謝し幸せに感じます。
谷がこのカナディアンロッキーで躍動する姿を見ていると、そこが彼の本当の強みで我々も本来持っているものなんだと気付かされます。

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ボウバレーの日本人クライマー達


今日も谷はどこかで壁に取り付いている事でしょう。どんな絶景を見ていて、何を感じているんでしょうか。
きっと「こんな景色をもっと沢山の人に見せたい!」と思っているに違いないでしょう!

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谷がアルパインガイドとなったことは、今まで想像もできなかった山の世界がより身近になったと言って間違いありません。
言葉の壁が無いことで、より安心して日本の皆さんにカナディアンロッキーが世界に誇る山域である事を、その感動をお伝えできる様になります。
それこそが谷がアルパインガイドをパスした価値であることは間違いありません。

さて、カナダでのアルパインガイドへの道のりが厳しいものだということが、記事を書いてる私も改めて実感しました。大切なのはしっかりとした計画性と入念な準備(トレーニング)そして、純粋な山に対する情熱ではないでしょうか。しかし、厳しい道だからこそお客様に安全を提供出来ることに繋がることと、何より手つかずのカナダのアルパインエリアをガイドできること自体が本当に価値あることです。是非、そんな熱い気持ちを持った方は参考にしてみてください!

そして、日本からのピークハンターの方々。現在ヤムナスカの登頂系ツアーはまだまだ始まったばかりですが、私たちがカナダの山で得た感動を沢山の人々に感じて頂く、登頂ツアー造成により力を注いで行きたいと思います!どうぞご期待ください!


ヤムナスカ・ガイド堀口 慎太郎 (ほりぐち しんたろう)
ガイドプロフィールはこちらから。









by ymtours | 2018-11-03 01:20 | 「マウンテンガイド」への道 | Comments(0)

この冬の成果。そして…

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ヤムナスカガイド谷です。

一か月以上のご無沙汰、失礼しました。
さてこの冬の集大成でもあるアルパインクライミングに取り掛かると言ってから
時間が経ってしまいましたが、無事目標にしていた2つのルートと1つの初登攀を完登することができました。
特に自分が愛してやまないカナディアンロッキーに凩(こがらし)という日本語のルートを作ることができたのはとても満足しています。
この冬はアルパインガイドの一次試験から始まり沢山のシニアガイドとのプラクティカムガイド(丁稚奉公)を経験、それから世界で一番過酷なスキー縦走といわれるグレートディバイドトラバース(大陸分水嶺スキー縦走)をヤムナスカの仲間とし、そして自分が一番大好きな山のテッペンにたつアルパインクライミングでも結果を残せたのは本当に幸運であり、たくさんの方々のサポートがあったから出来たなと今しみじみ思います。

では写真とともに振り返らせていただきます。
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一つ目の登りは北米で一番難しい壁の一つと言われるMTケフレン東壁。
赤線が登ったラインです。
これはコロンビア大氷原に行ったことがある人は見ている山です。
サスカチュワンクロッシングの少し手前で見えます。
標高差1300mでヨーロッパアルプスの壁と同じくらいですかね。

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この写真は壁の始まりですね。
駐車場から駐車場まで45時間かかりました。結局座りながら寝たのは1時間。
寒すぎましたね~。
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まだ約10パーティーしか登られていないルートなので、
このルートには人の形跡がほとんどなく、初めて登った人と同じ気持ちで登れました。
僕たちも勿論何も残しませんでした。これはハイキングもクライミングも一緒ですね。
何も残さない、山を登るにあたって一番重要なことです。

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次はMtテンプル北壁。北米のアイガーと呼ばれるこの壁も1370mあります。
まあ一概に比べられませんが、冬の時期に登ったパーティーは2組のみだけなので
しかも2組目は今年の2月に登ったばかり。
難しさは折り紙付きという壁です。
この山はレイクルイーズの街からよく見えますし。
ラーチバレーを歩いた方はその際まで行ってますね。

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難しいセクションをヤムナスカガイドの山田君が素晴らしい登りで突破してくれました。

