第5回ガイドインタビュー(Michiyo Adachi)

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久々のガイドインタビュー第5弾!今回は足立道代さんをインタビューをしました。
そしてこの場を借りてお知らせがあります。
今月の初めに道代ちゃんは結婚をしました!
素晴らしい天気の中、ロッキーの山々に囲まれて素敵な結婚式が行われました。
道代ちゃんとHans(ハンス)、おめでとう!!
末永くお幸せに!




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※以下のインタビューは今年の6月に行われたものです。
薫:
それでは今日のガイドインタビューは足立道代さんです。よろしくお願いします。
まずは恒例の自己紹介からどうぞ!

道代:
こちらこそ、よろしくお願いします。
1973年生まれの東京都出身。大学卒業後はハイキングやトレッキングを専門に扱っている旅行会社に就職、退職後カナダにくる直前まではハワイアンマッサージセラピストとしてオイルマッサージをしていました。

薫:
とても面白い経歴だね。この辺は後からいろいろ聞くとして、山との出会いについてはなしを聞かせてくれる?

道代:
大学時代、体育会山岳部に所属していました。なぜ、山岳部?って聞かれるといつもこまるんですよね。友達に連れられて話を聞きに行って、なぜか私だけ入部。。。卒業するまでなんとか続けました(卒業式も山のなかでした)。

薫:
山岳部といえば最近は人数が集まらず廃部になる事も多い中、4年間続けられたというのはすごいね。辞めようとは思わなかった?

第5回ガイドインタビュー(Michiyo Adachi)_d0112928_14533654.jpg道代:
悩んだことがなかったかといえばいつも悩んでいました。周りはは男子学生ばかりで、合宿はその当時の私には体力的にも精神的にもつらいことの方が多かったですから。ただ、もっと正直にいうと、80年も続く山岳部という大きな大きな家族のようなところに入り、山がどうこういうよりも家族を離れるということ=退部ということはあまり考えられなかったような気がします。私がつらいと思っている分、それを常に支えてくれたのもそんな組織ならではだったからだと思って感謝もしています。また、私の所属していた山岳部では4年間はトレーニングの時でその先を目指すんだっていうようなことを常々言われていました。多くの先輩がヒマラヤで活躍しているのを見るとなるほど。。。とも思います。私としては、つらいながらも何か魅力的な登山というものを知った以上、まずは4年間過ごしてみて、その先に自分なりの山というものを見つけられたらいいなあと思っていました。

薫:
なるほど、上手くお互いに助け合っているからこそ80年以上も存続できているんだろうね。そして4年間は土台作りで家族という中にもそれぞれに、その後の目標があったのですね。うーんなかなか魅力的な部だね。自分は山岳部出身ではないので、また違った一面が見られた気がしたよ。道代ちゃんは、活動中又は卒業後に何か目指すものは見出せたの?

第5回ガイドインタビュー(Michiyo Adachi)_d0112928_1457448.jpg道代:
卒業直後はまだ腑抜け状態で、自分で何をしたいのか分かりませんでしたが、前述の旅行会社のアシスタントとしてお客様を北アルプスの裏銀座にお連れした時に、山のレベルや登山スタイルではなく、自分がいかに情熱をもって、自分のレベルで地に足をつけた登山を目指す事が大切なんだなあと、お客様に教えられました。当たり前のことのようで、男性ばかりのメンバーの中で、自分にはハイレベルすぎることを常に引っ張られるようにし続けていた私には目から鱗でした。

薫:
山のアシスタントガイドで自分の方向性を発見したんだね。これは今後の道代ちゃんに大きな影響を与えたイベントだったんじゃない?今はこうしてガイドをしているわけだし・・・そうそう、ヒマラヤに遠征する機会もあったそうだけど、このはなしも面白そうだね。

第5回ガイドインタビュー(Michiyo Adachi)_d0112928_156045.jpg道代:
2002年の秋にチベットのチョーオユーという8201mの山の頂に立つ事ができました。これは日本山岳会と中国山岳会が合同で企画したもので、日中国交30周年を記念した事業です。チョーオユーは世界第6位の高峰ですが、技術的にはそれほど難しくはなく、また堂々とした風格をもった秀峰として人気の高い山です。この合同遠征隊に日本から6名、中国側から5名のチベット女性が参加しました。技術的に難しくないといっても、8000m峰という高峰、外国遠征ということで、様々な準備が必要です。それを周りの多大なご協力を頂きながらも女性同士が意見を出し合って事を進めるということは私がいつかしてみたい夢のまた夢と思いつつも、頭の中で描いていた事でした。

薫:
それはまたスゴイ経験をしたんだね!日本の山の旅行会社で働き出すようになってからは、きっと世界中の山へ訪れる機会があったと思うけど何カ国ぐらい行ったの?

道代:
そうですね。20カ国ぐらいでしょうか。

薫:
エリアは北半球と南半球山がある所ならばどこへでもって感じだろうね?難しいと思うけど特に印象に残るエリアはあるかな?

