第1回ガイドインタビュー(Yuji Akiyama)

第1回ガイドインタビュー(Yuji Akiyama)_d0112928_1255510.jpg
「ガイドの素顔」のカテゴリーにガイドインタビューを掲載しました。
ガイドの目から見た「カナディアンロッキーの魅力」、「ハイキングの楽しさ」、「山との出会い」、「山のエピソード」など会話形式で連載していきます。

少しでも多くの方に、ロッキーと私達を身近に感じていただければ幸いです。
そしてその第1回を飾るのは、秋山裕司(あきやま ゆうじ)です。
↑写真秋山裕司(右) 妻の恵美さん(左)

=================================================
登場人物
秋山裕司・・・裕司  岩田薫・・・薫 以下より省略

薫:
それではインタービューを始めましょう。まずは簡単な自己紹介からお願いします。

裕司:
秋山裕司。31歳。東京出身です。
カナダには2002年12月にきました。3ヶ月カルガリーにいた後、カナディアンロッキーの町キャンモアに移り住んで、今に至ります。夏はハイキングガイド、冬はスキー場でパトロール業務。また、2005年から出版会社を立ち上げ、高山植物の本、バンフの地図、カナディアンロッキーのカレンダーなどを製作しています。

薫:
ありがとう。ところで、どうしてカナダだったの?

裕司:
基本的に英語を勉強したく、山登りが好きだったので、なまりのない英語を話し、カナディアンロッキーがあるカナダがぴったりでした。またアメリカにはない、ワーキングホリデープログラムがあるのも大きな理由でした。

薫:
それが今はハイキングガイドにまでなってしまったんだね(笑)。

裕司:
そうですね(笑)。山のツアー専門でやっているヤムナスカに出会えたものラッキーでした。

薫:
ゆうじ君もヤムナスカの山の学校卒業生だよね。(しらじらしいかな・・・(笑))

裕司:
そうです(笑)、2003年の春コースを受講しました。

薫:
山との出会いも聞かせてください。

第1回ガイドインタビュー(Yuji Akiyama)_d0112928_1342440.jpg裕司:
父親が山岳部でしたので、幼稚園のころから連れていかれました。ただ、あまりに小さかったので、それは疲れただけであまり良い思い出ではありませんね(笑)。その後スポーツはしていましたが、山登りはしていませんでした。社会人になってバックカントリースノーボードをやるようになりました。

冬山にはいりながら、夏も登ってみたいなと思うようになり、夏、冬と山に行くようになったのが、きっかけでしょうか・・・

薫:
なるほど、ずいぶん小さい頃から山との関わりがあったんだね。

裕司:
そうですね。三つ子の魂100までということでしょうか(笑)。

薫:
友達にもいたけど、小さい頃に悪い印象を持った事って意外と大人になってから敬遠する傾向があると思うんだよね。例えば、初めてのスキーで上級コースにいきなり連れて行かれてスキー嫌いになっちゃうとか(笑) ゆうじ君の場合は潜在的にずっと残っていたのかな?山を始めるきっかけは、既にあったわけだね。

裕司:
そうだと思います。大人になってからすごい山登りを始めても、すごい自然にはいっていけましたよ。

薫:
あと日本での社会人時代は、山登り行くの大変だったんじゃない?

裕司:
今考えるとそうですね。ただ、当時はそれがあたりまえだったので、金曜日の仕事の後に長野や群馬に向かって、車の中で仮眠をしてから、山登り、日曜日の夜に東京に戻って月曜日から仕事、というスケジュールにもあまり疑問は感じませんでした。今は、家から歩いて山登りにいけるので、すごい幸せを感じます


それはかなりタフだったね。確かにこっちに住んでいると山に困る事はないよね(笑)。私も同感!

薫:
ゆうじ君の昨年のビッグイベントとして「移民権取得」があると思うんだけど。本当におめでとう。

裕司:
ありがとうございます。やはり海外に住む人間の一番の悩みが就労ビザ取得ですから、それがクリアできたことは安心感があります。自分のやりたいことにもチャレンジできますし。


そうそう。そしてチャレンジといえば、2005年からは出版会社を立ち上げて今乗りに乗ってるかんじだね!キャンモアで今一番熱い男とまで噂がありますが・・・??(笑)