自分たちが暮らしを営んでいる場所に
世界最高峰の登りがあります。それってすごいことですよね。
しかもロープウェーや登山列車など使わなくてできるんですから。

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最後はストームマウンテン。
この山もキャッスルマウンテンが見える高速道路からよく見えます。
冒頭の写真はこの山の頂上からですね。実はアシニボインも見えてます。山が無限に広がります。

人類の歴史上、誰も行ったことのない場所に行く、誰も触ったことのない岩や氷に触る、
誰も踏んだことのない場所に立つ、何事にも代えられない喜びが得られました。
よく危ないことしてると、難しい山が好き?と思われるのですが、僕の中では全然違うんですね~。

僕にとってクライミングの難度や山の難しさよりも、このような冒険的要素が一番大切なんです。
つまり、そのようなまだ誰も行ったことのない、登ったことのない山が残っている、
このカナディアンロッキーはそれを満たせてくれる世界最高の場所なんですね。
そのロッキーをもっと知りたい、もっと好きになりたいから登っているのかもしれません。

その世界最高の場所で山岳ガイドとして働けること、そしてそのことを皆さんと共に感じれること。
本当に幸せなことです。
なぜ厳しい山を登ってるの?危なくないの?という質問は、すべてこの答えに落ち着くわけです。

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新人の山田君と登り終えて。

これで今回の投稿は終わりです。
7月から2次試験、8月後半には3次試験と続き、ガイドのハイシーズンですのでこのマウンテンガイドへの道の更新が遅れることになると思いますが、その他のヤムナスカガイドの素晴らしい投稿が増えますので
今後ともよろしくお願いします。

この夏、世界最高の場所、カナディアンロッキーで皆さんとお会いできること楽しみにしていますね!!では。

ヤムナスカ・ガイド谷 剛士 (たに たけし)
ガイドプロフィールはこちらから
by ymtours | 2015-06-24 01:21 | 「マウンテンガイド」への道 | Comments(0)

グレートディバイド スキートラバース 大陸分水嶺スキー縦走 その2

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ヤムナスカガイド谷です。

さて今回で完結の大陸分水嶺スキー縦走。
この山々に積もった雪が太平洋と大西洋の二つの大海に分かれて流れ落ちてるなんて、
ロッキーって改めて考えるとやはりすごい山脈なんだな、と感じます。

その分水嶺をスキーで巡るこの縦走は、まさに地球(星)を感じる、そんな素晴らしさを
僕に与えてくれました。

では続きをどうぞ。

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冒頭の写真と朝一のMtクレマンソー。雲が入って綺麗でした。
溜息しかでないですね。

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懸垂下降もあります。荷物が重いんで、バックアップが必要です。
こういうのも醍醐味です。
下に先に降りたトレースと人がいるのがわかりますか?かなりの高さ懸垂してるんですよね

体力、スキー技術、そしてザイル技術、
総合力があって初めてこのスキー縦走は挑戦することができます。

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パノラマ写真です。ロッキーの最深部。
この生物が生きていけないほどの環境でも、氷河が生み出されては流れていく。
星も生きている、静かに脈動している、そんなことを肌で感じることができました。

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Mt キングエドワード。
ようやくコロンビア大氷原に突入です。
この脇には去年に登ったMtアルバータがあります。日本人が初登頂したカナディアンロッキー最難の山です。
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Mt コロンビア。この角度から見る機会はもうないでしょうね。
ここに来ようと思うとまた30Kg以上背負って100キロ以上歩くことになりますから。苦笑。
目に焼き付けておく景色ってきっとこういうことなんでしょうかね…
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最後はコロンビア大氷原の真ん中からパノラマ写真。
カナディアンロッキーの中心で愛を叫ぶ。笑。
えっ誰にですかって?勿論、地球にですよ。

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最後8日目は、標高差、登り2100m、下り1500m 46㎞でサスカチェワン氷河の末端へ。
流石に顔がくたびれてますね。笑。

