厳冬期、極寒冷地仕様の車を見てみよう!

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こんにちはガイドの堀口です。

今回は極寒の冬のユーコンにおいての車事情についてご説明します。

時に氷点下30℃を下回る気温の環境で、車が動くということ自体が良く考えるとすごいとは思うのですが、やはり厳しい環境で車を維持するにはそれなりの対策、準備が必要です。

私自身北海道出身なので、寒冷地での車の仕様は分かっているつもりでしたが、極寒冷地(ユーコン)での仕様は知らないことばかりでした。

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まずはこちらの写真から。

よく見ると、車のフロントグリルの部分からオレンジ色の何かがぶら下がっていますね。

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ユーコンではよく目にするものなのですが、
こちらの車両も何か青いコードがぶら下がっています。

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実はこれはこのようにプラグを接続します。

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こちらの車両もこの通り。

いったいこれは何を何のために接続しているのでしょうか。

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ヒントはこの写真。
エンジンルームを空けるとこのようになっているのですが、
この写真で分かった方はプロですね。
バッテリーに注目するとなにやら黄色いものが巻かれています。

そうです。実はこれバッテリーを温めるためのヒーターなのです。
先ほどのケーブルはこのヒーターのものだったのです。
その他にもここからは見えないですが、エンジンとオイルパンというパーツもこのようにヒーターが付いています。

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このように家の外壁にあるプラグや、ガレージのから電源を取ります。

気温が低くなりそうなときは、接続しておき各パーツを温めておきます。

低温の環境では正常にエンジンが始動しないことがありますが、このように予めバッテリーやエンジンオイルを温めておくことでスムーズに始動することが出来ます。そして結果的にエンジンに掛かる負担を軽減することに繋がります。

実は日本でも消防車などの特殊車両はこのような装置は付いています。

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それでは次は、車両に搭載しているものを紹介しましょう。

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まずはこれ、「スノーブラシ」と、「スクレイパー」(ウィンドウの霜取り)です。
これは日本の降雪のある地域では珍しくないですね。
車に積もった雪を降ろしたり、窓の下を取るための道具です。

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このボトルはエナジードリンクではありません。
燃料系のパーツの凍結を防ぐ液体で、「Gas Line Antifreeze」(ガスライン・アンチフリーズ)というものです。
ガソリンを満タンにした後に、給油口からこの液体を注ぎます。
それによって、ガスタンク内の水分が除かれ凍結を防ぎ、低温時のエンジンのスタートをサポートというものです。
2~3回の給油に1度のペースで使用するのが、推奨されています。

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これは「脱出器具」です。
見た通りですが、万が一タイヤがスタック、雪にはまってしまった時、タイヤの写真の位置にしっかりと固定し脱出します。この車はFR(後輪駆動)なので、リアタイヤのみに有効です。
使用する際は自分の車が、前輪駆動、後輪駆動、または4WDなのかを分かっている必要がありますね。

これとセットで「ショベル」、「ロープ」などを使用して脱出する場合もあります。
ロープがあれば他の車に引っ張り上げてもらうことが出来ますが、ユーコンでは人通りも少なく、携帯の電波も通じない・・・。なんて場所も少し郊外へ行くだけで沢山あります。そんな時はショベルで雪かきして自力でという状況もあり得ます。しかしマイナス30℃の世界で孤独でそんな作業・・・。考えただけで嫌になっちゃいますね。

ですから安全運転を心がけ、トラブルに遭わないのが一番です。
そしてそれに備えて準備しておくことが、さらに重要です。

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日本では廃止になりましたが、ユーコンでも商用車など一部の車両ではこの「スパイクタイヤ」が認められています。
高いグリップ力で凍結した路面でもスリップするのを防ぎます。
しかし、実は冬のユーコンの路面はアイスバーンになることは少ないのです。
なぜなら、路面の雪が解けて再凍結することが無く、雪もパサついているため、一度の除雪でほとんど圧雪もされなくなります。
ですから日本の寒冷地よりもよっぽど路面状況は良いと言えます。

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さて、ここまで冬の車の仕様、装備について紹介いたしました。

冬でも夏でも準備するということはとても大事なことですが、特に冬場は厳しい寒さのためにする対策は多くあるのです。

こんな環境でも暖かい車でドライブできるのは幸せなことです。
冬は車への愛情が大切です。

ヤムナスカガイド
堀口慎太郎

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by ymtours | 2016-11-27 03:08 | ホワイトホース情報 住む


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