第1回ガイドインタビュー(Yuji Akiyama)_d0112928_1392844.jpg裕司:
あっ、はいそうですか(笑)。元々先輩からカナディアンロッキーの高山植物に関する本を一緒に出さないかと誘われて、即OKしました。本を出版する上で、会社法人としてやったほうが良かったので、CruxPublishingという会社を立ち上げました。ちなみに、Cruxとはクライミング用語で「核心」を意味します。人生の中で核心部分にいるかなと思って名づけました。
最初の出版物は、カナディアンロッキーの高山植物を213種類収録した、「カナディアンロッキーの高山植物」でした。現在、バンフ各所で販売しています。

薫:
お客さまの間でもこの「花本」は大変好評だったよ。今までに日本語で書かれた植物の専門書って無かったからね。花を英名だけでなく和名でも知りたいしね。とてもいい所に目をつけたと思うよ。私もガイド中は愛用させてもらってるよ。

裕司:
ありがとうございます。かなり良い出来だとは思いますが、なにぶん初版なので、まだまだ改善+花を追加していきたいと思っています。

薫:
今後のビッグプロジェクトは何かあるの?

第1回ガイドインタビュー(Yuji Akiyama)_d0112928_13104688.jpg
裕司:
まずは今、話しにあがった花本の改訂版作成がプロジェクトの一つでもあります。そして新規のプロジェクトとしては、カナディアンロッキーのトレイルガイド作成があります。2009年に完成できればと思っています。

薫:
そっかあ。それも大きなプロジェクトになりそうだね。楽しみにしてるよ。

薫:
話し変わって、ハイキングガイドの魅力について聞かせてください。

裕司:
1番は絶えず山の中に入れることでしょうか。これは自分にとってです。また、日本から来て頂く皆さんに、自分がロッキーの代弁者としての役割を演じることが出来るのも大きな魅力ですね。何かを感じようとしていらっしゃる方がほとんどなので、その何かに応えるべく、日々のガイディングをおこなっています。今年からはもっと能動的に、ガイドとして伝える必要があること、たとえば環境について、温暖化について、動物保護についてなど、お客さんが気づかないことにも話題をつくって、伝えていきたいと思っています。

薫:
ますます、ガイドとして磨きがかかりそうだね。

裕司:
日々是勉強ですね

薫:
カナディアンロッキーの魅力についても聞かせてください。

裕司:
景色がきれい、高山植物が多い、氷河があるなど細かい要素はありますが、一番の魅力は、広大な面積ってことだと思います。これにより、人が自然の中に入ることを最低限に保て、自然がそのままの姿でいることができます。ハイカーとしても、山の中が込み合うことはまずないですし、静かなハイキングを楽しめます。本来あるべき姿のものが、そのままの姿で存在する、これはこの面積の大きさに依存するところが大きいと思います。また何年山を歩いても、行ったことのない場所が無数にあるというのも、住んでいる自分にはかなりの魅力となります。

薫:
そうだね。確かに私も感じている事の一つだよ。広大だからこそ、自然界と人間界がしっかり保てているって事も言えるよね。これはやはり実際に訪れないと実感できない魅力だよね。

裕司:
そうですね。皆さんにはもちろん色々なところを訪れて、それぞれの場所の良さを感じていただきながら、最終的にカナダはやっぱり良い!と思っていただければ最高です。

薫:
話は尽きないのですが、まとめとしまして今後の野望などありましたら聞かせてください。

裕司:
ガイドとしては、カナディアンロッキーについてもっと勉強して、お客様の要望に全て応えられることになるのが、短期の目標です。長期としては、ロッキーのことだけでなく、もっと大きな視点で自然のことを伝えられるようになりたいです。お客様の要望に応えるのは最低限、それ以外にも、自然を愛する人間として知っておくべきことを、一方的な説明ではなく、日々のガイディングの中に織り交ぜて伝えて行きたいと思っています。今の職業はその目標にぴったりだと思っています。

薫:
聞きたい事は、まだまだあるのですが、今日はここまでとさせていただきます。
もっともっとゆうじ君が知りたくなった人は、彼のホームページ"「キャンモア日記」"も必見です!こちらを紹介して今日は終わりにします。今日は第1回にふさわしい素晴らしいインタビューができました。本当にありがとう!

裕司:
こちらこそ、ありがとうございました。

<次回も乞うご期待>

【関連サイト】
ヤムナスカガイド一覧

にほんブログ村 アウトドアブログへ
↑アウトドアブログのランキングに参加しました。
サイト上位を目指して一票(クリック)のご協力をお願いします!
by ymtours | 2007-05-03 13:12 | その他


<< 花の準備期間 カナディアンロッキーのスノーシ... >>