その後はヒッチハイクでわが町キャンモアへ戻ってきました。
一緒に行ったヤムナスカの二人には感謝の気持ちでいっぱいです。
彼らはその後もレイクルイーズへ縦走を続け、今まで最速だった17日間を15日間に短縮し
無事先日キャンモアに帰ってきました。Jesse、Craig、本当におめでとう。

本当に色々なことがあった8日間でしたが、思い出すと楽しかった記憶しかないです。
山って不思議ですよね。
だからまた山に行くのかもしれないですね。


さて世界で最も過酷なスキー縦走と呼ばれるグレイトディバイドトラバース。
いかがだったでしょうか?
大変そう?そんなことはありません。カナダには山小屋に泊まりながら楽しめる
氷河スキーもありますから。一度是非来てくださいね。

さて、この冬はガイド試験のためのトレーニングやアシスタントで自分の登りに集中できなかったので、
そろそろ本業のアルパインクライミングに取り掛かりたいと思います。

今までのとは違い、登りたいから登る。純粋に登る。
これほど意味がなく、そして楽しいことは世の中には存在しないじゃないかなっと僕は思います。
カナディアンロッキーには1000m、2000mを超える垂直の壁が存在します。
暮らしを営みながら、世界最高峰の登りに挑戦できる。最高ですよね。
この一か月集中して頑張ってみますね。

ではまた。

ヤムナスカ・ガイド谷 剛士 (たに たけし)
ガイドプロフィールはこちらから
by ymtours | 2015-04-25 07:47 | 「マウンテンガイド」への道 | Comments(3)

グレートディバイド スキートラバース。大陸分水嶺スキー縦走 その1

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ヤムナスカガイド谷です。

山から戻ってきました。日本は桜も散って春から初夏へといった感じでしょうか?

さて今回何処に行ってたの?という話からお話しさせていただきますと
カナディアンロッキーにある、ジャスパーという町から氷河観光で有名なコロンビア大氷原というところまでスキー縦走してきました。

このスキー縦走は2012年にヤムナスカのレジェンドガイド秋山氏がジャスパー~レイクルイーズ間を縦走しています。
グレート・ディバイド・トラバースの詳細。

距離:320km
標高差:約18,000m

ルートは、ジャスパーからレイクルイーズまでの約320km。

日本で320kmっていうと、東京から名古屋ぐらい?ですか。かかった時間はなんと22日間!!すごいです。
世界で一番過酷なスキー縦走の一つと言われるだけがあります。

僕の方はアルパインガイドとしての修業や時間的な制約もあり、14日間で北と中央の約半分強を歩くことにしました。

距離170キロ 標高差にして約11000mという行程で、メンバーはヤムナスカで働くアルパインガイドのJesseとヤムナスカのギアルームで働くCraig。
チームヤムナスカで楽しんできました!!
ちなみに北アルプス全山縦走、親不知~上高地で約120キロですね。
なので残雪の北アルプス全山縦走より数字的には厳しいですね。
日本の山は本当に厳しいんで一概に言えませんが。

かかった日数は天気も良く8日間で、予備日を入れて16日間分の食糧があったので
最後本当にザックの重さに悲鳴を上げてました(苦笑)重かった~。
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スタートはトンキンバレーという夏素晴らしいロッジと縦走が楽しめるエリアの登山口から始まります。
行ったこともある方がいるんじゃないでしょうか?
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最初の大きな大氷原 スコットアイスフィールドへの登りです。
この岩も数百年前に氷河に運ばれてきたんでしょう。悠久の時に想いを馳せます。
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スコット大氷原の朝、ようやく晴れ間が出てきたこの日、寒かったです。4月なのに-18度!!
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滑りは最高。雪も最高。荷物は30Kg以上!笑!それでもテレマークは本当に感服しました。ナイスCraig。
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キャンプはこんな感じですね。タープのみで行きましたんで寒かった記憶しかないですね。
軽量化VS快適。
自分たちが住んでいるカナディアンロッキーという同じエリアで、このようなエクスペディションが出来るのは本当に幸せなことです。エベレスト登山の食糧計画と何も変わりませんからやっていることは。

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さて二つ目の大きな大氷原、クレマンソーアイスフィールドへ標高を上げてきます。
最初の3日間は雪で視界も悪かったのですが、この頃から最高の天気になってきました!!

