「未踏峰を登頂した日本人の軌跡を訪ねて」Part 3

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 2日間のバガブー周辺ハイキングを終えた後,必死に口説いた甲斐あって,いよいよ"Lake of the Hanging Glaciers"「懸垂氷河の湖」を目指すことになった。ラジウムホットスプリングスの町から延々と50kmも続くダート(未舗装路)をひた走る。朝の8時に登山口に着くと,まだ時間が早いせいか他には一台の車も見られなかった。

写真「バガブー州立公園と筆者」


  トレールは最初,白濁した氷河の溶け水を流すホースシーフ川の河川敷についているが,滝を巻くために途中で大きく森の中を迂回する。二箇所ほどある渡渉は,しっかりした橋が架かっていてまったく問題ない。二番目の橋を渡って河川沿いの道に戻ると,広い河原越しに氷河で覆われた白い頂,マウント・モニカを望むことが出来た。

 やがて道は平坦な川沿いを離れ,スイッチバック(つづら登り)でひたすら標高をかせぐ道へと変わる。湖から流れ出る渓流に沿って道が付いており,しかも樹林の中なので,夏の盛りでも暑さをあまり感じない。

 途中オーストリアから来たという二人組の女の子達が猛烈な勢いで我々を追い抜いていった。平日であるにも関わらず,こんな辺鄙な場所に自分たち以外にも人が(しかも外国から)来ているなんて驚きだった。その後にも3パーティー10人ほどの人に途中で出会った。自分たちが知らなかっただけで,意外と人気のあるトレールらしい。どおりで道がよく整備されているわけである。

 一時間ほど登ると,ようやく傾斜が緩くなった。辺りの木々はすでに低く,森林限界に近づいたことを知る。間もなく視界が開け,夏の高山植物が咲き誇る広いメドウ(樹木限界線近くの草原)に出た。どこからか笛の音のようなマーモットの泣き声が聞こえてくる。正面には幅が広く傾斜の緩い滝が見えており,そのすぐ上が目指す"Lake of the Hanging Glaciers"「懸垂氷河の湖」だった。それはその名に恥じない美しい湖であった。
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【"Lake of the Hanging Glaciers" photo by Makoto Shinagawa】

 氷河の融け水を集めた湖は,淡い緑色の水をたたえ,静かに我々の目の前に広がっていた。はるか彼方に見える湖の対岸は絶壁となってそそり立ち,その上に広がる巨大な氷原から押し出された分厚い舌端状氷河が湖に向かって垂れ下がっている。そして時折,静寂を破ってゴゴゴゴーッという氷河の崩れる音が対岸から響き,辺りにこだました。

つづく・・・

【関連リンク】
「未踏峰を登頂した日本人の軌跡を訪ねて」Part 1
「未踏峰を登頂した日本人の軌跡を訪ねて」Part 2

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by ymtours | 2007-05-08 07:28 | その他 | Comments(0)


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