現地ガイドお勧め。カナディアンロッキーで登るべき山 トップ10 [目指せ登頂!]

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皆さんこんにちは!バリバリ登頂していますか?
ピークハント大好きガイド、ピーク堀口です。
いきなりロッキーの名峰、マウント・テンプルの山頂からの登場となりました!

今回のテーマは
「ヤムナスカガイドがお勧め カナディアンロッキーで登るべき山トップ10」
です!

実はカナディアンロッキーではハイキングで登頂できる山が限られているのですが、中でもこれはいつか登りたい!登るべき山を厳選に厳選を重ねご紹介します!

その前にまずは北米での「ハイキング」の定義からおさらいしたほうが良いですね。
英語では難易度に関係なく、手を使わずに行う登山をすべて「ハイキング」と呼びます。
※多少、手でバランスをとったりする箇所があってもハイキングに含まれます。

一方ロープを使って登るものが「クライミング」、その中間でロープを使うほどではないが、手でしっかり体重を持ち上げて登るスタイルを「スクランブリング」と呼びます。
※北米での登山のスタイルの違いの詳細は以下のリンクから投稿をご覧ください。

では、なぜカナディアンロッキーにはハイキングで登頂できる山が少ないのでしょう?

まずは下の写真をご覧ください。
これらの山の写真を見ての第一印象を思い浮かべてみて下さい。

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これらはそれぞれカナダの山の風景ですが、どうでしょうか?

どうみても「イカつい」ですよね。。
これは私の言葉になってしまいますが、おそらく皆さんは「激しい」、「凄まじい」、「荒々しい」という単語を想像したのではないでしょうか。

そうなんです!このように、カナディアンロッキーの山は氷河による浸食が一つの要因となり、非常に「急峻」な山々が多いのです。

このロッキーの急峻な山々の多くが「スクランブル」「ロック・クライミング」または「アルパイン・クライミング」で登る山であり、体力と高度な登攀技術が必要となります。したがって、多くの山のピークは、一部のエキスパートのみに許された世界と言えるのです。

また、カナダという国自体が建国152年とヨーロッパに比べ若く、国の発展のために鉄道や道路の建設を行う上で測量が必要となりました。それから、主にスイス人などの経験豊かなヨーロッパ人をガイドとして雇うようになります。そしてようやく多くの登山家が山を登るようになってからは、国立公園や世界遺産に登録されるエリアが増え、山を自然の状態に保つという考え方が浸透してきました。そのため、カナディアンロッキーの山には梯子や、鎖場などはほとんどなく、車が入れないような遠隔地でも山小屋等の宿泊施設もほとんどありません。

つまりロッキーの山は「氷河などが多く急峻」であり「遠隔地で人工的なものが少ない」この2つの要因がピークハントを困難にしていると言えるでしょう。

しかしご安心下さい!カナディアンロッキーにもハイキングで山頂まで登れる山はあるのです。

また前置きが長くなってしまいましたが、それではここから本題に入りましょう。
今回は、
ハイキングで登るべき山5選
スクランブルで登るべき山3選
ここまでは体力があれば誰でも登れる、道路から見ることができるため誰もが憧れるロッキーの名峰です。

さらに番外編として、エキスパート向けの名峰2選
全10峰を紹介します!

それではどうぞ!!

#1
ハー・リン・ピーク
Ha Ling Peak
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Ha Ling Peak東壁(写真中央)

標高:2,407m
往復歩行距離:5.6km
出発地からの標高差:762m
登頂スタイル:ハイキング


カナディアンロッキーの玄関口の一つ、キャンモアの町から南西に見える山、Mt. Lawrence Grassiの北端のピークです。東斜面は絶壁になっているためクライミングのみでしか登ることが出来ず、「こんな山にハイキングで?」と思うかもしれませんが、この写真の反対側の西斜面は緩やかでハイキングで登頂可能です。距離が5.6kmと比較的短いため、体力があれば半日で頂上まで行くことができます。山頂ではボウ・バレーとキャンモアの町を一望する絶景が待っています。