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Mt、クレマンソーと大氷原。
この2014年に日本パタゴニアアンバサダー加藤直之さん達が遠征に来ていた山です。
標高3658mですが、この山の大きさ、そして広さに驚くばかり。
標高だけで山を見ては本当にダメなんだなと改めて痛感しました。

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タスクピーク。形が格好いい!!いつかのぼりに戻ってこなければいけないでしょうね…

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さてこの日で5日間経ちました。天気もいいので装備をほしほしです!!気持ちいい。

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こんな場所でテントなんて最高ですね。ただカナディアンロッキーの最深部ですから
一番近い国道まで60キロ以上離れてます。
んーちょっとしたトラブルも命取りになるエリア。だからこそ本気になれるエリアですね。
今回の縦走中、もちろん誰にも会いませんでした。それぐらい僻地だということですね。
真の冒険スキーです。

今日は、ここまでにして次回完結にします。
皆さん、もうすぐGW、良い春山をお楽しみください!


ヤムナスカ・ガイド谷 剛士 (たに たけし)
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by ymtours | 2015-04-14 00:31 | 「マウンテンガイド」への道 | Comments(0)

ワプタ大氷原スキー縦走。Wapta Traverse

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ヤムナスカガイド谷です。

いよいよ氷河スキーのレポートです。

今回はワプタ大氷原スキー縦走が2回目の挑戦になる、三宅様をご案内させていただきました。
実は2年前は悪天により、縦走を完遂できませんでした。
今回はそのリベンジです!!

メインガイドは世界のバリー、ブランチャード。僕はテールガイドとして参加してきました。
勿論バリーはスキーガイドとしても一流です。
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初日は、観光でも有名なボウ湖からボウ小屋(Bow Hut)まで約半日をかけて登って行きます。
この日はまだ荷物も重く、体も慣れてないのでゆっくりゆっくり時間をかけて登って行きます。
三宅さんも2年前の経験を生かして順調な滑り出しです。



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2日目はバルフォア小屋(Balfour Hut)へ縦走を開始します。
ボウ小屋を出るとすぐに氷河縦走が始まります。しっかりザイルで確保しクレバスへの対策もばっちり。
この日は風が強く、太陽が出ているのにもかかわらず、視界は不明瞭でした。
ですが、ゆっくりとしたペースで安全に縦走を続けていきます。
昼過ぎのは小屋に着き、明日に備えて体を休めます。
小屋に着いたら装備を乾かし、食事をみんなで用意して頂きます。

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写真はバルフォア小屋の中はです。
基本的に食器や、ガスなどがすべてそろっている素泊まりの小屋という感じですね。
明日はいよいよこのワプタ大氷原スキー縦走の核心、バルフォアハイコルという峠越えが待っています。
天気のいいことを祈りつつ夢の中へ…

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3日目,いよいよ出発ですが晴れ間があるのに強風で視界が悪い。緊張感の中みんな早々と支度をととのへ出発です。
なぜ今日が核心かというと、峠の手前に大きなクレバス帯がありどのクレバスをかわしながら登って行かなければなりません。氷河は生き物ですから、毎年クレバスの位置が変わり、ルートも変わります。
エベレストと一緒ですね。なので視界が不明瞭だと登るラインが分からず危険なのです。

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クレバス帯手前でバリーが長めの休憩を取りました。皆無言で先を見つめています。
『50,50だね』バリーがそう言うとクレバス帯に入ることを決めました。
すると、少し視界も開けてき、なんとか氷河の状態も見えてきました。針の穴に通すとはよく言ったものですが、完璧なライン取りで無事核心部分を通過です。

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下りのスキーは雪も良く青空も見え始め、皆大満足です。
カナダの氷河スキーの何がいいかというと、『まるで雲海の上を歩いているかのよう』ですかね。
カナダの氷河は河というより氷原が多いので雲の上をスキーしている気持ちの僕はなります。

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朝から7時間が経過するころスコットダンカン小屋(Scott Duncan Hut)に到着しました。
やった!!

