皆さん元気ですか! ヤムナスカ ガイドの石塚です。
先日、我が社の山旅専門サイト『ヤムカナ』のツアーカタログページが一新され、生まれ変わったのはご存知ですか? いろいろと試行錯誤をした結果、カテゴリーごとに分類した方がより希望のツアーを見つけやすいのでは? ということで、今回は新しいカテゴライズにしてみました。皆さんの反応がいまから楽しみです。 さて、話しは本題に入りますが、実はこの仕事の製作会議の席にて新人スタッフの一人がこんなことを言いました。 「皆さん、先ほどから”日帰りハイキング”と言っていますが、そもそもハイキングって日帰りですよね? しかも 比較的に簡単な山歩きってことじゃないですか??」 なるほど。たしかに日本で言うところのハイキングのイメージはこんな感じかもしれません。しかし、北米(カナダ、アメリカ)でいうところの HIKING はちょっと違います。 そもそもHIKINGは日帰りなのか? 私の意見としては、英語でもただ HIKING と言った場合、やはり1日の山歩きをイメージするように思います。しかし、数日にわたって歩く場合に使う言葉でもあるのもたしかです。ちなみにウィキペディアではこのように表現されています。 Hiking is the preferred term, in Canada and the United States, for a long, vigorous walk, usually on trails (footpaths), in the countryside, (省略)......A day hike refers to a hike that can be completed in a single day. 簡単にポイントのみを訳しますと、カナダやアメリカ(北米)では、Hikingという言葉は主にトレイルを使うロングウォークを意味しており、山に限らず田舎道などを歩くこととあります。実はこの言葉自体には1日や日帰りという意味は含まれていないのです。なので、英語では1日のハイキングや数日のハイキングを区別して、1日ハイキングを『Day Hikng』と言い、複数日で行うハイキングを『Multi-Day Hiking(マルチデイ ハイキング)』なんて使い分けるのが一般的なんですね。 バックパッキングとは? 複数日で行う山歩きに使う他の言葉としては、『バックパッキング(Backpacking)』がありますが、これはハイキングとは別の一つの独立したアクティビティーを指しているものです。バックパッキングとは、バックパックにテントや食料などの数日の旅で必要なものを全て詰め込み、定めらたロングトレイルを歩く遊びであり、基本的にはキャンプをしながら山歩きを楽しむことです。一方、マルチデイ ハイキングは、例えば山小屋を使いながら数日にわたって山歩きをする時などに使われることが多いですね。 トレッキングとは? では、トレッキングとは何でしょうか? 日本では簡単な散策がハイキングで、トレッキングのほうがより長く本格的な山歩きというイメージがあるような気がします。ちなみにウィキペディアを見てみますと、以下のように記述があります。 Trekking is the preferred word used to describe multi-day hiking in the mountainous regions of India, Pakistan, Nepal, North America, South America, Iran and in the highlands of East Africa. Hiking a long-distance trail from end-to-end is also referred to as trekking and as thru-hiking in some places. In North America, multi-day hikes, usually with camping, are referred to as backpacking. こちらも簡単に訳しますと、トレッキングとは、主にインドやパキスタン、ネパール、北米、南米などの山野を歩くマルチ デイハイキングのこととあります。また、北米ではトレッキングの代わりにバックパッキングを使うことが一般的であり、スルーハイキングという言葉も同様の意味で使われるとあります。 だいたい分かっていただけましたでしょうか? 最後にヤムナスカの広報を担当しているカナダ人、シルビアにもこれらの言葉の違いを聞いてみました。 