車両規制により、今やロッキーで最もプレミア感の高い日帰りハイキングコースとなったラーチバレー。

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 皆さんこんにちは。ヤムナスカの石塚です。この写真の景色を見てください! これは決して画像を加工して色味を増しているわけではありません。ここはロッキーで最も美しい湖の一つと言われるモレーンレイク。独特の色彩で輝くこの湖は、個人的にロッキー3大氷河湖の一つだと思っています。

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 モレーンレイクはレイクルイーズと並ぶ観光地であり、車で湖畔近くまでアクセスできることから、多くの観光客が訪れる場所です。しかし、この場所が今やロッキーの中でも個人で行くにはとても困難になっていることをご存知でしょうか? その理由は、駐車場へと続く唯一のアクセス道路であるモレーンレイクロードに車両規制が敷かれ、駐車場が満車になるとこの道路に入ることができなくなるためです。観光バスや商用車、専用のシャトルバスには特別な許可証が発行されるため、規制後でも入ることができますが、許可証のない個人の車両やレンタカー利用者は道路に入ることができません。

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 モレーンレイクは超一級の観光名所であるにも関わらず、実は駐車場が非常に小さいのですが、これは湖が谷あいを上り詰めた先の山奥ににあるためです。よくよく考えると、この場所にしっかりとした駐車場が整備されているだけでも凄いことなんですね。

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 もともとこの駐車場はそれほど大きくないためにすぐに満車となり、規制が敷かれる以前はモレーンレイクロードにずらっと路上駐車をされることが日常茶飯事でした。これら駐車場から溢れた縦列駐車の列は2km以上先まで延びることもあったんですね。この道路は山間部に伸びる一本道であるため、ここで事故や渋滞が発生すると大きな問題になり兼ねません。そこで国立公園局は、昨年より道路の入り口で入場規制を始めたのです。

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 車両規制の場所は、レイクルイーズへと続く道「レイクルイーズドライブ(Lake Louise Drive)」と「モレーンレイクロード(Morain lake Road)」の分岐点となります。モレーンレイクロードはこの分岐点から湖畔の駐車場まで約12kmも続く一本道であるため、途中で規制をかける場所がありません。そのため、この道の入り口で制限をするようにしているのですね。


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 こちらは車両規制のなかった時代の分岐点です。Googleストリートビューから画像を拝借しました。現在はこの場所に国立公園局の職員が立ち、簡易バリケードを建てることで車両をコントロールしています。


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 車両規制は早朝6:00から敷かれ、以後は駐車場が満車になるとすべての一般車両は通行禁止となります。駐車場が大きくないため、7:00前には満車となってしまうことも珍しくはありません。

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 この規制により駐車場や道路の混雑はなくなりましたが、基本的にいつも満車状態であることが多く、よっぽどタイミングが良くないと規制を通過することができないように感じます。先日、私も家族とプライベートで訪れたのですが、やはり満車状態であったため、モレーンレイクへ行くことができませんでした(泣) 観光バスや商用車、専用のシャトルバスには特別な許可証が発行されるため、規制後でも入ることができるのですが、今の状況を考えるとこれら専用車を利用するのが一番現実的な方法と言えるでしょうか。 私たち地元の人間にとっても、個人で行くには非常に面倒な場所になってしまったというが正直な気持ちですね。


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 レイクルイーズビレッジからモレーンレイク駐車場までのシャトルバスは数社により運行され、ご覧のような中古のスクールバスが利用されています。値段と運行スケジュールは会社により違いますが、片道$15~$25が目安となるようです。
 

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 何かと不便なこの道路規制ですが、良いこともあります。それはモレーンレイク湖畔から始まる人気のハイキングコース、ラーチバレーの混雑が劇的に減ったことです。規制が敷かれる3年前までは、週末ともなると数珠つなぎに人が連なるほどの混雑も珍しくはありませんでした。しかし、今年の夏はトレイルを歩く人も少なくなり、まさにカナダらしい、ゆったりとしたハイキングを楽しめるようになりました。
 

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 この写真は規制初年度の2017年(昨年)9月のものです。ラーチバレーが一年で最も混雑するのが秋の黄葉シーズンなため、他のロッキーのコースと比較したら人は多い方なのですが、それでも規制前に比べたら本当に人の数は少なくなったと感じます。

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 一面が黄色やオレンジに染まるラーチ(カラマツ)の世界。ここはロッキーの中でも本当に特別な場所だと思います。


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 人が少ないのは素晴らしいことですが、そうなると不安なのはやはりクマ問題ですね。このラーチバレーコースはもともとグリズリーベアーの生息地であるため、ロッキーでも珍しく人数規制が敷かれる場所でもありました。このコースは、クマの活動状況により4人以上のグループで歩くことが義務付けられることがあります。この夏は今のところ規制は敷かれていませんが、トレイルの入り口に看板があるのでチェックが必要です。2年前はこの規制を無視して歩いていたハイカーが高額の罰金を課せられたという話もありますので、必ずチェックをしましょう。


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 車両規制により人が少なくなったことで、クマにとってはより住みやすい場所になりつつあるのではないでしょうか。車両規制前の人の混雑を知っているだけに、自然保護という点で考えても今回の車両規制は必要なことだと感じます。


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 3000m級の山々が10座連なるテンピークスと、広々としたU字谷の景観。氷河、湖、岩山、高山植物など、このコースにはカナディアンロッキーのハイキングの魅力がすべて詰まっていますね。季節により初夏から秋まで様々な様相を楽しませてくれるのです。

 
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 いかがですか。今やラーチバレーはロッキーの中でも最もプレミア感の高い日帰りコースと呼べるのではないでしょうか? ヤムナスカのガイドハイキングなら、車両規制の心配もありません。個人ではなかなか行くことが難しくなりつつあるラーチバレーのハイキングを、是非一緒に楽しみましょう! 最後にきっちりとセールストークを交え、この記事を終わりたいと思います。(笑)

ラーチバレーのハイキングツアーはヤムカナのページをご覧ください。

by ymtours | 2018-08-10 06:23 | 山旅の豆知識や魅力


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