シーズンを通して楽しめる3つのベスト・ハイキングコース


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ヤムナスカガイド 本山 です。
COVID19の影響で、目まぐるしく変化していく生活状況 のなか、カナダでは少しずつですが経済活動再開が始まっています。
カナダにある10州、3準州、それぞれの州でルールや規制内容が異なりますが、徐々に州境をまたぐ移動や国内旅行への規制も緩和され始めており、カナダの短い夏をアウトドアで楽しむために、私を含め多くのカナディアンの気持ちは少しずつ、ポジティブな方向へ向かっているのを感じます。体と心を健康に保つのが、どんな時代でもとても大事なんだと、改めて考えさせられています。

国内旅行の再開はとてもうれしいニュース。しかし、国境の再開に関しては未だ先が見えず、日本からのお客様をご案内できる日がいつになるのか。毎日ニュースをチェックし、どんな内容であれ少しでも明るいニュースがあれば、スタッフ一同心から喜んでいるのが毎日の日課となっています。
今わかっている現状では、入国規制は7月31日まで、そして8月31日までカナダへ海外から入国した場合は、14日間の行動自粛規制が法的に適用されるため、8月のハイキングツアーへ、ユーコンのツアーへの日本からの参加は難しくなってしまいました。
しかし!9月にカナダへの旅行の望みを捨てていない方も必ずいると信じていますし、私たちもその気持ちは同じです。

9月に関しては少なくともカナダへの渡航の可能性が残っている現状を考え、私たちはいついかなるとき皆様がカナダへお越しいただいてもいいように、しっかりと準備しておりますのでご安心ください!

さて今回は、「シーズンを通して楽しめる3つのベスト・ハイキングコース」を紹介したいと思います。
「どの時期が一番ハイキングに適していますか?」、「秋でもハイキングは楽しめますか?」、このようなご質問を多く受けます。
もちろんハイキングコースによりますが、正直ベストな時期を答えるのは難しいです、、。その理由は単純で、「どの時期に来ても素晴らしい」からなのです。
「ハイキングシーズン」といっても、初夏から盛夏、晩秋にかけて山の見せる表情は様々です。また、森や高山植物も季節の変化とともに移り変わり、ハイキングをより一層思い出深いものにしてくれますね。
また「ベストな時期」とは、それぞれの趣向や目的などでも変わってきます。

そこで、ハイキングシーズンの間にいつ訪れても必ず楽しめるコースを私たちヤムナスカ・ガイドが3コースを厳選し、紹介していきたいと思います!

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とはいっても、山の楽しみ方は人それぞれ。
そのひとつに、同じコースに時期を変えて訪れることがあります。

同じ場所に季節を変えて何度も訪問することで、毎回新たな発見があり、まるで違うコースを歩いているように感じるのも、山の持つ魅力の一つですね。私たちガイドも、仕事柄同じコースを歩く機会が多いですが、毎回山の表情が変わり、もちろんご一緒のお客様も違うので、いつも新鮮です。

季節の変化を視覚的に感じれるのは、新緑、高山植物、紅葉などで山の楽しみ方の代表例ですね。

まずはそれぞれの季節の特徴をお伝えします。

季節の特徴

春(6月中旬から7月初旬)
新緑から始まり、春のお花が楽しめる時期です。よく「初夏」とも表現される時期です。

可憐に咲く高山植物が多い時期で、多くの花のピークが短いため、目当ての花を当てるのが難しいところです。
高山帯の森林限界に近い標高では(約2000m以上)は多く残雪があり、場所によっては7月初旬よりハイキング可能になります。

夏(7月初旬から8月下旬)
この時期は、ハイキングをしていてスキっとする爽快感や、残雪もすくなくなり高山帯へのアクセスが可能になる時期です。
7月中旬頃は、高山植物が咲き乱れる時期であります。
また、標高の高い山にはうっすらと残雪も残り、山の見え方もすばらしい時期でもあり、7月中旬以降から8月中旬頃までは、元気に咲く盛夏の高山植物を楽しめる時期です。

