第2回ガイドインタビュー(Taichi Ishizuka)

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ガイドインタビュー第2回を行いました。今回は石塚体一(いしづか たいち)です。
カナディアンロッキーの魅力やガイディングなどについて語ってもらいましょう。
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登場人物
石塚体一・・・体一  岩田薫・・・薫 以下より省略

薫:
ではインタビュー始めようか。よろしくお願いします!
それでは、まず自己紹介からどうぞ。

体一:
はい。よろしくお願いします。
2004年の夏からヤムナスカでガイドとして働いています。今年で3年目です。
カナダに来る前は日本で8年ほどゲームディレクターとして働いていました。

薫:
日本はどこの出身?

体一:
生まれは千葉県銚子市です。ご存知の方も多いと思いますが、銚子市は太平洋に面した海の町でして、山らしい山なんてまったくないんですよね。

薫:
そうだよね。それがどうして、今のハイキングガイドまでに至ったかとても興味があるなあ。山との出会いはいつ?

第2回ガイドインタビュー(Taichi Ishizuka)_d0112928_14554634.jpg体一:
22歳の時に3ヶ月かけてアメリカを横断する一人旅をしたのですが、その時に立ち寄ったヨセミテやザイオン、グランドキャニオンなどの国立公園での経験が大きいと思います。英語でWILDERNESSと呼ばれる手つかずの大自然に触れたのはあれが初めての経験でした。

薫:
なるほど、それまではほとんど山に触れる機会がなかったということなんだね。それは、かなりのインパクトだったんだろうね。

体一:
そうですね。なにせ初めて山菜の天ぷらを食べた記憶は成人してからですから...

薫:
ははははっ(笑)それも衝撃的な出来事だったろうね・・・(笑)

体一:
そうですね(笑)海育ちだったからこそ、あまり知ることのなかった山の魅力に取り付かれたのかもしれません。

薫:
つまり、普段の生活に無いものへの憧れということかな?
それにしても、どうして今の仕事をするまでに至ったの?

第2回ガイドインタビュー(Taichi Ishizuka)_d0112928_157642.jpg体一:
とにかくアメリカの国立公園は衝撃的で、それから本格的に山歩きを始めました。僕の周囲には山をやる人間はまったくいなかったので、一人山行が多かったんですけどね・・・
僕は19歳からゲーム業界で企画者として働いていました。そもそもなんでゲーム業界を選んだかと言うと、自分なりに人に伝えたい「メッセージ」があり、それを実現したかったからなんですね。しかし、現実的にゲーム業界でそれを実現することは難しく、自分の将来について悩んでいた時期に作家でアウトドアライターの「加藤則芳」さんに出会いました。彼との出会いとアメリカ、カリフォルニアのジョンミューアトレイルを歩いた経験が今の世界に入った一番大きなきっかけです。この経験を通して自分の「メッセージ」を人に伝えるあり方を改めることになりました。

薫:
なるほど。自然を通して自分の「メッセージ」を伝えようと方向転換したんだ。体一君にとってアメリカでのバックパッキングがさらに大きな影響を与えたようだね。

体一:
そうですね。すごい良い経験になりましたね。

薫:
この「メッセージ」は、状況によっていろいろあると思うけど、特にハイキングガイドの仕事をしている時はどのようなメッセージを伝えているの?

第2回ガイドインタビュー(Taichi Ishizuka)_d0112928_1501422.jpg体一:
自然の楽しみ方というのも人それぞれだとは思いますが、僕が伝えたいメッセージは『自然との自然なふれあい』です。自然のままの姿で残る森や花、野生動物たちの世界に足を踏み入れ、人間も自然の一部であると感じてもらえることができたら一番嬉しいですね。
僕は自然というのは人間の社会に必要なものだと思っています。その自然の魅力を多くの人に知ってもらい、それらを次の世代に良いあり方で残していけるように努力したいと思っています。

薫:
本来、人間の祖先も自然の中で今の野生動物のように生活していたからね。あまり自然と接する事のない現代の人間の根底にも、潜在的に自然を享受できると思うな・・・同感だよ。

薫:
ところで、アメリカで自然のスケールを知って、なぜ最終的にカナディアンロッキーでやっていこうと思ったの?