Ha Lingは初登頂を果たした中国人の名前から名付けられました。鉄道会社に勤めていた彼は仲間との賭けで「あのピークに一日で登れるか!?」を競い、見事その日に内に登頂します。Ha Lingは山頂で旗を振り仲間に登頂を知らせ、賭けに勝った彼の名はその功績を称えられ現在でも残っているのです。
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山頂からの一望できるキャンモアの街の景色




#2
Big Beehive
ビッグ・ビーハイブ
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ビッグ・ビーハイブの山頂

標高:2,270m
往復歩行距離:9.4km
出発地からの標高差:540
登頂スタイル:ハイキング


バンフ国立公園内、ロッキーの宝石と呼ばれるレイクルイーズが登山口で、数々のカナディアンロッキーの名峰に囲まれたピークの一つとなります。トレイルの途中にはミラー・レイク、レイク・アグネスなどの小さな湖もあり、夏にはレイク・アグネス横にティー・ハウスが営業しており、コーヒーやスイーツを楽しみながらのんびりすることも魅力です。体力があり時間が許せばもう一つのリトル・ビーハイブに足を延ばすのも良いでしょう。ピークからはロッキーの核心部の周辺の山々とレイク・ルイーズの美しい姿がご覧いただけます。「Beehive」は「蜂の巣」を意味しており、もう分かっちゃいましたね?そうですその容貌からこう呼ばれています。
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ピークからのレイクルイーズとシャトー・レイクルイーズ(ホテル)



#3
Mt. Yamnuska (East Peak)
マウント・ヤムナスカ(イースト・ピーク)
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マウント・ヤムナスカ全貌

標高:1,950m
往復歩行距離:9.5km
出発地からの標高差:600m
登頂スタイル:ハイキング


カルガリーから車でカナディアンロッキーに入る際に、一番初めに目に飛び込んでくるのがこのマウント・ヤムナスカ。東側の広大なプレーリー(草原)と西側の荒々しいロッキー山脈のコントラストは、膨大な造山活動のエネルギーと、気の遠くなるような長い年月をかけて形取られ、現在の姿に至ったという想像を掻き立てます。日本の北の大地、北海道で生まれ育った私も驚きのスケールのドデカさです!

我々の社名でもあるこの山。1977年にYMCAサマーキャンプでクライミングのプログラムが行われたことで、ヤムナスカ社の歴史も始まりました。「ヤムナスカ」は地元の先住民の言葉で「正面が切り立った山」を意味します。カナディンロッキーを初めて訪れた探検家や毛皮商人は、アルバータの原野からロッキーを見て「本当にこの切り立った山々を通り抜けるのか!?」と不安になったと言います。
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ピーク付近からどこまでも続く広大なプレーリーを眺める



#4
Fair View Mountain
フェア・ビュー・マウンテン
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レイクルイーズから見えるフェア・ビューマウンテンの全貌

標高:2,744m
往復歩行距離:10km
出発地からの標高差:1,014m
登頂スタイル:ハイキング


カナディアンロッキーではハイキングで登頂できる最高地点の山となり、ハイキングで見ることのできる最高峰の景色と言っても過言ではないでしょう。頂上からの景色は大迫力の3,000m級の名峰群と360度の大パノラマが広がり、正に「フェア・ビュー」の名にふさわしい山と言えるでしょう。Mt.ビクトリアとその東壁に貼り付くビクトリア氷河、Mt.テンプルの北壁と山頂付近のマクドナルド氷河は圧巻です。秋にはサドルバックと呼ばれる鞍部でカラマツの黄葉が有名で、黄金色に染まったその景色を楽しみに来るハイカーも多くいます。百聞は一見にしかず!とにかく「こんな景色がハイキングで見られちゃうの!?」という景色を約束します!
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頂上から西側にロッキーの分水嶺、Mt. Victoria、Mt. Lefroyの山々が見える