秋(9月初旬から10月初旬)
夜間は冷え込むことが多くなり、高山植物は少なくなりますが、黄葉が楽しめる時期です。
高山帯から低山帯で時期の前後があります。高山帯は、唐松の黄葉が9月中旬頃見ごろを迎え、低山帯は、アスペン(ポプラの仲間)が9月下旬頃が見ごろです。


コースを紹介する前に、それぞれの季節でのハイキングをイメージし易いように、以下の写真を参考にしてみてください。

新緑
低山帯のアスペン(ポプラの仲間)、高山帯の唐松が美しく楽しめます。

アスペンの新緑
低山帯を生息域として、5月下旬から6月中旬頃まで楽しめます。
ライトグリーンがまばゆく、揺れてさらさらと音を立てるのは、爽快感があります。
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ヤムナスカ・ショルダーにて6月中旬

唐松の新緑
高山帯(2000m以上)に生息し、6月下旬頃から楽しめます。
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ラーチ・バレーにて7月初旬

盛夏
高山帯では多くの高山植物を楽しめます。
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この時期は標高の高いトレイルにも残雪が少なくなりアクセスが可能に。
ラーチ・バレーにて(7月下旬)

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初夏のヤムナスカ・ショルダーの爽快なハイキング

黄葉
アスペン(ポプラの仲間)の黄葉と唐松の黄葉がお勧めです。

アスペンの黄葉
アスペンは低山帯で、9月下旬から10月初旬まで。
黄色と青空のコントラストが美しい。
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9月下旬 ヤムナスカ・ショルダーにて

唐松の黄葉
高山帯(2000m以上)に生息するので、9月初旬から中旬です。
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9月初旬、ターミガン・サークにて



季節の高山植物
もっと詳しく知りたい方は、季節のお花をヤムカナでさらにチェックできます!
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アツモリソウ(6月下旬頃)ヤムナスカ・ショルダーにて

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カタクリの群生、ターミガンサークにて7月初旬

高山帯は、7月中旬から8月初旬まで
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盛夏の高山植物 ウサギキク。ラーチ・バレーにて7月下旬

前置きが長くなりました、、。伝えたいことが多く失礼しました!

お待たせしました。それでは本題のシーズンを通して楽しめる3つのベスト・ハイキングコース
を紹介していきます。


1、ヤムナスカ・ショルダー
往復距離:5.2KM
所要時間:3時間30分
標高差:250M
*第2展望地までのデータです。

ヤムナスカ・ブログの過去の山行のリンクです。
初夏のヤムナスカショルダー
盛夏のヤムナスカショルダー
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ヤムナスカ山の麓のハイキングします。低山帯に位置し、雪解けが早くカナディアン・ロッキーでは5月中旬頃から楽しめるハイキング・トレイルです。また10月初旬まで歩けるシーズンが長い場所でもあります。アスペン(ポプラの仲間)の新緑と黄葉が季節を変えて楽しめる、お勧めのコースです。また標高差は第2展望地までは250メートルほどで小さく、距離も短めで、初心者の方でも楽しめるのもいいところです!

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アスペンの林は光が多く入り、まばゆいです!

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第1展望地からは、新緑を上から展望できます。


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春(初夏)から夏まで、多くの高山植物が楽しめるコースです。



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第1展望地から黄葉の様子です。アスペンが黄金に輝いています。

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アスペンは地下茎のでお互いに繋がっており、繋がりを持つもの同士が同時に色ずく特徴があります。
例年9月中旬以降から9月下旬頃まで、この黄葉を楽しめます。

ヤムナスかでも、よくお客様をご案内する場所です。ガイドとしても、いつお客様を連れて行っても、必ず楽しんでもらえる「鉄板コース」でもあります。カナディアンロッキーの一番東の端に位置しているので、カナディアンロッキー全体が雨や、雪の場合でも晴れている確立が高いというのも(カナディアンロッキーの天気のパターンとしてのデータより)、お勧めポイントです。


2、ターミガンサーク
往復距離:4.8KM
所要時間:2時間20分
標高差:300M

ヤムナスカ・ブログの過去の山行のリンク!