体一:
やはり北米の自然はワイルドですからね。アメリカとカナダの自然はとても似ている部分が多いとは思いますが、カナダのほうがよりワイルドな印象があったんですよね。グリズリーなどの危険な生き物が多いというのも魅かれた理由ですかね(笑)。

薫:
そうだよね(笑)。確かにここは、町から一歩出ると野生動物の領域だしね。

体一:
そうですね。人間も野生動物もお互いに上手く共存している所だと思います。

薫:
話は変わって、体一君にとってのハイキングガイドの魅力は?

第2回ガイドインタビュー(Taichi Ishizuka)_d0112928_15175636.jpg体一:
そうですね。毎日のように山を歩くことで、自然の小さな変化を感じられることでしょいか。ああ、植物はこのように変化していくんだな、とか新しい発見が毎日あるんですよね。それにお客様もいろいろな山の経験があって、そういった人たちの接するのも楽しいですね。お客様に教えられることも多いですよ。

薫:
私もお客様から学ぶ事もあるよ。普段見慣れてしまっている為に、気付かなかったり、面白い見方をして新たな発見につながる事も多いなあ。

薫:
ところで、山以外に体一君は趣味がいろいろあるって事だけど・・・

体一:
趣味ですか...そうですね。アウトドアスポーツだったらフライフィッシングが好きですね。スキーも去年始めました。今シーズンは、スキー場だけでも50回以上は行きましたよ。あとは..改めて聞かれると僕の趣味はなんなんでしょうね...

薫:
芸術的なセンスも周りからの評価は高いよね。デザインの仕事はゲーム業界に居る頃からやっていたの?今回、バンフのタウンマップの作成に一役かったそうだね。

第2回ガイドインタビュー(Taichi Ishizuka)_d0112928_15131111.jpg体一:
ゲーム業界の時はデザインの仕事はやっていませんでした。その分野はちゃんとしたデザイナーの方がいましたからね。ただ、各デザイナーに自分のイメージを伝えたりする上でデザインソフトを使っていろいろなイメージを作ったりはしていました。今回バンフの日本語マップをデザインしましたが、この仕事もゲーム業界時代に使っていたイラストレーターというソフトで行いました。

薫:
仕事としての経験は無いのにとても素晴らしい出来だよね!今、注目のタウンマップといってもいいんじゃない?どこで手に入りますか?

体一:
ありがとうございます。地図はバンフのホテルやお土産屋さんに置いてあります。カルガリー空港のインフォメーションセンターにもあるはずですよ。無料ですのでお気軽にどうぞ。

薫:
今後チャレンジしてみたい事はあるかな?

体一:
ハイキングガイドになった目的の一つは、バックパッキングやハイキングを通して大自然の中を歩くことの魅力を伝える本を作ることなのですが、その第一弾としてカナディアンロッキーのハイキングガイドブックを計画しています。

薫:
それは楽しみだね!第一回のインタビューにもあったけど、裕司君と今企画中なんだよね?

体一:
そうですね。発売は未定ですが、現在急ピッチで進めていますのでご期待ください。

薫:
あと、来月にはカナダ山岳協会のバックパッキングガイドの試験も控えているそうですね。ぜひ頑張ってください!

体一:
ありがとうございます。まだ早いかなとは思ったのですが、挑戦してみようと思いまして。がんばります。

薫:
最後にカナディアンロッキーに山旅を計画中の皆さんへメッセージをお願いします。

体一:
たくさんの野生動物、高山植物、氷河、3000mクラスの山々が連なる絶景など、カナディアンロッキーのワイルドな自然を是非体験してみてください。他の国では味わえない素晴らしい山旅が待っていますよ。

薫:
今日はどうもありがとう!今後のさらなる活躍を期待します!

体一:
ありがとうございました。

【関連リンク】
「ヤムナスカ写真部」に体一君の写真掲載中(写真の腕もかなりのもの・・・)

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by ymtours | 2007-05-10 15:20 | その他


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