「ただ単にハイキングといったら、やはり1日の山歩きというニュアンスがあるかもしれないわ。ただし、数日にわたって歩く山歩きでもハイキングという言葉は使うわ。一方、トレッキングといったら先にマルチデイの山歩きをイメージするわね。トレッキングとバックパッキングは同じような意味で使うことが一般的よ。」by シルビア ふむふむ。ウィキペディアと同じですね。まとめると、ただ単にハイキングと言った場合は、日本でもカナダでも一日の山歩きの意味として使われることが一般的となります。ただし、それは必ずしも一日だけのものを意味しているわけではないので、英語の Day Hiking を意味する言葉として『日帰りハイキング』という日本語は適切ということになりますね。 では、次の問題に行きましょう。 果たしてHIKINGは簡単な山歩きなのか? ハイキングは1日の山歩きだとしたら、日本語と英語の意味するところはほぼ同じと言うことになります。しかし、ここからが違うのです! 実は英語では、たとえ簡単であっても、とんでもなく難しくても、 トレイルのみを使って歩く山歩きは全部ハイキングと言うのです。 日本には簡単でも難しくても、手を使って鎖場を歩こうと、ロープ(ザイル)で結び合おうと、山に登ることを「登山」と一括りで使える便利な言葉があります。しかし、英語ではこの辺りの言葉が明確に別れています。『Hiking』といった場合は、トレイルを使って足のみで歩く山歩きのことであり、一方、『Climbing(クライミング)』というと基本的にロープを使う登山のこととなります。では、ロープを使うほどではないけど、手を使わないと行けないような山歩きは何と言うのでしょうか? これを英語では『Scrambling(スクランブリング)』と言います。 ![]() ![]() ![]() 話しをハイキングに戻しましょう。手を使わずにトレイルを使って歩く山歩きはすべてハイキングですので、たとえガレ場が長く続こうと、片道10時間以上も歩かないと山頂にたどり着かない山であろうと、そこにトレイルがあり、手を使わないで歩く山歩きは全部ハイキングなのです。 カナディアンロッキーの山々は総じて鋭く聳えているため、山頂まで行こうとするとクライミングやスクランブリングでなくては辿り着けないような山がほとんどです。しかし、数は多くないものの、中には山頂までトレイルが続き、ハイキングとして登頂ができる山もあります。レイクルイーズエリアにはる『Fairview Mountain(フェアビューマウンテン)2744m』がその一つですね。 フェアビューマウンテンのコースデータは、往復10km。標高差は約1000mと中級レベルのコースとなりますが、トレイルがしっかりしているので、コンディションが良ければ往復6時間ほどで歩くことが可能です。山頂からの景色は本当に素晴らしく、目の前には3400mを超える名峰マウント ビクトリアやレフロイなどの氷河を抱いた山々が聳え立ち、360度の大パノラマを楽しめます。 他にもオススメの登頂コースはありますが、なかでも個人的に最も素晴らしいコースの一つと思えるのは『ウエスト ペイトーピーク』です。道路からアクセスはできない山域にあるため、通常は日帰りで行ける山ではありませんが、実はミスタヤロッジに宿泊すると日帰りハイキングが可能となるのです。コース難易度は高く、標高差850メートルの登りは、ほとんどがガレ場、急登も多く、健脚向きのコースですが、山頂からはワプタ大氷原を見下ろす景色が広がり、本格的なアルパインクライミングでしか見れないような壮大なロッキー山脈の景色を楽しむことができます。 オフトレイル ハイキング 最後に一つ、北米ではトレイルを外れて道無き道を歩くハイキングも楽しめますが、これは『Off-Trail Hiking(オフトレイル ハイキング)』と言います。国立公園では自然保護の規制が厳しく設定されているために登山道から外れて歩くことはできませんが、年間に訪れる人の数も少ない一部の州立公園や自然公園では、登山道を外れて歩くことが許されています。これらのエリアでは、たとえ人が植物を踏みつけたとしても、自然が自らの力で十分に再生できると考えられているためです。一面のお花畑や草原を歩くハイキングは、まさに北米ならではの贅沢なハイキングと言えますね。 ![]()
by ymtours
| 2018-02-01 03:00
| 山旅の豆知識や魅力
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