2012年から始まったこの企画「スキルアップ・イベント」、今年で5回目を実施いたしました。 コンセプトは”自分達の知らない新しい知識をチームで共有する、そして楽しむ!!”を基本に、今年は5月1日から5月4日までの 3泊4日で当社のあるアルバータ州の隣、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州でシーカヤックを行いました。
実は当社のある州には海がないんです。なぜ山のガイドが「海」でと思われるでしょう。 知らない世界での経験を共有すると言うことは、実はチームの結束を高める上で非常に重要なことなんです。 当社では、この概念を元に、”スキルアップ・イベント" として、毎年、登山のシーズンが始まる前に実施しています。 今年のスキルアップのサブテーマは、”自給自足”、つまり”サバイバル”、食料は現地調達です。 もちろん現地のスーパーで食料を調達するわけではありません。 街もない、もちろんスーパーも電気もガスもトイレもない、そんな海での食料調達で考えられるのは、魚介類となるでしょう。 そして誰も行ったことのない場所で、釣りをした事のない者もいる中で、何が取れるのかまったく分からない海での自給自足とは、 いったいどんなものだったのでしょうか。 これからご紹介する内容を見ていただくとなんと.............、結末をお楽しみに!! 集まったところでまずはお疲れ様の一杯で疲れを癒しているところです。 ここに来るまでに、前日から車または飛行機で約12時間かけて移動してきました。 しかし、全員知っているのです、実はまだまだこの日も移動をする必要があることを。 ようやく到着したのは夜の10時、ビール飲んでる時間が必要だったのか?と聞かれれば、はい、必要です!!と答えるしかないでしょう。 翌日のシーカヤックに向け早々に寝床確保です。 テントを張るのはさすが山屋、”異常”なほど早いです、慣れたもんですね。 そして、ここでもまた一杯。 【5月1日】 翌朝、テントを撤収し、カヤック乗り場まで移動です。 朝食はおかゆの様に見えるオートミール、北米では本当に一般的な朝食の姿なのですが、美味いんですけどね。 昼食のベーグルサンドもここで用意、ピーナッツバター&ジャム、通称 "PJ" は カナダの子供達の定番ランチ。 まあ、今晩から食事ができるかどうかわかりません、ここで高カロリーの昼食を準備していかないと!! 出発前に講師よりレクチャーを受け、注意事項、緊急事態の対処法などを学びます。 次にそれぞれがテーマを決め、その場に合ったレクチャーを行います。 未経験なりにも事前に調べた情報で自分の知識も深まり、それをチームと共有する、このイベントの目的の一つを全員が行っていく、 これがヤムナスカマウンテンツアーズの”色”を形成しているのかもしれません。 さて、今回はタンデムカヤックで5艇、合計10人で出発です。 この時点ではまだ誰もが今夜からの食料についてまったくの予定が立っていません。 もちろん、もって行っていいのは調味料、コーヒー、そしてお米は唯一の食料として用意しました。 またこの時点で、フィッシングライセンス(漁猟許可書)にそって、1日の漁獲量、採って良い魚、採ってはいけないエリアなども 再確認しました。魚や蟹の種類によって、そのメスは捕獲してはいけないというのは、とても良いルールだと思いました。 ここが今日からの宿泊場所、ナインマイルビーチです。 早速各々がお気に入りの寝床を確保します。 どれが誰の寝床なのか想像してみてください、非常に性格が現れていました。 さて、不思議に思いませんか??全員テントがありません。そう、サバイバルでテントは必要ないんです!! そんなもの出発地点に置いてきました!! ワイルドでしょう??徹底してサバイバル、自給自足にこだわります。 ちなみにここは陸路ではたどり着けません。 まったくの陸の孤島です。 早速食料調達のための仕掛けの準備です。 方法は何でもいいんです、とにかく食べられるものを取りに出発です。 釣竿を使うもの、自作の仕掛けを持っていく者、手ぶらで手づかみを考えている者、それぞれが思い思いの方法で 今晩の食料調達をしなければなりません。 ある者が言っていました、”最悪何もなかったら、酒と米があるから3日くらいは大丈夫だ!!ハハハハ”っと。(笑) 鏡の様に静かな海がわれわれを迎えてくれました。 