グレートディバイド スキートラバース。大陸分水嶺スキー縦走 その1

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ヤムナスカガイド谷です。

山から戻ってきました。日本は桜も散って春から初夏へといった感じでしょうか?

さて今回何処に行ってたの?という話からお話しさせていただきますと
カナディアンロッキーにある、ジャスパーという町から氷河観光で有名なコロンビア大氷原というところまでスキー縦走してきました。

このスキー縦走は2012年にヤムナスカのレジェンドガイド秋山氏がジャスパー~レイクルイーズ間を縦走しています。
グレート・ディバイド・トラバースの詳細。

距離:320km
標高差:約18,000m

ルートは、ジャスパーからレイクルイーズまでの約320km。

日本で320kmっていうと、東京から名古屋ぐらい?ですか。かかった時間はなんと22日間!!すごいです。
世界で一番過酷なスキー縦走の一つと言われるだけがあります。

僕の方はアルパインガイドとしての修業や時間的な制約もあり、14日間で北と中央の約半分強を歩くことにしました。

距離170キロ 標高差にして約11000mという行程で、メンバーはヤムナスカで働くアルパインガイドのJesseとヤムナスカのギアルームで働くCraig。
チームヤムナスカで楽しんできました!!
ちなみに北アルプス全山縦走、親不知~上高地で約120キロですね。
なので残雪の北アルプス全山縦走より数字的には厳しいですね。
日本の山は本当に厳しいんで一概に言えませんが。

かかった日数は天気も良く8日間で、予備日を入れて16日間分の食糧があったので
最後本当にザックの重さに悲鳴を上げてました(苦笑)重かった~。
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スタートはトンキンバレーという夏素晴らしいロッジと縦走が楽しめるエリアの登山口から始まります。
行ったこともある方がいるんじゃないでしょうか?
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最初の大きな大氷原 スコットアイスフィールドへの登りです。
この岩も数百年前に氷河に運ばれてきたんでしょう。悠久の時に想いを馳せます。
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スコット大氷原の朝、ようやく晴れ間が出てきたこの日、寒かったです。4月なのに-18度!!
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滑りは最高。雪も最高。荷物は30Kg以上!笑!それでもテレマークは本当に感服しました。ナイスCraig。
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キャンプはこんな感じですね。タープのみで行きましたんで寒かった記憶しかないですね。
軽量化VS快適。
自分たちが住んでいるカナディアンロッキーという同じエリアで、このようなエクスペディションが出来るのは本当に幸せなことです。エベレスト登山の食糧計画と何も変わりませんからやっていることは。

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さて二つ目の大きな大氷原、クレマンソーアイスフィールドへ標高を上げてきます。
最初の3日間は雪で視界も悪かったのですが、この頃から最高の天気になってきました!!

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Mt、クレマンソーと大氷原。
この2014年に日本パタゴニアアンバサダー加藤直之さん達が遠征に来ていた山です。
標高3658mですが、この山の大きさ、そして広さに驚くばかり。
標高だけで山を見ては本当にダメなんだなと改めて痛感しました。

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タスクピーク。形が格好いい!!いつかのぼりに戻ってこなければいけないでしょうね…

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さてこの日で5日間経ちました。天気もいいので装備をほしほしです!!気持ちいい。

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こんな場所でテントなんて最高ですね。ただカナディアンロッキーの最深部ですから
一番近い国道まで60キロ以上離れてます。
んーちょっとしたトラブルも命取りになるエリア。だからこそ本気になれるエリアですね。
今回の縦走中、もちろん誰にも会いませんでした。それぐらい僻地だということですね。
真の冒険スキーです。

今日は、ここまでにして次回完結にします。
皆さん、もうすぐGW、良い春山をお楽しみください!


ヤムナスカ・ガイド谷 剛士 (たに たけし)
ガイドプロフィールはこちらから


by ymtours | 2015-04-14 00:31 | 「マウンテンガイド」への道


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