ガイド業界のレベル向上を願います。

ヤムナスカ・ガイド日記をご愛読頂き有難うございます。

昨年のトムラウシ山での大遭難から1年が経ちながら、
今後の対策や行政が決める基準にについていまひとつ、
クリアーになっていないことを見ていて心苦しいです。

そして去る8月9日にユタ州にて、
日本人が運転するバスが大事故を起こし、
3名の方が尊い命を失いました。
ご冥福をお祈りすると同時に詳しい事故解明の発表を願います。

お客様が観光業界について不審に思われることは
我々にとって大きなダメージとなることでしょう。

当社は自然観察からクライミングまで、自然を相手にしたガイディング・サービスを本業としております。この場を借りて、当社のガイドは一定の基準以上を満たしていることをお約束します。

カナダではハイキングを含む山岳ガイド業を営むには国立公園や州立公園が定めた基準と各公園における営業ライセンスが必要です。その基準を満たすことは最低限ですが、ヤムナスカが創業30年間、お客様の死亡事故を起こしていない理由は、行政が定めた基準よりはるかに高い基準でガイド業を営んでいるからと自負しております。以下にハイキング事業における国立公園の基準と当社の基準の違いをご説明します。

日帰りハイキングガイドの基準:

国立公園の基準
-IGAプロフェッショナル資格(動植物など自然や国立公園の歴史などを説明できる筆記試験)
-16時間講習による救急資格
-2日間のグループマネージメント講習(グループをまとめるリーダシップの基本を学ぶ講習会)

当社のリーダーガイド(グループをまとめるリーダー)になるための基準
-ハイキングガイドACMG資格(カナダ山岳ガイド協会の資格、1700ドル9日間コース、リーダーシップからナビゲーション・スキルを徹底的に試験する)
-80時間講習による野外活動においての救急資格
-IGAベーシック講習(動植物など自然や国立公園の歴史について講習を受ける。)


山奥のロッジやキャンプ泊を伴うハイキングガイドの基準:


国立公園の基準
-ハイキングガイドACMG資格
-80時間講習による救急資格
-IGAベーシック講習

当社の基準
-ハイキングガイドACMG資格
-80時間講習による救急資格
-IGAベーシック講習
-過去に3回以上当社のトレーニングに参加したガイド
-当社のチーフガイドより、ガイディング実績を高評価されたガイド
-当社のフル・ハイキングガイドのみがコースの採用を判断できる。
※フル・ハイキングガイドとは上記のハイキングガイド試験を終えた後に何年か経験を積んだ後、6日間の最終試験に合格したガイドです。

以上、当社の基準は行政の基準より高いレベルで営業していることをご理解ください。国立公園において日帰りハイキングガイドの最低基準はIGAというインタープリター協会の資格となりますが、この資格は安全やナビゲーションについて学ぶことができないため、当社は真のハイキングガイド資格では無いという立場を取っています。

業務責任保険(ライアビリティ保険)についても触れておかなくてはなりません。当社は万が一の事故に備えて、上限10ミリオンカナダドル(約8.5億円)の保険に加入しております。カナダにて当社以外のガイドを雇う場合は、必ずこの保険の有り無についてご確認ください。

これまで当社は他社が行う低いレベルのハイキングガイドサービスについて、特に関心は持たず、当社のガイドサービスを向上させることがお客様の利益になると信じてきました。しかし、昨年のトムラウシ山の大遭難をきっかけに、カナダにおけるガイドサービス全体の基準を上げていかなければいけないと思うようになりました。ユタでの観光バス事故もそうですが、たった一つの団体、粗悪な個人による非合法なサービスが大事故を起こした場合でも、業界全体に大きな悪影響を生じます。 山の中をガイドするリスクというものについて、各社が同じレベルで理解し、営業できるようになるべきであると、切に願います。

どうか、消費者の皆様も、料金がひどく安いサービスには、保険や事故時のバックアップ、人材教育について必ず問題があることをお疑いください。粗悪なサービスを衰退させるには、行政による指導とお客様の厳しい目が必要です。

今年はカルガリーへの直行便就航もあり、多くのハイキング愛好者が日本からカナディアンロッキーへお越しです。当社のガイドからの報告により、基準の低いガイドが山奥のロッジを利用して、ガイドの仕事をしているのを、よく見かけます。彼らは80時間のファーストエード(救急法)のトレーニングを受けていなかったり、装備についても業務用無線機を待たない、緊急シェルター不携帯、業務用のファーストエードキットを持っていない、緊急時に会社との連携ができない、などの問題があります。どうぞご注意ください。

最後に良いガイドと良い会社を選ぶチェックポイントをご紹介します。

1.ガイドの安全基準について証明できるACMG資格を持っているか?
2.山専門のガイドとして働いているか、または観光ガイドが主体であるか?
3.ガイドの装備について上記の装備は持っているか?
4.ハイキング以上の厳しい山の経験があるか?
5.会社が合法的な営業ライセンスを持っているか?(山の中に泊まるロッジやキャンプの営業ライセンスは、日帰りの営業ライセンスとは異なります。)
6.ライアビリティ業務保険に加入しているか?(当社は10ミリオンカナダドルを保持)
7.社内にきちんとした緊急時の対策と、国立公園のレスキューとの関係が構築されているか?
8.業界スタンダードとなっている80時間の野外活動用のファーストエード資格を持っているか?
9.会社が山ガイドの定期的なトレーニングを行っているか?

今後もカナダのガイド業において、山岳遭難が起きないことをこころから願います。

国立公園における営業ライセンスの区分けとガイド資格についての資料を添付します。この資料は2009年に国立公園が発表した公的文書です。
Guiding Standards

山岳ガイド業界のさらなる発展を祈り、
今後は非合法なサービスを見つけた場合は各機関に通達する所存です。

オーナー
ディビッド・ベック

当社と他社のサービス比較:
http://www.yamcanada.com/appeal/index.html

当社ガイドの紹介:
http://ymtours.com/guides_rockies/index.html
by ymtours | 2010-08-14 02:21 | お知らせ | Comments(0)


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