入り江になっているため非常に穏やかな海で、初心者にとってはただただ楽しいシーカヤックです。 紺碧の海、透き通ったスカイブルーの空、新緑の山々、この中にいると普段の生活がすっかり忘れてしまいます。 まるで別世界にいるような素敵なここBC州の'Sunshine Coast"の”Sechelt Inlet"は、シーカヤックの聖地とも称される、まさに天国のような場所です。 息を呑むようなこの光景、今まで味わったことのない空間で、全員が今考えていることは、今晩の”メシ”です。 4時間以上も漕いでくるといい加減に腹も減ってきます。 釣りを開始した瞬間、なんとすぐに魚がヒット!! これは幸先の良いスタートです。これを期に全員が俄然やる気を出して来ました。 不安は残るものの、とりあえずは確保です!!でも、10人の山男達の胃袋に30cmの魚2,3匹では到底足りるわけがありません。 すでに景色は二の次、もう気分は”狩”です。 この後、チームの一艇が陸に上がったところ、なんとカキを一つ発見!!その情報を聞きつけたほかの艇も上陸です。 また一人は家からカニ網を自作し持ってきていました。 海に仕掛けを投入し、数時間後引き上げる予定です。 さて、最終的に今晩のおかずは・・・・・・・・・・・・ 見てください!!初日から十分な量の魚とカキとカニをゲットです!! これ、本当に自分達で調達してきたんです!! すごいと思いません??これで一安心、初日の夕食はご飯にありつけそうです。 そしてこのカニの量!!全員これには大興奮です。 味噌鍋にしてかに汁を作りました、これは本当に美味しかったです。 こうして初日の夜に取れた海産物は、すべて全員の胃袋を満たす結果となりました。 次の朝食分もある程度確保できたため、これで一安心です。 夕食後、満天の星空の下、全員でお酒を交わしながらまた男達だけの楽しい話は夜中まで続けられました。 こんな瞬間を仲間と一緒に過ごせていること自体が不思議にさえ感じる瞬間です。 【5月2日】 次の日は、初日の経験が生かされ、カキと魚とカニをゲットすることとなりました。 もちろん、全ての食材はありがたく全員の胃袋に納めさせてもらったことは言うまでもありません。 そして、火を囲みながら仲間との会話の時間を楽しみました。 【5月3日】 最終日、この雄大な大自然を心惜しむように、のんびりと最後のカヤッキングを楽しみ全員出発地点に無事戻ることができました。 最後の夜、現地に住む、以前当社で第一線のガイドとして活躍さていた松永純一氏、品川誠氏が来て下さり、 楽しい宴となり無事スキルアップ・イベントは終了となりました。 土地勘も経験もなく、まさに”未知”の部分が多かったにもかかわらず、全員の知恵と行動力とお互いを思う気持ちで 本当に充実したイベントになったと感じています。 こうした取り組みをチームとして経験できたことに、一参加者として心から嬉しく思います。 今年も更にチーム一丸となって、日本からのお客様をお迎えできることでしょう。 さて、来年のスキルアップ・イベント、更に有意義な企画を期待して今シーズンも本職の "山" でがんばります! 皆様、ぜひカナディアンロッキーでお会いしましょう!! ヤムナスカマウンテンツアーズ(YMT) 登山ガイド:植木
by ymtours
| 2016-05-23 03:16
| お知らせ
|
検索
カテゴリ
お知らせ 出会いの山旅 家族の山旅 グループの山旅 ふたりの山旅 カナダの山旅 オーロラの旅 「マウンテンガイド」への道 イベント情報 日本の山旅 山旅の豆知識や魅力 ホワイトホース情報 遊ぶ ホワイトホース情報 買う ホワイトホース情報 食べる ホワイトホース情報 住む ガイドの素顔 登頂 / クライミング その他 デイツアー タグ
デイハイキング
オーロラ
レイクオハラ
プライベート・ツアー
グループ
紅葉
オリジナルツアー
登頂ツアー
ハイキング
ガイドの素顔
カナダ
アシニボイン
まめ知識
バックパッキング
キャンプツアー
エスプラナーデ縦走
体験してみた
G7T
ミスタヤロッジ
スコーキーロッジ
リンクページ
以前の記事
2025年 01月 2024年 12月 2024年 11月 2024年 09月 2024年 08月 2024年 07月 2024年 06月 2024年 05月 2024年 03月 2024年 02月 more... その他のジャンル
|
ファン申請 |
||