昨年の秋、京都の『百足屋』という料亭で、上村氏及びその仲間達とお会いする機会があったこの料亭は名前にそぐわぬ京都風であったが、そこで盛り上がった私達ほぼ十名は、さらに京都風にそぐわぬ賑やかさだった。この宴会で、ほんのダメもとで西カナダの山々の素晴らしさを吹聴しておいたら総勢15名の遠征隊となったのだ。なんという決断の早さ。「京のぶぶづけ」神話はウソではないか? この15名の皆様が、森林管理局、森林インストラクター,樹木医事務所、NPO自然と森,等の肩書きの普通のマニアではない植物のプロである。行程のハイライトであるパセールロッジのガイドが二人ともその領域の学位をもつ知識人だったのは僥倖としかいいようがない。これほどネイチャートークに心底入れ込んだグループは稀である。撮影もまめの域をこえていた。ほぼ「研究」というレベルである。そのうえピークハントもしたい派もあり、ちゃんと一山モノにした。 このエネルギーは、よく食べるというシンプルな源から出づるのだろうか、皆様ご健啖である。 また、味にうるさい関西人を満足させたパセールロッジの料理長にもこの場をかりて感謝の意を表したい。 ある日、グリズリーが登場した。しかもロッジの前である。私が同行していたグループはハイキングから帰着直前だったので『気をつけるべし』の無線連絡がきた。6人以上の一団なのでほぼ安全なのは知りつつも現実を知っている私の手は思わずベアスプレーを探る。「それってふっておくと、熊が来ないんですか?」というよくある疑問に「むしろ、5m以内に来ないと噴霧が届きません。」と返答する。それで沈黙する方もいらっしゃれば、関係なくカメラを取り出す方もある。「残念ながら」私たちのグループはこの熊とすれちがいになってしまったのだが、ここに、ロッジにいらした斉藤氏によるすばらしいショットを披露しておきたい。 自分の5m以内に存在する熊は、一生物である人間としては「敵」である。 しかし生態系全体として、また野生動物への純粋な憧憬からしても「愛すべき存在」なのだ。汝の敵を愛せよ。 植物の専門家である皆様が、もっともエクサイトしたのがこのグリズリー登場だったというのが可愛らしい。 カナダは、地球上に残された最後の大自然をいくつもかかえている。 これを観た者は幸いではないだろうか。 グループの方からツアーレポートをいただきました。こちらからご覧ください。 平木裕実子(Yamnuska Guide)
by ymtours
| 2008-10-15 08:29
| カナダの山旅
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