世界中のオーロラファンのみなさんこんにちは! オーロラ完全ガイド制作スタッフ兼オーロラガイドの堀口慎太郎です。 私がオーロラに初めて興味を持ったきっかけは、テレビ番組のオーロラ特集を見たことでした。それ以来「人生で一度はオーロラが見たい!」と夢見るようになり、Web上にあるオーロラの写真を勝手にダウンロードしては、デスクトップの壁紙にしていたほどです。そんな私ですが、 まさかオーロラ鑑賞が仕事となり、極北ユーコンに住むことになるとは、そのときは夢にも思いませんでしたね。 きっと世の中には、かつての私と同じように「いつかはオーロラを見に行きたい!」という秘めた思いを心に抱いている方も多くいるのではないでしょうか!? そこで今回は、これからオーロラを見たいと思っている人に良くある3つの質問にお答えしたいと思います。それは、 1「どこに見に行けばいいの?」 2「いつ見に行けばいいの?」 3「どれくらいの確率で見れるの?」 まさにオーロラ鑑賞3大質問ですね。 そもそもオーロラとは? 本題に入る前に少しおさらいをしておきましょう。 オーロラ発生の流れを簡単に説明すると以下になります。 1.太陽からプラズマという電子が宇宙空間に向けて発せられ、地球へ向かって来る。 2.地球には磁場の盾があり、プラズマはその盾に跳ね返されて地球の裏側へ回り込む。 3.地球の裏側に溜まったプラズマは、地球の磁極(極北、極南)に流れ込み地球に侵入する。 4.地球上空に侵入したプラズマは、窒素や酸素の原子と衝突し発光する。 5.この発光現象こそがオーロラである。 どうでしょうか?? 全然簡単ではないですね.... 発生の仕組みを説明しようとすると、どうしても難しい単語が登場してしまうのです。 ですので、ここで理解してもらいたいのは、ズバリこれだけ! 「オーロラとは、太陽からやってくるエネルギーが地球上空の原子と衝突し、発光する神秘的な現象である。」 です。 あれ?ズバリじゃない?? もっと詳しくオーロラの仕組みを知りたいという方は、下記のオーロラ完全ガイドへGo! さてここからが本題です! オーロラはどこへ見に行くのが良いのか? オーロラ は漠然と北の方の国へ見に行くというイメージがあると思いますが、たしかに極北(北半球の場合)で発生することは間違いではありません。 オーロラは緯度60度から70度ほどの範囲に出現し、このエリアをオーロラベルトと呼びます。そして、このオーロラベルトにある有名なエリアが、オーロラ3大鑑賞地として有名なカナダ、アラスカ、北欧です。多くの人がこの3つのエリアで迷うのではないでしょうか? カナダ、アラスカ、北欧の3大鑑賞地を比較してみましょう。 どは、この中ではどのエリアが良いのでしょうか? 実際のところ、凄いオーロラを見たいなら絶対にここ!という決定的な違いはありません。 しかし、それぞれのエリアには明確な特徴の違いがあり、自分にとってべストなエリアを考える材料となります。 【カナダ】 なんといっても雄大な大自然と晴天率の高さが魅力 森と湖に囲まれ、手つかずの大自然が今でも多く残る国です。治安が良くクリーンなイメージもあり、世界屈指のオーロラ鑑賞地として有名ですね。カナダの中でも特に有名なオーロラ都市は、ユーコン準州「ホワイトホース」と、ノースウエスト準州「イエローナイフ」。どちらも極北に位置しています。 どちらのエリアも人口密度が極端に低く、人工的な光が少ないために、オーロラ鑑賞に適したロケーションが多くあります。冬は北極から入ってくる寒気の影響で気温が低くなることもしばしばありますが、その反面、内陸性の気候により非常に晴天率が高いのが最大の魅力です。「何が何でもオーロラが観たい!」という方、寒さが苦にならないならベストなエリアではないでしょうか。 それはもちろん、私の住むホワイトホースです。(笑) というのは冗談ですが、どちらも晴天率が高く、オーロラ鑑賞だけを見ればどちらも非常に素晴らしい場所ですよ。しかし、ホワイトホース、ユーコンの魅力を説明させてもらいますと、なんといっても広大な手つかずの大自然、山岳風景とオーロラのコラボと言えますね。大自然があり、日中のアクティビティーが豊富なことも大きいです。 近年ではカメラの進化に伴い幅広い層の方が訪れ、「映え」を狙い人気のエリアとなっています。