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4日目は状況次第ですが基本的に下るだけ。Mt ビクトリアなどのレイクルーズ山群を眺めながらスキーです。重たい荷物もこのころには軽くなり、最高のロケーションの中でダウンヒルです!!


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最後はSherbrooke lakeを越えゴールへ!!

三宅さんおめでとうございます!!無事ワプタ大氷原スキー縦走を完走できました。
リベンジ成功です!!
晴れ、曇り、雪、風、すべての天候を体験し、尚且つ完走できたのは三宅さんの力です。
本当に感動しました。
三宅さんの夢のお手伝いを少しでもできたと思うと本当に幸せです。

僕もこの厳しいコンディションだったから、バリーに悪天時の氷河技術やルートファインディングの注意点などたくさんのことを教えてもらえたので本当に素晴らしい時間を過ごさせていただきました。
カナダには氷河が本当にたくさんあります。是非三宅さん、また違う氷河スキーにもいらしてください!!

私ごとですが、ガイドトレーニングのため来週からジャスパーからレイクルイーズまでのスキー縦走に2週間ほど入ります。日本で経験したの冬の長期縦走と言えば日高縦走、黒部横断などがありますが、今回も手ごわそうです。ああ荷物重そうだな…(苦笑)
ブログの更新が遅れますが、ご了承ください。きっといい写真がUPできると思います。

ヤムナスカ・ガイド谷 剛士 (たに たけし)
ガイドプロフィールはこちらから


by ymtours | 2015-03-25 08:03 | 「マウンテンガイド」への道 | Comments(6)

冬のレイクアグネス&リトルビーハイブ

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ヤムナスカガイド谷です。
3月ももう半ば、早いですね。皆さんいかがお過ごしですか?

今年のカナダ西部は記録的な暖冬ということもあり
このロッキーでも外でロッククライミングしている友達がたくさんいるくらいです。
3月は氷河スキーシーズンの始まりと、登頂系の仕事が出てくるので研修生の僕にはありがたいことに仕事があります。
ここのところ自分の登り、アシスタントガイドと忙しかったのですが、先週から少し落ち着ける時間が出てきました。

最近はトレーニングの模様や、アイスクライミングの投稿に偏りつつありましたので、
今日は皆さんにも馴染みの深い、レイクルイーズをご紹介します。

このレイクアグネスとビーハイブスは夏、とても人気のあるトレイルで、冬は全く異なった景色を見せてくれます。

今、僕『冬ですが』と言いましたが、冬だからこそこのトレイルかもしれません。
ではレイクアグネスに行ってみましょう!!

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さて登山口の入り口にはスイス人ガイドの像があります。いつも登山者の安全を見守ってくれているこの像も、夏と違って観光客もいなく静かなレイクルイーズを楽しんでいるようでした。



ちなみにこの日の気温はマイナス25度くらいでした。でも昼にはマイナス2~3度だったようです。素手でおにぎり食べれましたので。
個人的な意見ですが寒さでいうと信州や北海道の方が寒いですね。ロッキーは湿気ないからなんですが、北海道に一冬、信州に12年間住んでた僕が言います、
はっきり言って日本の冬の方がシバれます!!しみます!!(日本の風呂場寒いです。。。(笑)カナダの風呂場ぬくたいです。)

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さて凍ったレイクアグネスで休憩です。ここまで約2時間。

ガイド仲間の話だと登山道は基本的に降雪直後以外はかなりの確率で踏み固められているようです。冬の八ケ岳みたいな感じですね。軽アイゼンがあればなお歩きやすいかもですね。
この日はゆっくり歩いてほぼ夏と何も変わらない時間でレイクアグネスにつきました。

そして誰もいない湖畔でのんびり写真を撮ってリトルビーハイブの展望台へ向かいます。

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冒頭の写真とともに。上から望む凍ったレイクルイーズ。
シャトーレイクルイーズがおもちゃみたいでかわいいですね。

