今回はそのプログラムの第1弾「Fay Hut(フェイハット)」をレポートします。ガイドは私、岩田薫とサブガイドの小泉優がご案内いたしました。 1日目(7/30) Fay Hut までのトレールは合計約13km。前半から中盤にかけて樹林帯を進みます。「樹林帯」とは言ってもここは2003年に大規模な山火事が起きた為、現在では倒れることなく焼け焦げた針葉樹林帯を見ることができます。山火事はマイナスのイメージに思われがちですが、山火事の後、木々の下にまで陽が当たる事によって新たに花や木の実が育ち始め動物が訪れる森に生まれ変わり, 自然界の活性化に大きな役割を果たすのです。この時期、約10kmの樹林帯はヤナギラン(Fire weed)が見渡す限り咲いていました。なかなか山火事の中を歩く機会が少ない日本の方々にとっては、とても新鮮なトレールになったと思います。そして最後の3kmの登りは、少し緊張を強いられる区間で、ここを慎重に通過して、山上の見晴らしの良いFay Hutに到着しました。(所要時間約6時間半) Kootenay国立公園にあるFay Hut は1927年に立てられたACC(Alpine Club of Canada)の山小屋です。その中でも古い山小屋の一つでしたが、2003年に山火事で全焼して2005年に新しく山小屋が建てられました。ロッジはソーラーパネルで電気を供給しており、玄関、キッチン、寝室、トイレにはライトが備え付けられております。 2日目(7/31) 今日から2日間、Fay Hutを拠点にした日帰りハイキングが始まります。今日はテンピークスの峰々を望む展望コースを歩くことにしました。Fay Hutから短い急登を終えるとアルパインメドウ(高原地帯)に辿り着き、遠くには既にテンピークスの山々が見られました。アルパインメドウを抜けると氷河が後退してできた、モレーン(堆積土砂)地帯を歩いてさらにテンピークスに近づいていきました。 ランチはテンピークスとその氷河を一望できるテラスで食べて、その後は氷河の末端に立つ事もできました。テンピークスを挟んで私達の反対側には多くの人達がいますが、こちら側は私達だけ…この大自然を独占しているような贅沢を味わう事ができました。 ※一般的に「テンピークス」とはレイクルイーズ地区のモレーンレイクから見られますが、その裏側を見たことのある人は、地元の人でも少ないのではないでしょうか? 3日目(8/1) 今日は2日目の日帰りハイキング。目的地はKaufmann Lake(カフマンレイク)。高度をそのまま維持しながら山火事後の樹林帯を歩きます。開けた所からFay Hut までは、初日に歩いた谷を一望することができて改めてスケールの大きさを感じることができました。 しばらく焼け焦げた樹林帯を歩いていくと、コンコンコン…と木を激しく突くキツツキ(クマゲラ)を見つけました。木々は焼けて立ち枯れていますが、既に新しい森がスタートしている事を気付かせてくれた一場面でした。さらに進むと様々な鳥が飛んでおり、水場=湖が近いことを予感させてくれました。尾根上に上がると黒くなった木々の間から眼下にKafmann Lakeを望むことができました。 ランチはテンピークスの中で最高峰のデルタフォーム(3424m)を正面に見ながらとりました。湖に光が射すと水深によって変化する緑色のグラデーションが美しいのが特に印象的でした。また水源はテンピークスにある氷河の純粋な融け水なので特に鮮やかな緑色を放っていました。ハイカーが訪れる事の少ないエリアの為、私達の存在を全く予期していなかった周辺のマーモットはしばらく「ピーー」と笛のような警戒音を鳴らしていました。私達にとっては心地よい音のようにも聞こえました。 4日目(8/2) 今日は下山の日。同じトレールで帰りました。ここのエリアは「カナディアンロッキーの秘境」と言っても過言ではなく、手付かずの大自然を満喫する事ができました。「秘境」と言われる理由として、Fay Hutまでのトレールは決して楽ではなく、また周辺のコースもトレールがなくなっていたりとルートファインディングが要求される難易度の高いコースだからです。このように気軽に訪れることが出来ないエリアだからこそ、普段のロッキーでは味わえない贅沢な時間を過ごす事ができるのです。参加された皆さまからのリクエストは「ハイカーが少なく、大自然を感じられるエリア」としてはピッタリの行程だったのではないでしょうか?私達ガイドもロッキーのワイルドな一面を感じた山旅となりました。 ↑アウトドアブログのランキングに参加しました。 サイト上位を目指しております。一票(クリック)のご協力をお願いします!
by ymtours
| 2007-08-12 09:38
| カナダの山旅
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