#5
サルファー・スカイライン
Sulphur Skyline
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山頂からのAshlar Ridgeの景色

標高:2,050m
往復歩行距離:7.7km
出発地からの標高差:700m
登頂スタイル:ハイキング


ジャスパー国立公園、ミエッテ温泉からスタートできるトレイルです。広大なカナダには名前のついていないピークが数多く存在し、実はこの山頂も正式には名前がなくトレイル名が「Sulphur Skyline」となります。※厳密にはMiette Range(ミエッテ山群)の一部。トレイルのほとんどが樹林帯でラスト100mで森林限界を超え、一気に視界が開けます。山頂から北側に見えるAshlar Ridge(上の写真)の独特な山の景色が見ごたえ抜群です。

「Sulphur」は「硫黄」という意味で、登山口はミエッテ温泉の駐車場横となっています。ハイキング後には温泉のご褒美付きとは何とも日本の山みたいで良いですね!

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登山口のミエッテ温泉


ここまではハイキングでの登れる為、体力に合わせてヤムナスカの「おまかせハイキング」でご案内可能です!

それではここからは少し難易度が上がりスクランブルで登るべき山3選をどうぞ!



#6
Cascade Mountian
カスケード・マウンテン
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バンフのメインストリートはカスケード山が最も美しく見える角度で設計されている

標高:2,998m
往復歩行距離:1,460m
出発地からの標高差:18km
登頂スタイル:スクランブリング

カスケード・マウンテンはバンフを代表する山の一つ。上の写真にあるようにバンフの中心街から綺麗に見える山であり、誰もがあの山頂からの景色を見てみたいと憧れる山の一つと言えるでしょう。山頂からはボウ・バレー、バンフの町を一望することができ、天気が良ければ遠くに名峰マウント・アシニボインの姿も見ることが出来ます。

「Cascade」は「小さな滝」を意味し、道路から接近するとその滝を見ることが出来ます。冬場には滝が凍結してアイスクライミングの人気スポットになります。バンフの町中から見える山とはいえ、難易度は優しくありません。山頂までの道のりは長く、岩場も多い為注意が必要です。また、トレイルが不明瞭なためルートファインディングも必要になってきます。

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ピークからの景色、右奥遠くにマウント・アシニボインの姿



#7
Mt. Rundle
マウント・ランドル
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バンフの町に隣接するバーミリオン・レイクから望むマウント・ランドル

標高:2,949m
往復歩行距離:11km
出発地からの標高差:1,577m
登頂スタイル:スクランブリング

カスケード・マウンテンと並び、バンフを象徴する山と言えるでしょう。先輩ガイドがこの2つの山の覚え方として「金貸すけど、何ドル?」(金カスケード、ランドル?)と覚えると良いよ。と教わりました。。。完全にオヤジギャグですね。。

とてもユニークな形をした美しい山ですが、バンフからキャンモアへと続く南北に約30kmほど連なった巨大な山脈の一部なのです。実は#1で紹介したハー・リン・ピークの隣が、このランドルの南東の端なのです。頂上からは前述したカスケードが見えるため、カスケードを制覇した方には是非登りたいと思える山となります。




#8
Mt.Temple
マウント・テンプル
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テンプル東壁とマクドナルド氷河

標高:3,543m
往復歩行距離:14.4km(南東稜)
出発地からの標高差:1,659m
登頂スタイル:スクランブリング

バンフからトランスカナダハイウェイ(国道一号線)を北上しキャッスル・マウンテンを過ぎたあたりから前方左に、一際(ひときわ)高い山が見えてきます。近づいてゆくとその迫力は増し、山の全容が明らかになってきます。さらに北上すると、写真上の東壁と頂に氷河を抱いた姿を見ることが出来ます。カナディアンロッキーでは11,000feet(約3,400m)以上の高さの山を11,000ersと位置付けられており、このテンプルはロッキーで最初に上られた11,000erと言われています。ピークハンターなら一度観たら、是非登ってみたいと思う人は多いはずです。