いつもここまで天気がいいわけではないですが、内陸に位置しているロッキーは冬の晴天率が一番高く小雪の地域なので、冬のハイキングやスノーシューに持ってこい。いつかここもガイドで皆さんと歩きたいな、なんて思いながらゆっくり過ごしました。夏は、他のハイカーとすれ違いが多いレイクルイーズ周辺のハイキング。夏来られた人は冬のハイキングもまたいいかも知れないですね。
全体で4時間半ほどの行程で帰ってきました。

私事ですが、毎回垂直の壁ばかりいると平らが恋しいですよね。
だから、僕はハイキング大好きなんですよ。山って一つじゃないですよね楽しみ方が。
山に想え人恋し、人を想えば山恋し。矛盾してますが、これこそ山の楽しみ方でしょう。
どちらも大切なんですよね。

そしてそれは季節にも言えること、夏が良ければ、冬も良し。
是非皆さん、冬のロッキーにもいらしてください。
だって冬のカナディアンロッキーって本当に美しいでしょ。僕が一番大好きな季節です。


さて話は変わりますが、前回のクイズの答えは「オダレイ・マウンテン」。が正解でした。
冬のレイクオハラも良かったですよ。ロッジでアフタヌーンティーも頂けちゃいますしね。

次回はロッキーと言えば氷河スキーということで、ワプタ大氷原のスキートラバースをお届けしますね。
では!!

ヤムナスカ・ガイド谷 剛士 (たに たけし)
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by ymtours | 2015-03-17 06:07 | 「マウンテンガイド」への道 | Comments(4)

3月に入りました。

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ヤムナスカガイド谷です。

3月に入りました。皆さん日本では少しずつ春の便りが届いているかと思います。

さて前回のブログでも書きましたが、カナディアンロッキーはようやくスキーシーズンが
到来しました。
驚く方も多いと思いますが、カナディアンロッキーは決して雪が多くない場所なのです。
日本でいうと八ケ岳の気候に非常に似ています。
冬は晴れが多く寒く雪が少ない。これが特徴です。

なので八ケ岳同様、スノーシュー、冬山登山、アイスクライミングをするのに適してます。
カナダ西部の主な3つの山脈の気候は日本の山に綺麗に当てはめることができます。
ただこの気候の話は長くなりそうなのでまた次の機会に掘り下げることにします。

話を戻しますが、ロッキーってスキー良くないんですか?となりますが、
いえいえ、ロッキーは広大な氷河がありますので、ここに降った解けず夏まで残ります。それが極上のスキーの環境を与えてくれるのです。
あとカナディアンロッキー自体が海から約1000キロ離れてますので、もっと海に近いコロンビア山脈、コースト山脈は雪が天気が悪くもっと雪がたくさん降ります。
その山脈ではヘリスキー会社や世界の一のスノーリゾートがたくさんあるのです。カナダ全体の話と思わないでくださいね(苦笑)

そしてロッキーは12~2月半ばまでは氷河の上でスキーは寒すぎるということで、先ほども書きましたウィスラーなどの海に近く、雪が多い、暖かな場所のスキーが好まれます。日本でいうと新潟見たいなものですね。

日照時間が伸び、雪が安定し、氷河の上のクレバスも隠れ始める2月半ば以降から4月一杯くらいまで最高のスキーシーズンの到来なのです。日本のパウダーシーズンに被らないのでそこがいいとこですね。
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見てください、この素晴らしい景色!!
でもロープウェーも登山列車もない、ありのままの自然、広大な氷河が広がります。
歩くのが好きな方はたまらないでしょうね。

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つい先日、夏はハイキングで有名なレイクオハラに散歩しに行ってきました。
バスで通る11キロの道はクロスカントリースキーのコースになり、非常に素晴らしい一日を過ごせました。冬のレイクオハラ、また格別です。
夏にガイドしている場所に、冬行くというのは、自分のガイディングに生かしていけると思いますね。次はシャドウレイクに足を延ばしたいですね。きっと素晴らしい写真が撮れるんじゃないかなあ。

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さて最後に問題です。
レイクオハラにハイキング行ったことがある方は皆さん見ているこの山の名前はなんでしょうか?
ヒントは『オ』か始まります。
正解しても何もありませんが(苦笑)自分の中のロッキーを思い出すいい時間になってもらえば幸いです。
答えは次回です。では!!

