メンターシップ

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ヤムナスカガイド谷です。

さて12月に入り、日本も年の瀬らしく世間は慌ただしく動いていることでしょう。
カナダもホリーデーシーズンが近づき、キャンモアの町も華やかな装飾でクリスマスまっしぐらという感じです。
【師走】、日本では12月のことこのように表現しますが、今回はその師について少し話そうかと思います。はたしてカナダでも師は走っているんでしょうか?


ここカナダのガイド文化の中でも日本と同じように師弟関係のようなものがあり、それをメンターシップと呼びます。
日本ほど堅苦しくないですが、やはり山岳ガイドとは職人のような位置づけなのでこのような関係はしっかりしています。
僕のような試験を受けているものは、このメンターシップが非常に重要であり、
お金は勿論もらえませんが、ガイドのアシスタントとして実際のガイディングについていき
現場で色々見て、学び、時に質問したりしてアルパインガイドとは何ぞやというのを学ぶことが出来ます。
そして、実際に色々な試験や講習を受けるときに必要な推薦状を書いてもらうことが出来たりします。

ちなみにカナダは試験に受かってもすぐに独立はできず、まず会社に属さなければいけない見習い期間があり、日本と違いこの期間に実際のガイディングを勉強します。会社に属していれば万が一の時の救助体制も万全ですからね。
僕が日本で山岳ガイドの試験を合格した時は、自分ですぐ仕事が出来る代わりに
実際のお客さんをガイドする経験を積むアシスタント期間は本当に少なかった気がします。

試験に合格したからと言ってすぐに、単独でガイドできるわけはなく、山岳ガイド会社に入って勉強や実習を重ねてしてくださいねというのが、カナダのスタンスなんですね。
これは本当に理に適っているなと思います。お客さんも安心ですよね。

さて今回はヤムナスカのレジェンドガイドであり、世界有数の登山家、バリーのアシスタントとして3日間、勉強してきました。
冬のカナディアンロッキーでガイドする注意点や事前のミーティング、調べておかなくてはいけない山の状態、実際のクライアントケア、雪崩の判断やアイスクライミング時のガイドテクニックなど、お金を払ってでも学びたい人はいるだろうなと思うほど、内容のある3日間でした。

おかげでアメリカから来たゲストも幸せそうでした。
冬のロッキーのガイドの難しさ、そしてゲストと共に感じる喜びを学ばせ貰いました。
まだ序の口の僕ですが、この12月しっかり登りこんで1月の試験に臨みたいと思います。



最後になりましたがバリーはパタゴニア社のトップアスリートであり、つい先日、自伝本も出版しました。
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日本語訳出ればいいんですがね。

話はそれましたが、本の講演会やガイドで師はまさに大忙し、日本もカナダもやはり師走ですね,
12月は(笑)

では、また来週。

ヤムナスカ・ガイド谷 剛士 (たに たけし)
ガイドプロフィールはこちらから


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by ymtours | 2014-12-04 02:14 | 「マウンテンガイド」への道


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