山頂からはブログ最上部の写真や下の写真のようにテン・ピークスが一望できるのですが、このようにテン・ピークスのすべてが見渡せる場所はそう多くありません。それだけにとどまらず、「ロッキーのすべてのピークが見えるのでは!?」と思えるほど、最高の山岳風景と言えるでしょう。必要な技術は高くなりますがロッキーの核心部、そして11,000フィートの高さからの圧倒的な景色を是非一度ご堪能ください。

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登山口のモレーンレイクとテン・ピークスの景色


カスケード・マウンテン、マウント・ランドル、マウント・テンプルは道路から見ることのできる山であり、アクセスも非常によく、ヤムナスカのツアーではどれも日帰りでご案内可能な山となります。
体力があれば登頂も難しくありません。ツアーの詳細は以下のリンクよりご確認ください。

ここからは番外編として2つの山をご紹介!
これらはアルパインクライミングで登る山であり、今まで紹介した山々よりグッと難易度が上がりますが、カナディアンロッキーの言わずと知れた名峰達です!


#9
Mt. Assiniboine
マウント・アシニボイン
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アシニボイン・ロッジ正面からの景色

標高:3,618m
出発地からの標高差:1,438m
登頂スタイル:アルパインクライミング

BC州マウント・アシニボイン州立公園に位置し、その山容から名峰マッターホルンと並び称される秀峰です。ロッキーのクライマーならだれもが憧れる山と言えるでしょう。道路から一番近いところでも30Km以上離れているため、ヘリで入山することも可能ですが、歩いて入る場合はアプローチだけでも最低丸1日かかります。ノーマルルートは写真正面の北尾根となりますが、ロープが必要になるためクライミングの技術が必要となります。

「アシニボイン」はこのエリアの先住民族の名前で「熱した石で調理する者たち」という意味です。彼らの住まいであるティーピーという三角形のテントから煙が出ている姿と、Mt.アシニボインの頂から雲が流れる姿から「アシニボイン」と名付けられました。2年前にガイドの谷がご案内した感動の登頂の記録の投稿は下のリンクからご覧ください。

#10
Mt. Robson
マウント・ロブソン
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ロブソン南陵、ビジターセンターからの景色

標高:3,954m
出発地からの標高差:3,099m
登頂スタイル:アルパインクライミング


最後の山はカナディアンロッキーの最高峰マウント・ロブソンです。ジャスパーから車で西に約100km走った先にあるマウント・ロブソン州立公園内に位置し、道路沿いからもその姿を見ることが可能です。独立峰で周辺の山に比べて高いため、頂に雲をつけやすく「クラウドカップ・マウンテン」とも呼ばれています。山の麓が855mと標高が低く、下から迫りくるような南陵の重厚な存在感ある姿は、見るだけでも価値があることでしょう。

2,525m地点にあるラルフ小屋へはヘリでアプローチすることも可能ですが、体力があれば徒歩1日でアプローチし、天気が良ければ翌日アタックすることも可能です。しかし独特の地形で天候が安定しないことが多くあるため、登頂が最も難しい山の一つと言えるかもしれません。氷河、セラック、雪崩などのハザードがありアイスクライミングの技術もが必要になる為、今までの山に比べ難易度は上がりますが、登頂したときの達成感は他に代えがたいものがあるでしょう。十分トレーニングを積み是非プライベートでトライしたい山となります。


さて、ここまで「カナディアンロッキーで登るべき山 トップ10」ということで紹介をさせていただきました。
北米の登山ではハイキングやロングトレイルの文化も根強く、冒頭に説明した通り登頂するには技術を要する山が多い為、山のピークに達する機会が多くありません。しかし、どんな山であれ登頂したときの達成感景色は、そこでしか得られないものがあり格別なものがありますね。

ロッキーでピークハントをしてみたいと興味がある方は是非、ご参考下さい!

ヤムナスカ・ガイド
堀口慎太郎
ガイドプロフィールはこちらから


by ymtours | 2019-07-26 06:01 | 登頂 / クライミング


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