ヤムナスカ・ガイド谷 剛士 (たに たけし)
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by ymtours | 2015-03-03 06:23 | 「マウンテンガイド」への道 | Comments(2)

冬のお祭り。

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ヤムナスカガイド谷です。

皆さんお元気ですか?
バレンタインデイも終わり2月も後半戦突入ですね。
僕の方はというと最近までバンフの街のど真ん中でアイスクライミングのインストラクターをしていました。
年始から2月半ばまで毎週末レイクルイーズとバンフの街でBanff Snow Dayという冬の祭典をしており、期間中は氷の彫刻やレイクルイーズでアイススケート、音楽の催し物など、大人から子供まで楽しめるイベントが盛りだくさんでした。

その中でも人気があるのがこのアイスクライミング体験コーナーで、
やはりここは世界一のアイスクライミングエリア、『ここでアイスクライミングしないなんてハワイに行ってサーフィンしないようなものだよ』シニアガイドがお客さんに言うように、客足が途切れることはありません。
さらに驚いたのは参加者の約7割は12歳以下の子供たち、彼らはまるでジャングルジムを競って登るかのように我先に頑張って登っていました。将来素晴らしい登山家がこの子たちの中から出てくることはもちろん、大人になってもクライミングや登山を通じて自然や人にやさしく、人生を豊かに過ごしていってほしいものです。
こうやって次の世代にアプローチできること、とても素晴らしいですね。

さてロッキーもようやくスキーシーズンが始まりそうです。

皆さん、『えっ』と思われるかもしれませんが、気温が高くなり、雪が安定してくるこれからの時期がロッキーのスキーの最盛期です。氷河スキーが最高です。
パウダースキーではなく歩くスキーが好きな方は是非ロッキーの歩くスキー、おすすめですよ。
僕もスキーガイドの申し込みのため北米のスキー登山歴が必要なので、今度はスキーに忙しくなりそうです。


ヤムナスカ・ガイド谷 剛士 (たに たけし)
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by ymtours | 2015-02-21 08:43 | 「マウンテンガイド」への道 | Comments(0)

ニュージーランドアルパインチーム

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ヤムナスカガイド谷です。

2月に入りカナディアンロッキーも比較的暖かい日が続いています。
節分が過ぎ皆さんいかがお過ごしでしょうか?
最近のアルパインガイドのトレーニングの間に山の中で色々な出会いがあったので少し紹介したいと思います。
少しマニアックな話になりますのでご了承ください。

このニュージーランドアルパインチームは現在、18歳~24歳の12人の若者で形成されており、
ニュージーランド(以下NZ)の山岳団体やマックパック、アイスブレーカーなどの企業がサポートして運営されています。
そして指導者はNZの中のトップクライマー8人がボランティアで指導者となり彼らを一人あたり3年間という期間でNZのMtクック周辺を含め世界中の山に学びに出かけていくという教育プログラムです。

NZは知っての通りエベレスト初登頂者のSirエドモント・ヒラリーを輩出した登山先進国です。
どうしても危険と思われがちで若手が育ちずらいアルパインクライミングというジャンル。
それをNZのたくさんの人たちがサポートし、チームとして海外で素晴らしい登山をするという話を聞きとても刺激を受けました。
去年はパタゴニア、アラスカ、シャモニー、そしてこの冬のカナディアンロッキーに訪れたそうです。
今年はこのあとヨセミテ、バカブーズ(カナダ)の山行が計画されているようですね。
この名だたる山域の中に二個もカナダが選ばれているって本当にすばらしいところに住んでいるんだなと改めて感じます。

北米にも世界最高のクライマースティーブハウスが作った、「アルパインメンター」という同じようなシステムはあるのですが、国の代表という形まで成長できてないとカナダのガイドは言っていました。
さらにカナダでもこのような次世代を育てるしっかりしたシステムを作りたいも言っていましたね。

