カナディアンロッキーには上の2種類のクマが生息しています。皆さんは違いは分かりますか? 上(1)が『グリズリーベア』、下(2)が『ブラックベア』でして、カナダ全土で生息する個体数は、ブラックベアの方が多いです。 それではまず、ブラックベアーからご紹介しますね。 この足跡はかなり新しい足跡であることが分ります。こうした足跡が自分たちの行く先に通じているとしたら、クマを警戒する必要があります。あくまでもクマの縄張りに自分たちがお邪魔しているということを忘れないで、共存することが大切です。 2つ目として、排せつ物です。 これは一つ例ですが、いつもこのような色や形をしているわけではありません。たまに熊と馬が似ているときがありますが、よく見ると葉の繊維だけではなく、木の実や動物の毛などが含まれています。 こんな感じの時もあるのですが、量が多いので明らかに小型の草食動物の物ではないことが分ります。消化されずに出てきているということは、かなりの量の実を食べているということですね。 こうした排せつ物を発見した時、まだ乾燥していない、形がしっかりしているものは新しいと判断できます。排泄物があまりにもフレッシュな場合は、クマがかなり近くにいる可能性があります。速やかに退散して、クマの領域を侵さないようにしましょう。 先にも書きましたが、実際にクマと遭遇しないためは、大きな音を出しながら歩くのが効果的です。 なお、音といえば「クマ鈴」と言われていますが、実は鈴はあまり効果がないことが分っています。「クマが音に慣れた」という噂がありますが、鈴の波長は自然界にも近いものがあり、実際は効果がないという話や、人工的な音のそばにエサ(人間)がいると判断して近づいてくるなんて話もあります。 では、何が良いのかというと、「人間の話し声」です。人間の話し声の波長は自然界には存在しないそうで、クマにとっては違和感があると言われています。「森のくまさん」でも歌いながら楽しいハイキングをしましょう。 そして、クマ撃退用のベアスプレーも、万が一に遭遇した時のために絶対に必要です。もちろん、私たちガイドは常に携帯していますので、ガイドハイキングなら安心ですよ。 熊をもし見かけたら、十二分に距離をとり、絶対に近づかないようにしてください。 これは、すごく危険です!!クマが本気で走り始めたら、絶対に逃げ切ることができません。 最後に一つ。ガイドをしていると、たまにこういう質問をしてくる方がいます。 「白熊ってロッキーで見れないんですか?」 確かにカナダには白熊が生息しています。しかし、白熊はホッキョクグマともいうだけあって、北極圏だけに生息している動物で、残念ながらカナディアンロッキーにはいません。北極熊を見たい方は、ぜひ北極圏のツアーに行きましょうね。 ちなみに、ブラックベアの変異したカーモードベア(スピリットベア)という種類もカナダには生息しています。劣性遺伝子を持つブラックベア同士が交配すると、白いブラックベアが生まれるといわれています。BC週には実際に2000頭ほど確認されていますが、これは白熊ではなく、ホッキョクグマとは別種ですのでお間違えなく。また、カナディアンロッキーではいまのところ正式には確認されていません。 クマのことが少し分かっていただけましたでしょうか? カナディアンロッキーではクマは決して珍しい動物ではありません。 幸いカナディアンロッキーでは、クマによる被害の報告はここ20年以上ありませんが、それでも動物園のクマを目の前で見ただけでも恐怖を感じるので、まずは遭遇を避けるのが第一、そしてその知識をもって山に入ると、より安全な登山を楽しむことができます。 皆さんもクマには十分に気をつけてください。
by ymtours
| 2018-07-13 03:05
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