雪崩コンデションの情報

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皆さん、こんにちは!ヒロです。

先日、バックカントリーへ行ってきましたのでそのレポートをさせていただきます。

今日は、カナディアンロッキー、またブリティッシュコロンビア州でのバックカントリーでのアクティビティーをする際に、山岳プロのガイドも含め一般のライダーたちも必ず事前チェックをしているのがこのサイトです。

各エリアごとに最新の情報が1日1度(午後5時)にアップデートされ、翌日のコンデションの事前勉強の材料として利用することができます。

各エリアをクリックすると、そのエリアの雪の状態がアルパイン、森林限界線、森林限界線以下の3区画に分けられており、それぞれの雪崩の危険度を色で分かりやすく示しています。

危険度のレートは1から5まで。上の図ではレベル4(High)と赤色で危険度の高さを表しています。ちなみにその上のレベル5は(Extream)となります。

ここで気を付けなければいけない、一番重要なことがあります。

実は多くの人がこのサイトで入手している情報は、この「危険度のレベルのみ」をチェックして満足しているという事です。
「あー、明日はレベル4だから行くのやめよう」、「森林限界線以下はレベル2だから大丈夫だね」と、危険度の数字と色だけを頭に入れて、プランニングに入ってしまっている場合が本当に多いのです。もちろん、このレベルと色で「危険信号」として直感的に人を注意深くさせるという要素はあります。

しかし、この情報から安全な山旅を確保するのにもっと必要な要素を見落としてしまっているのです。

もっと重要なのは「何が、どのように危険なのか?どのような要素が危険度を高めているのか?」と、実は問題の一番本質となる要素を見落としてしまっていて、実際にフィールドに出ても何に注意しながら、意識しながら行動しているのか分かっていない場合が多いです。


このページの下にスクロールしていくと、ハザードや問題になりえる要素がしっかりと書いてあります。
問題の要素として、「Wind Slabs」、「Dry loose」、「Cornice」など、状況によって何を注意するべきなのかが詳しく書いてあるのです。また、丁寧にも山での歩き方や地形の選択のアドバイスまであるのですよ。

また、同じページで「Forecast Details」というタブがあります。

ここでは翌日の天気予報と雪の層、雪崩の様子の詳細の情報も入手できます。

これらの情報を集約し、プランニングに活用します。

行くエリアは?選択するべきテレイン(地形)や斜面の方角は?この状況下での目的と目標はどこに置くのか?

朝出発の際にはグループ全体のマインドセットが近づいていることで安全係数が高まりますね。

実はこのサイトからは、細かい天気の情報(過去の積雪量、風の方角、速度、気温)も知ることができたりしますが、今日はここまでにしておきます。

このサイトを上手に利用すれば、さらに安全係数を高めることができますので是非ご活用を。

ここまで言っといてそれはないよー、と言われるかもしれませんが、このサイトもあくまでも自分の山旅のプランニングにおいては、判断材料の一つでしかないと覚えておいて下さね。

ですので、私はあえてこのような雪崩の状況下でもできる限り山へ出かけるようにしています。実際に自分の体で感じて現場を見てみると、もっともっと多くの情報があるのです。

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この日は昨日からの雪が降り続けており、風の影響を受けていない斜面で新雪50cm+はありました。ラッセルが少々大変ですが、軽い雪なので思っている以上に板は進みます。


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うっひょー、深いです(^^)野沢温泉にある湯澤神社のお守りステッカー付です。日本人なので験担ぎもわすれずに。


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板を脱ぐと腰まで埋まります!さー滑りますよー!!

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いいスプレーあがりました(^^)




「行かない」という選択肢は、もちろん山旅のプランニングにおいては必ず必要です。行かなければリスクはゼロになります。しかし、自分のスキルをアップするためにも様々の状況下でプランニングを入念に行い出かけてみると、多くの体験と経験値を得ることができますね。

皆さんも、安全な山旅を続けてください!


ヤムナスカ・ガイド篠崎 洋昭(しのざき ひろあき)
ガイドプロフィールはこちらから



by ymtours | 2021-02-18 02:01 | 山旅の豆知識や魅力


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