カナディアンロッキーでスキー登山

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皆さん、大変ご無沙汰いたしております。ヤムナスカガイドの篠崎ヒロです!今回は、先日行ってきた山行の様子を皆さんとシェアしたいと思います。
スキー登山、北米ではSki Mountaineeringとよばれまして、冬山のアクティビティーの一つとして大変人気です。
夏の登山も同じですが様々な外的要素からのハザード、つまり自分では変えることのできない、またはコントロールできない危険性の認識が必要です。わかりやすいのが天気ですね。その他、雪の状態や雪庇、雪崩のコンディション、風の方角や速度、気温、積雪量などなど、様々な外的要因が複雑に絡み合います。

それらのハザードから、スキー登山でのリスクとそのリスクによって起こりえる事故の結末の状況の分析力は、経験と正しい知識と知見が必要です。これらは特に雪崩の起こりえる斜面への侵入の際の、行く、行かない、回避する、の判断材料となります。

と、このように話してしまうととても難しく、なかなか足を踏み入れられないと思ってしまいそうです。しかし、上記の外的要因のハザード以外に、もっともっと身近にあり、ある程度コントロールできるハザードがあります。

それが人的要因、つまりHuman Factorとよばれるものです。そして、人的要因をうまくマネージメントすることで、スキー登山だけでなく、夏山のハイキング、登山においても安全係数を大きく上げることが可能なのです。

一つ一つ話していくととても長くなってしまいそうなので、今回は一点、私がスキー登山に行く際に特に気を付けている事項について話したいと思います。

人的要因の大きな要素に、「グループマネージメント」というカテゴリーがあります。
グループマネージメントにおいて、パートナー、メンバー選びは非常に重要な課題です。自分の行きたい山、ルート、目的は、(毎週のように同じメンバーで行くならば少し話は変わってきますが)、必ずしも他のメンバーが同じレベルの物を求めているとは限りません。

ルートプランニングにおいて、どのルートに行くかももちろん大事なのですが、パートナーと十分に話し合えたのか?プランA,Bについて互いの理解を得られたか?それぞれのプランの目的は明確にできたか?どのような判断、決断がルート上のどこで必要かを話し合えたか?
プランニングが非常に大事なのです。いままで、自分が行きたいルートを独断で決め、無理にパートナーを連れて行っていませでしたか?またその逆で、相手に任せきりで、何もせずに着いていっていませんでしたか?


個人個人で技術や体力レベルは異なります。だからこそ事前のプランニングの段階からグループ内でお互いが納得いくコンセンサスを取ることが本当に大事なのです。自分とパートナーとの間に体力差があり、予定していた目的を達成できない場合などに、パートナーを必要以上にプッシュしてしまい事故やけがにつながるケースがあります。

しかし、上の例は事前のプランニングの段階で解決できるはず課題(タスク)なのです。お互いのレベルを知る、もし途中で体力のなさが要因で疲労した場合ルート上のA地点で引き返すかどうか判断する、またはプランBへ予定変更する、とコンセンサスがあれば防げるリスクなのです。

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もう一点追加します。
しっかりと自分の意見を発言する。
もちろん、スキー登山を始めるきっかけとして先輩や経験者の方についていくことはとても大事で、いろいろと学んで自分のスキルをアップしていくステップは必須です。
一緒に行くメンバーにより、自分の意見が言いにくい、ちょっと不安で体力がついていけないかもしれないが我慢する、登りながら「ここを滑るのは怖い」と思いながら登り続けてしまう、などこのような経験がある方は、ツアー中でも、プランニングの段階でもしっかりと自分の声と意見をメンバーに伝える、これをもっと強く意識してみてください。
自分が思っている、感じていることを発言しないままだと、多くの場合が実は相手には全く伝わっていないことが多いです。まずは発言する事、それによってメンバー同士が話し合うことができ、プランも全員で考えることができる。そしてそれはチームとしての力が高まり、結果的に安全係数の引き上げに繋がります。

今回の話はこれくらいにしたいと思います。また次回、少しづつ話していきますね。

それではここからは、先日行ってきました山の様子をご覧ください!行ってきたのはKootenay National Parkにある、Mt.Whymperという山です。やっぱり、山は最高です!


行動時間:8時間24分
総距離:15.88Km
標高差:1267m(上昇・下降)


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山の北面から登っていきます。
上の写真の鞍部が峠です。山頂は鞍部から左の尾根を登ります。鞍部直下は急登になり、スキーでは登れないのでツボ足です。
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パートナーも頑張って登っています!

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日が昇り、南斜面にあたる光がとてもきれいでした、、。山のシルエットが影になっているのが印象的な景観でした、、。

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山頂ではラッセルを交代しながらともに上った他のグループメンバーと喜びを分かち合いました。


2844mの頂きに到着です。くだりも楽しみです。



スキー登山とは言いましたが、私はスプリットボードで登りますので、下りは大好きなスノーボードです(^^)

次回は、私のスプリットボードのセットアップも紹介していきますので、どうぞお楽しみに!

ヤムナスカ・ガイド篠崎 洋昭(しのざき ひろあき)
ガイドプロフィールはこちらから






by ymtours | 2021-01-29 06:00 | 登頂 / クライミング | Comments(0)


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