道代:
地球上のデコボコを探してって感じですね。それぞれ、いろんな思い出がありますが、ネパールやチベットは大好きです。そして、もちろんカナダですね。

薫:
ここで「カナダ」が出てきたね。世界の山々と比べてカナダ=カナディアンロッキーはどんな印象があった?あと初めてカナダに訪れたのはいつになるの?

第5回ガイドインタビュー(Michiyo Adachi)_d0112928_15304365.jpg道代:
カナダに初めて来たのは2000年8月です。添乗員として日本から80名!ほどの日本山岳会の会員の方々をロッキーにお連れしました。その旅行は1925年にアルバータ峰に初登した日本人パーティの75周年記念として日本山岳会、カナダ山岳会、アメリカ山岳会らの合同プロジェクトでした。大きなプロジェクトで、しかも初めてのカナダということで苦労も沢山ありましたがその10日間はとても印象的なものとなりました。高山植物が咲き乱れる広大な山の中に毎日身を置く事に幸せを感じた事はもちろん、私たちを迎えてくれた地元メンバーのホスピタリティーにもとても感激しました。カナダ側よりガイド、クック、ドライバーなど多くの人々(中にはロッキー在住の日本人の方も)がこの企画に携わり、各自の役割をもって私たちに接して下さったのですが、私が特に強く感じた事は、彼らはこのロッキーを誇りに思い、とても愛しているんだなあということです。それが、一番ですね。それから私もいつか、自分の愛する庭をおもてなしの精神でご案内する、そんな環境に身を置きたいなあと思うようになりました。

薫:
初めて訪れたカナダでここで身を置きたいと思えたのは、よっぽどインパクトがあったんだね。日本の旅行会社を辞めて、カナダでガイドをやっていこうと思ったのは大きな決断だったと思うけど・・・

道代:
日本の旅行会社を辞めたときにカナダの事は頭の片隅に常にありましたが、当時すぐにガイドになろうと決心した訳ではなく、時を経て最終的にロッキーに来たという感じです。

薫:
今年でロッキーの生活は3年目だったと思うけど、実際にガイドの仕事はどう?

第5回ガイドインタビュー(Michiyo Adachi)_d0112928_1513513.jpg道代:
ロッキーは広大で、また自然としての歴史も深く、「自分の庭のように」というにはまだまだで、ガイドとしてもっともっと知っておくべき事、勉強すべきこと沢山あることを感じます。しかし、常に大自然の中に身を置いていられる事、そして今ここにいる喜びや幸せをお客様と分かち合うことができるという事は本当に魅力的だと思います。

薫:
そうだね。自分もこの大自然の中に居られる喜びはいつも感じてるよ。この喜びが自然にそのまま伝えられたらいいよね。他のガイドにも聞いているけど、ここは本当に意見が共通する所だね。 質問をさらに続けて・・・山以外での楽しみは?

第5回ガイドインタビュー(Michiyo Adachi)_d0112928_1505565.jpg道代:
今年の春はカヤックトリップをしました!カナダに数回目に来た頃、カヌートリップの話を聞いて、いつかカヌーかカヤックで冒険したい!というのも一つの夢でしたのでとてもワクワクしましたよ。


薫:
カナダでガイドするだけでなく常に色々なアンテナを張り巡らしている感じで、今後のアドベンチャーを聞くのが楽しみだよ!また、昨年の冬はオイルマッサージの資格を生かして、働いていたそうだね。

道代:
はい。ビザの関係で今はできませんが、地元のspaでマッサージをしていました。

薫:
この仕事は今後もやっていきたい仕事なの?

道代:
そうですね。もともと人と接する仕事、人の身体と心のバランスに興味があります。そして私がハワイで習ったハワイアンマッサージ(ロミロミといいます)は、大自然のエネルギーをセラピストの身体を通して相手に伝える事が相手への癒しになり、自分への癒しになるということをとても重要に考えています。言葉で表すと難しいですが、ハワイアン流にいうとalohaの心でしょうか。ここはハワイではありませんが、この大自然の中で身体いっぱいに受け取ったエネルギーをたとえハイキングに行けない人にでも分かち合えたら素敵だなと思っています。

薫:
素晴らしいね。これは冬の仕事になるといいね!
今後やってみたい事や目標などはあるかな?

道代:
やってみたいことというか、いつでも出来る事なのですが、この冬から春を通して今まで以上に野生動物や野鳥をまじかで見る事が出来、より興味が出てきました。そんなワイルドライフをもっと観察していきたいです。

薫:
最後にロッキーの訪れようと思っている方にメッセージをお願いします。

第5回ガイドインタビュー(Michiyo Adachi)_d0112928_15151326.jpg道代:
果てしなく続くお花畑の中を歩いてみたい方、大型の野生動物の息吹を間近に感じてみたい方、そして3000m級の岩山の連なる山脈に輝く氷河を仰ぎ見たい方、ぜひ、カナディアンロッキーにお出かけください。心からお待ちしております!


薫:
今日は有難うございました。これからもガンバッテネ!
                              
道代:
ありがとうございました!

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by ymtours | 2007-10-18 13:59 | その他


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