郊外にはロッジなどの宿泊施設も多くあるため、プライベートでゆっくりと過ごしながらオーロラを鑑賞したいという人にお勧めです。また、ホワイトホースは驚異のオーロラ鑑賞率を誇るイヌビックのゲートシティーでもあります。 【アラスカ】 日本から近く、交通が便利 アラスカはカナダのユーコン準州と隣接しており、ユーコンと同じく大自然に囲まれたエリア。アラスカ大学フェアバンクス校ではオーロラの研究施設があり、世界のオーロラ先端都市と言えるでしょう。フェアバンクスから車で約一時間の距離にあるチナ温泉は、人気のオーロラ鑑賞スポットの一つですね。カナダのイエローナイフと同じように大型のグループツアーが多い印象ですが、近年はロッジ滞在型のツアーもあるようです。冬季は成田~フェアバンクスの直行便が出ることがあり、「フライトの便利さ重視」という方には適した場所と言えます。 【北欧】 歴史あるヨーロッパならではの魅力 北欧の中でもスカンジナビア半島の三国、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、最近はアイスランドも有名ですね。歴史がある可愛らしい町並みが残り、ショッピングまたはレストランで食事をしたりと、観光要素が多いことが最大の魅力と言えるでしょう。また、北欧と言えば「サンタクロース!」(と思っているのは私だけ?)サンタの町にも訪れてみたいですね。 冬は赤道付近からやってくる暖流、メキシコ湾流の影響もあり、北米と比べると比較的に気温が高く過ごしやすいのが魅力ですが、この暖流の影響で雲が発生しやすいために、オーロラ鑑賞の妨げになってしまうことも良くあるようです。「オーロラはやはり運。であれば、オシャレな観光要素も取り入れて楽しみたい。」という方は北欧がお勧めでしょうか。 オーロラはいつ見に行けば良いのか? オーロラは寒い冬だけじゃない。 オーロラ鑑賞=極寒 皆さんは恐らくこんなイメージがあるのでは? ではなぜオーロラ=冬(極寒)のイメージになってしまうのか!? ここからは日照時間のお話です。 ホワイトホースを例に、年間の日照時間の移り変わりを見てみましょう。 上のカレンダーから、5月中旬~8月上旬は夜の時間がやってこないことがわかります。 白夜という言葉を聞いたことがあると思います。 オーロラ鑑賞地として有名なエリアはどこも緯度が高く、冬は暗い時間が長い代わりに夏は夜が極端に短くなり、夏至の頃はほとんど暗くなりません。 恐らくオーロラベルトに位置する地域では、この時期にオーロラのツアーは行われていないでしょう。全く見れらない訳ではないですが、「念願のオーロラ!」と意気込んで旅行するには、あまりにチャンスが少な過ぎます。 そのため、どの地域でもおよそ8月下旬〜4月中旬頃がオーロラシーズンと言えるでしょう。意外かもしれないですが1年のうち半年程もオーロラに出会えるチャンスがあるのです! ホワイトホース近郊でいいますと、8月下旬からでも十分に素晴らしいオーロラに遭遇する確率は高く、湖に写り込むような素晴らしい景色を見ることも可能です。 また、地域によってオーロラが頻繁に見られる発生時間が違うことも考慮をしてください。 20時頃と比較的早い時間帯からオーロラが発生しやすい北欧に比べて、北米でオーロラが発生しやすい時間帯は23時頃と遅い時間帯なのです。従って、8月下旬頃であれば北米では23時頃からオーロラが鑑賞できる暗さが十分に得られ、冬の時期とチャンスは大きく変わりません。 「でも、8月下旬と冬至の辺り(12月21日)では日照時間が大きく違うんじゃない?」と思った方、その通りです。 極北の冬は暗い時間がとても長いため、冬の方がオーロラチャンスが多いことは事実であり、数字上の確率は高くなることは間違いありません。 どのくらいの確率でオーロラが見られるのか? 「何が何でもオーロラを見る!」の人は出来るだけ長く泊まれ! 「実際どのくらいの確率でオーロラは見ることができるの?」と言う突っ込んだ疑問にも答えちゃいましょう! その前にまず、オーロラが鑑賞できる条件をおさらいしておきましょう。 大きく3つに分けると、 その1、暗い その2、晴れている その3、太陽活動が活発である (3つの詳細はオーロラ完全ガイド、オーロラが現れる条件へGO!) もちろんこれらは全て自然現象のため、一概に確率がどうこうと言うのは難しいのです。 しかし!! 3つの条件を全て満たすことが、オーロラ遭遇の確率を高めることは間違いありません。 