実は日本でも各登山団体がだしている有望な登山計画に対する補助金制度などがあり、
そして富山にある、独立行政法人登山研究所のように若手育成の施設もあります。
素晴らしいことです。さらにこういうプログラムが日本でも出来れば、若い人たちがもっと羽ばたいていくんじゃないかなと思います。彼らはお金がありませんからね、なかなか海外登山の計画も立てずらいんですよね。自分がそうでしたから(苦笑)
このようなプログラムがあればもっと海外登山が身近になり、日本が世界に誇れる人材が育っていくんじゃないかな、なんて思いながら話を聞いていました。

僕は縁があってNZで、MTクックとMTアスパイアリングという山を登っています。
あれだけ凄い山があるのにさらに次世代に海外登山まで経験の機会を与えてくれるなんて
改めて感心しました。

彼らは夏にもカナダに来るようですので僕も負けないよう、楽しく登り続けたいな。
そう感じた今日この頃でした。

では。

ヤムナスカ・ガイド谷 剛士 (たに たけし)
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Mtクック(NZ最高峰)から見たMtタズマン。素晴らしい朝焼けでしたねこの時は。
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Mtアスパイアリング(南半球のマッターホルン)の頂上の写真です。やはり20代半ばなので若さを感じます。
7年もたつと老けますね。笑

冒頭の写真はNZの若手クライマーがポーラサーカスというルートを登っている写真。

by ymtours | 2015-02-07 08:23 | 「マウンテンガイド」への道 | Comments(0)

ACMG アルパインガイド1次試験通過

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ヤムナスカガイド谷です。

今回1月頭に受けたガイドトレーニングアイスというコースの結果が
カナダ山岳ガイド協会から正式に届いたので、報告させていただきます。

無事合格、
ということで次は7月頭の次のトレーニングコースを受験する資格を得ました。(苦笑)

これも一重に応援してくれているヤムナスカの仲間、関係者の方々、
そしてこのブログを読んでいただいている皆さんのおかげです。

このコース自体は本番さながらのシチュエーションでアイスクライミングや冬季のガイドは
何を一番気を付けなければいけないか?等、各項目で点数を付けられて、次のコースを受けるにふさわしい能力を備えているかを判断されます。
当たり前ですが試験もすべて厳冬期のカナディアンロッキーの中で行われるので、技術が足りない、知識が足りないと
即怪我、事故に繋がります。なので当たり前ですが試験官も真剣ですよね。

日本のガイド技術は、登る技術やザイルワークに関しては世界クラスの精度を持っていると僕は確信しています。
ただ僕が日本で受けた山岳ガイド試験と何が大きく違うかというと、
カナダは雪崩研究の先進国です。例えばヘリスキーだけでいうとカナダは世界の約80%
のシェアを占めるほどです。なのでスキーガイドの技術は世界一といわれています。

そしてカナダのアルパインガイドも勿論、雪崩の知識が必須で雪崩に精通していなければならないのが、僕にはかなり難しく感じました。
地形、雪質、そしてそれに対応する技術すべてを高いレベルで求められるので
登る技術はもちろん、クライアントを守る技術の高さは世界トップクラスだと感じました。
今回、学べたことを夏のガイディングにも生かしていけると考えています。

さて、また一からトレーニングを始め、7月のコースに備えたいと思います。
ちなみに本試験は8月後半にあるようです。
まだまだ道のりは長いですが、頑張ります。

次回はトレーニング中に会ったニュージーランドのユースアルパインチームについて書いてみたいと思います。 


ヤムナスカ・ガイド谷 剛士 (たに たけし)
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冒頭の写真はトレーニングで行ったバンフのすぐそば、Mtランドルにあるアイスルートです。
背景にカスケードマウンテンが見えてます。
終わりの写真は試験中のもので、普段陽気なカナディアンも全員、真剣そのものです。

by ymtours | 2015-01-28 02:01 | 「マウンテンガイド」への道 | Comments(0)