フェアビューMt. 登頂(8/12)

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近年はパートタイムガイドの平木であるが、9年ほど前、某女優さんと一緒にアシニボイン周辺ハイクするという番組に出演したことがある。さすがに9年も経つと話題性や記憶はかなり希薄になるものなのだが、久々にばっちり覚えていたうえにご自分のメモまで探して、バンフへ行ったら平木さんにガイドしてもらおうという?!?!な希望と、ヤムナスカブログで見たあの素晴らしいフェアビューへ登ろう!という堅い決意でいらした方があった。

森さん、いくらお若いとはいえ9年も前の、たかがテレビ番組に出た、しかも女優ではないほうを印象にとどめることになったのか? おそらくその原動力はカナディアンロッキーの恐るべき魅力である。ここを訪れた誰もが「困った」ことになってしまう、わけのわからない牽引力である。ヒマラヤやアンデスに比べれば随分低い。ヨーロッパアルプスほどの熟れもない。そのくせバンフのような有名どころはちゃっかり混雑と開発の大波に襲われており、マイナーだけど秘境的に静謐なんていうメリットもない。

それで、何が「困った」ことなのか?
森さん提供による写真を見ていただいても説明できない素晴らしい実態がある、それを家族や友達に伝えきれないということ。これでまず困る。中毒症状になることもある。また行きたくなるのだ、何回も、同じところでもちょっと季節をずらせばもう一度ため息をつく美しさ。地図を広げてみるとなんとこの雄大さが、精出して踏破したルートがカナダの塵でしかない。ロッキーとカナダのMUSTルートをつぶしていくと、元手と時間がおりあわず、要はあなたの人生に重大な危機をもたらす。・・・というような震えのとまらない会話を、フェアビュー2743m頂上でとっぷり1時間もしゃべっただろうか。フェアビュー登頂を決意されてから、超多忙キャリア生活の間隙
をぬって富士登山トレーニングまでこなしたという森さんの確信実行は、この上ない晴天と快適な温度というベストコンディションで報われた。トレーニング効果もばっちりで、レイクルイーズ出発後3時間足らずで360度を睥睨できたのである。気紛れなマザーネイチャーという観点では極めつけのロッキーの山々の主もこの日は積極的に協力してくれたのである。

森さん、頂上付近で会って質問してきた無愛想なカップルを覚えておられるでしょう?3日後くらいに彼等はバンフの街で向こうから愛想よく話しかけてきました。テンプル(3654m)も登ったそうです。ルーマニア人でした。ちょうどその日にオリンピック女子マラソンで同様に無愛想な(マラソン中に愛想良くもしてられないが)ルーマニアのお姉さんが20kmあたりからぶっちぎりで優勝したのと重なって印象深かったです。国際的フェアビューMt.に、森さんも国際的富士山をへて登頂したわけです。そしてこのさりげない多様性がカナダの山歩きの隠し味でもあるかなと、久々にガイディングして鮮度をややとりもどしたセミリタイアガイドは考えたのでした。
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▲頂上からの眺め。パノラマの景色が広がります。
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▲Mt. Hectorとシャトーレイクルーイズ
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SEE YOU NEXT YEAR!

Yumiko Hiraki (Yamnuska Guide)

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by ymtours | 2008-08-28 08:10 | カナダの山旅


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