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このコースは登山口が既に2205mと標高が高く、残雪を考慮すると7月初旬くらいから楽しめるコースとなります。

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歩き始めてからすぐに森林限界を超えるので、初心者でも高山帯の景観を楽しめるのが嬉しいですね。


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一気に高山帯へ、迫力のある岩峰の近くまで行けます。

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モス・キャンオン、マンテマの仲間です。


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そして唐松の黄葉が楽しめる素晴らしいトレイルです。


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黄葉の時期は、例年9月中旬から始まります。森林限界線に生息するカラマツが美しい。


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高山帯を好む野生動物に会えるチャンスもあります。(写真はビックホーン・シープ)

本来であれば、標高の低い場所から自分の足で高山帯まで登る必要がありますが、ターミガンサークの登山口はすでに2200メートルと高山帯のため、初心者の方でも雄大な景色を気軽に楽しめるコースですので、お勧めです!また、ターミガンサークはカナナスキス・エリアに位置し、カナディアンロッキーの中でも穴場的スポットで、コース上も混雑することなく楽しめるのも魅力の一つですね。私は日本から家族や友人が来たら、絶対に連れて行きたいコースです。


3、ラーチバレー
往復距離:8.8KM
所要時間:4時間30分
標高差:570M
*ミネスティマレイクまでのデータです。

ヤムナスカ・ブログの過去の山行のリンク。
カナディアンロッキーを代表する雄大な景観が楽しめて、いつハイキングしても最高のコースです。

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  ラーチ(Larch) = 唐松 ですから、その名の通り、森林限界線以上には唐松が多く群生しています。
また新緑の時期も素晴らしいです。6月下旬から7月初旬頃

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唐松の新芽、是非触ってみてください。針葉樹とは思えないほどやさしく、やわらかい芽ですよ。


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カナディアンロッキーを代表するテンピークスの景観が注目されるコースですが、高山植物も豊富で、8月中旬まで季節を変えて楽しむことができます。

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8月中旬でも2000m近辺では、まだまだ盛夏の高山植物が楽しめます。


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盛夏は爽快感と解放感があり、もちろん景観も最高です。

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唐松の黄葉です。雪化粧した山・青空・黄葉のコントラストは言葉では表せません。
9月の初旬ー中旬には黄葉の最盛期を迎えます。

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同じ場所から「黄葉」と「新緑」の様子

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接写、広角、ポートレート、どのようなスタイルで写真をとっても素晴らしいです。


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ほかの2コースと比べるとやや距離や標高差が大きいですが、しっかりと整備されたコースは初心者の方でも安心して歩くことができます。

植物、自然の季節ごとに移り変わるその表情は、山の楽しみの中で、とても大きな魅力の一つです。

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ご紹介させていただいた3つのコースは、これから初めてカナディアンロッキーを訪問する方、またすでにこのコースは歩いたという方にも、とても胸を張ってお勧めできるコースです。
ご自身が歩いている時に。是非違う季節にはどんな雰囲気になるんだろう、なんて想像しながら歩いてみるのも楽しいですね。

カナダにも四季があります。緯度が高いため冬が長く夏は短くなります。そのため、現地に住んでいる私たちにとって、季節の移り変わりを感じながら、終わりの早い夏を過ごす感覚は言葉では上手く表現できません。

私達はどこかで、新しい季節がやってくるうれしさや、月日が過ぎていく寂しさなどを感じているからなのでしょうか。
皆様も日本でよく行く山では、こんな季節の移り変わりを楽しまれているのではないでしょうか。

そんな私たちの感じるカナディアンロッキーを、是非皆様と共有したいと思いこの記事を書かせていただきました。

そして、一刻も早く皆様がカナダに訪問できるようになり、カナディアンロッキーを一緒に歩ける日を待ち続けています。

ヤムナスカガイド 本山



by ymtours | 2020-08-06 08:02 | カナダの山旅


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