世界の名峰、Mtアシニボイン(3618 m)登頂

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ヤムナスカガイド谷です。
今回は前回、前々回のブログに引き続き大山さんの山のゴールの一つでもある
Mtアシニボインへの登頂をお届けします。
例年よりかなり雪が多い今年のロッキー、この難しいコンディションでどうなったんでしょうか?

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初日はヘリコプターを使ってアシニボインロッジまで入り、
そこから約6時間かけてハインドハットという登頂のための小屋まで登ります。
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途中まではアシニボインを見ながらの素晴らしいハイキングも楽しめます。
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さてここからもうクライミングが始まります。
このハインドハットまでの入山が実はすごく大変で、泊まる荷物、食料などが入った
重いザックを背負っての登攀になるのでかなり疲れますね。
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岩壁の途中で休憩です。スナックを食べて小屋までがんばって登ります。
後ろに見えているロックバンドを越えて行きます。

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小屋に到着です。アシニボインが大きい。そして雪が多い荘厳な姿です。
七月下旬とは思えない難しいコンディションでしたが、話し合った結果トライすることにしました。
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暗闇から歩き出して日の出を迎えます。
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急峻なガレ場を慎重に上がって行きます。
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途中からはアイゼン、ピッケルを使った雪壁登攀に。
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最後の数ピッチは氷雪壁に変わり、困難なクライミングになりました。
そしてその中で頂上稜線まで抜けることができました。
大山さん流石です。
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最高位到達点の頂上稜線 (3560 m地点)

ですが、そこからも多くの雪庇が残っており、頂上まで標高差50m、
雪がないコンディションだと約20分の稜線歩きでつくのですが、
この状態ではビレイが必要なので時間がさらにかかる、
そして自分たちも引き返す時間を30分延長して登っていたので、
ここを最高地点に折り返すことを決めました。

アシニボインは登った時間と同じだけ下山にも時間がかかる難しい山。
登って降りるまでが登山。難しい判断でしたが、これもまた登山です。

左奥のピラミッドが頂上。
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どこまでいったか赤線を引いて見ました。
今回登ったのは、コンディションの関係上、北東稜(ノーマルルート)ではなく、
上半分は北壁を登ることになりました。
これで見ると、本当あと少し。

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後日談ですがアシニボインロッジのオーナーとお客さんたちは、みんな僕たちが登頂したと思ってたようです。
ロッジから見ると、僕たちは頂上にいるように見えるんですよね。
矢印が僕たちが引き返した点。
本当の頂上は左奥。

大山さん、17時間20分の長時間行動本当にお疲れ様でした。

アシニボインとこれだけ長時間、ともに過ごせた人も少ないと思います。
それはきっと努力されてきたこと、アシニボインが見てくれていたからこそ受け入れてくれたんだなと僕は思います。

頂上は立てませんでしたが、難しい登攀はほとんど終わっていましたので、
ロッジのみんなが祝福してくれたのも頷けます。

本当に、本当にお疲れ様でした。

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おりてきたらビールを持って祝福しにきてくれたロッジのオーナー、クロードさんと。
がんばってる人を応援するは万国共通です。
涙が出ますね。
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最後は前席に座ってアシニボインを見ながらヘリで下山。

世界の名峰に数えられるアシニボイン、大山さんの登頂への挑戦いかがでしたか?
毎回ですが、この山はドラマを作ってれます。
今度はクライミングじゃなく、ロッジ泊でいらしてはどうでしょう?
あの山の右の頂まで登ったのよと、130mロワーは経験できないわよと、ロッジに泊まりながら談話する、
そういうのも大人の楽しみかもしれませんよ大山さん。

ではまたお逢いできる日を楽しみにしています。


ヤムナスカ・ガイド谷 剛士 (たに たけし)
ガイドプロフィールはこちらから


by ymtours | 2019-07-28 08:53 | 登頂 / クライミング


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