そのためには時期と場所を考える必要があります。 「暗さ」ついては上で述べた時期の8月下旬〜4月中旬であれば問題ないでしょう。 「晴れている」ことを考えると、なるべく晴天率の高い場所へ行く事です。 「太陽活動」ついては、完全に運です。(笑) こればかりはどうしようもないですね。何しろ相手があの太陽様ですから。太陽は気まぐれなので突発的に活動が活発になったり、大人しくなったりするのも事実。予測は非常に難しく活発な時期を当てに行くのは困難です。 太陽極小期でもオーロラはよく発生する!? 太陽は11年の周期により活動が活発になったり、弱まったりする。と言う話を聞いたことがある人もいるかもしれません。 太陽活動が活発な時期を極大期、そうでない時期を極小期と呼びます。 どうせ行くなら活発な極大期に行きべきでしょう!と思いますよいね? しかし、実はあまり知られていないかもしれませんが、 極小期でもオーロラはよく発生しています! 極小期に頻繁に起こる太陽活動というものがあり、これが大きなオーロラ を発生させるためです。(詳細はオーロラ完全ガイド、活動周期とオーロラの関係へGO!) 実際のところ、11年の周期にあまり惑わされることはありません。極大期だからといって必ずしも出るわけではないですし、そもそも数年も待ってられないですよね。 オーロラ は見たいと思った時に計画を立て、実際にトライしてみるのが良いということです。 さて、確率の話に戻しましょう。 当然ですが、オーロラとの遭遇は鑑賞に時間を使えば使うほど確率は上がります。 ホワイトホースの場合だと、3泊4日(3回のオーロラチャンス)があれば多くの人がオーロラに出会うことができています。ここが最低ラインになると思います。2泊3日(2回のオーロラチャンス)はあまりオススメしません。 ちなみですが、もし自分が他の地域にオーロラを見に行くとしたら、最低4泊5日は確保すると思います。実際オーロラ旅行なんて何度も行けるものではないですから、せっかく遠くまで行くならしっかりと時間を確保してオーロラを見逃さないようにしたいですね。 「あまり長くいると退屈するのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、オーロラ 鑑賞では夜遅くまで起きているため、翌日はお昼ぐらいまで寝たいものなんです。だから日中に何かするにしても午後から活動するくらいで、ちょうど良いんですね。本番は夜!ロッジタイプの宿泊施設なら施設内でのんびり過ごすのも楽しいものです。 オーロラ鑑賞率100%!?究極の鑑賞地!! 何と現在ヤムナスカのツアーでオーロラ鑑賞率100%の場所があるのです。 カナダ、ノースウエスト準州のイヌビックと呼ばれる北極圏にある小さな町です。 ホワイトホースからさらに飛行機に乗り継ぎ北緯68度の極地まで移動すると、そこはオーロラベルトのど真ん中にあるためオーロラが最も激しく活動する、「ブレイクアップ」と言う現象もしばしば発生します。実際私も何度も訪れましたが、今のところこの場所を超えるオーロラ鑑賞地を知りません。 プロのオーロラ写真家も多く訪れる、知る人ぞ知る究極のオーロラ鑑賞地と言えるでしょう。 ツアーの詳細は「驚異の鑑賞率を誇る地 イヌビック」のツアーページへ! さて、今回はここまで! 世の中の「オーロラを見てみたい。」と思っている全ての人の背中を少しでも押す事が出来たら嬉しいです! 日本でもオーロラ体験!? そうそう最後に、日本でもちょこっとだけオーロラ体験してみたいと言う人には、オーロラのイベントへ行ってみては? ヤムナスカと強力なタッグを組むオーロラ写真家の中垣哲也氏が、自身で撮影されたオーロラを映像にして上映したり、時にはプラネタリウムに投影したりとその世界観は感動モノです。 全国各地でイベントを行なっているのでお住いの地域の情報を下記からチェックして見て下さい! カナダでも間も無く冬のオーロラシーズンスタートです。 今年もたくさんの人に天空の神秘をお届けします! ヤムナスカ・ガイド堀口 慎太郎 (ほりぐち しんたろう) ガイドプロフィールはこちらから
by ymtours
| 2019-11-06 07:03
| オーロラの旅
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